2023年9月20日10:00
パナソニックITSは、北海道室蘭市の協力を得て、タクシーと連携した、Mobility as a Service(MaaS)の有償実証実験をショッピングモールMORUE(モルエ)中島をはじめとした提携店舗で、2023年10月16日~12月15日(土日祝日を除く)に実施すると発表した。なお、同実証実験は、経済産業省北海道経済産業局「令和5年度北海道の地方都市におけるタクシー共通配車システムの有効性及び他産業との連携や新制度の導入による利用促進モデルの事業性調査・分析事業」を受託し、実施する。
パナソニックITSと室蘭市は、高齢者を中心としたクルマを持たない地域住民の移動の利便性向上や、人材不足に悩む交通事業者の課題解決のために、室蘭MaaSプロジェクト「いってきマース」を2020年より推進してきた。これまで、無償条件下での実証実験を段階的に実施してきたが、今回は、室蘭市内のタクシー事業者や飲食店、小売店の協力のもと、正式サービス開始に向けた2段階実験の第1弾として、パナソニックITSとして初のタクシーと連携した有償の実証実験を行う(第2弾実験は2024年に実施予定)。実証実験では、タクシー稼働率・利用満足度などを計測する。また、SNSや、各種メディアを通じたPRにより、エンドユーザーである地域住民の認知向上を目指す。
具体的に、室蘭市内のショッピングモールMORUE中島をはじめとした提携店舗や実験参加者の自宅周辺で、有償実証実験を実施する。正式サービスインに向けて自立的で持続可能な「収益モデル」の検証のため、実際の運用状況に近い条件下でタクシーの稼働率、実験参加者の満足度、タクシー事業者及び連携する小売・飲食事業者の収益増加率などを計測するそうだ。
車両の一元管理および最適、効率的な配車実現に向け、実証に協力してもらう全てのタクシー事業者に共通の管制システムを導入する。また、小売店や飲食店の集客向上のため、提携店舗の買い物額に応じ、タクシー運賃に充当可能な割引クーポンを発行する。タクシー利用閑散期における稼働増のため、稼働率の低い時間帯はクーポンの割引率を上げて利用料を下げる、疑似的なダイナミックプライシングを導入するそうだ。
また、実証実験参加者の自宅から電話での予約、あるいは提携店舗に設置した予約用タブレットから配車予約を行う。SNSや、各種メディアによるPRで、広く地域住民から実証実験参加者を募集するという。
なお、協力事業者は、日鉄興和不動産(MORUE中島 運営)、金星室蘭ハイヤー、室蘭つばめ交通、札幌交通本輪西営業所となる。また、提携店舗は、MORUE中島、スーパーアークス室蘭中央店、室蘭串揚げ 中島一丁目商店、Lapin Garden、洋食酒場らぱん、くじら食堂 鉄ノ街珈琲、やきとりの一平 本店、やきとりの一平 學亭、やきとり伊勢広、板前料理 そのべとなるそうだ。
サービス実用化に向けて、実際のサービス内容により近いタクシー相乗り方式や道南バスとの連携を含む、第2弾実証実験を2024年に予定している。今後、サービス実用化時には、任意の場所での相乗りタクシーの乗車を可能とする、スマートフォン上で動作する専用アプリケーションを開発し、導入する。
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ペイメントナビ編集部
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