2021年11月30日7:20
MaaS Tech Japanは、石川県加賀市におけるMaaSを活用した質の高い住民サービスの提供・スマートシティの実現を目指し、加賀市およびヴァル研究所と「MaaSを活用した住民向けモビリティサービスと交通版EBPMの実現に向けた連携協定」を締結した。
加賀市では、過疎化による利用者減少に伴い、公共交通維持のための負担が増加しており、持続可能な交通体系維持に向け、デジタル技術を活用した公共交通の効率的・効果的なサービス構築が必要とされているそうだ。また、公共交通の担い手であるドライバーの減少により、単独の移動手段で輸送効率の高い路線を維持することが困難となっている。さらに、少子高齢化・高齢者の免許返納などさまざまな社会課題があるなかでも、住民一人ひとりが安心に移動できる、きめ細やかな移動サービスを提供するためには、地域のモビリティ同士が連携したMaaS(Mobility as a Service)の構築が必要不可欠な状況にある。
これら状況を踏まえ、MaaS Tech Japanのデータ連携基盤統合技術やそれを活用したMaaSの事業開発ノウハウと、ヴァル研究所がもつ経路検索エンジン技術などの強みを持ち寄り、加賀市における「誰でも使いやすく、暮らしを豊かにするモビリティサービス」を実現するため、同協定を締結した。
同協定での取り組みは、①住民向けMaaSアプリの開発に関すること、②モビリティデータ連携基盤の開発に関すること、③MaaSオペレータ事業促進に関すること、④データに基づいた交通マネジメント(EBPM)に関すること、⑤経路検索を用いたモビリティサービス向上に関すること、となる。
各者の役割として、加賀市が、①マイナンバーと連携した住民向けサービスの提供、②各事業者と連携した市内一括MaaSサブスクリプションの提供推進、③課題解決のためのMaaSオペレータ事業の推進、 MaaS Tech Japanが、①MaaSアプリ、データ連携基盤、MaaSコントローラのパッケージ提供、②ユーザー課題、社会課題に立脚したMaaSレベル4のサービス企画や事業計画策定、③子育て世代への支援、高齢者の免許返納やQoL、医療機関へのアクセス向上等具体的なアクションプランの推進、ヴァル研究所が、①経路検索技術および経路検索エンジンの技術提供、②MaaSで重要なデマンド交通と公共交通の連携を促進する検索サービスの実装、③多くのMaaSプロジェクトで培ったノウハウの提供、となるそうだ。
同協定は、既存のMaaSアプリ開発に留まらず、地域住民の移動課題を解決するモビリティサービスを安心・安全に利用できる「地域課題特化型のMaaSアプリ」として開発を行うと共に、EBPMという新たな行政施策の重要テクノロジー活用に向け、データ連携基盤及びMaaSコントローラを構築していくことを目的としている。
今後は、「地域課題特化型のMaaSアプリ」および、交通サービスの開発による住民向けサービスとデータ連携基盤による自治体向けサービスの双方から移動課題の解決を支援し、加賀市が目指す質の高い住民サービス提供の実現、さらには、スマートシティの実現を推進する。また、Maas Tech Japanでは、同協定での取り組みでの実績やノウハウを同社が提供する3つのプロダクト(MaaSアプリ、データ連携基盤、MaaSコントローラ)に活かし、その活用により、さまざまな地域・エリアにおける移動や交通に関わる課題解決を支援し、MaaSを通じた未来社会へ貢献すべくより一層取り組むそうだ。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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