ローソン銀行ATMの新型機、新たなリテール・金融戦略に向けて重要な理由とは?

2024年2月1日8:00

ローソンとローソン銀行は、ローソン銀行 ATM の新型機(新型ATM)を、2024年1 月 22 日から一部店舗で導入を開始し、計 5 店 舗(1 月 26 日時点)で現行機と入れ替えた。ローソン銀行では1月30日に記者説明会を行い、新型ATMの開発コンセプトや新たに搭載された機能、現行機との違いなどについて説明した。また、ローソン店舗に設置済の新型機にて、新機能のデモンストレーションを行った。

左からローソン銀行 代表取締役社長 鶴田直樹氏、取締役 兼 執行役員 営業戦略統括 松山恵介氏

リアル拠点ならではの新たな価値提供へ
ATMチャージの利用件数が増加

ローソン銀行は、ローソングループの金融事業を担うグループ会社として2018年9月に開業した。現状のサービスの深化として、提携金融機関の拡大、ATMチャージや海外送金カードの取扱い拡大、ローソン以外のATM設置の拡大を進めている。これに加え、ATMを使った料金収納、本人認証サービス、現金受取サービスのリアルの接点ならではの価値を追求することで、顧客に利便性を提供し、グループの理念である“みんなと暮らすマチを幸せにする”を実現させたいとした。

新型ATMの導入は現状のサービスの進化、リアル拠点ならではの新しい価値を提供できるという。ローソングループの銀行として1万3,500台のATMを順次入れ替える予定だ。

新券への対応やユニバーサルデザインの筐体となる銀行ATMの新型機。開発ベンダーは富士通( ローソンゲートシティ大崎アトリウム店)

キャッシュレス決済が進行し、現金やATMの需要が減るのではないかと言われる中で、なぜATMを入れ替えるのか? 国内のキャッシュレス決済は2022年時点で36%まで高まっている。年々キャッシュレス化は進行しているが、日本の通貨や紙幣の流通量も増加している。一方で、国内のATMの台数はジワリとした減少しているが、コンビニエンスストアのATMは増えている。

アフターコロナによる店舗への回帰やキャッシュレス決済の進展に伴いアプリでの現金チャージのニーズが高まっており、ローソン銀行ATMの利用件数は回復基調にある。ATMの取引件数に占める総利用件数はコロナ前の2019年上期と比較すると、2023年上期は全体で15%増えている。その中でATMでのチャージ利用件数が増加しており、2023年9月末現在16.4%まで増えている。

「ぽんたまATM」開始で新規・継続利用に手応え
将来の成長に向けた重要な基盤の1つに

ローソン銀行では、ローソン銀行ATMでの入出金取引後、共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」のPontaカードを挿入することで、Pontaポイントを加算する「ローソン銀行ATM Pontaポイントたまるサービス(愛称:「ぽんたまATM」)」を2023年10月から提供している。利用者数は12月までに73万人となっており、ATMの新規利用の獲得、継続利用・固定化に一定の手応えを感じている。

こうした環境を踏まえ、ATMは主力事業と位置づけ、お金のラストワンマイルを提供する事業インフラとして利便性を提供するとともに、足元では現金をチャージするニーズを捉えていく考えだ。ATM事業については、従来から現金の入出金のニーズに加え、現金とキャッシュレス決済をつなぐニーズ、減少するATMの代替ニーズに対応する。鶴田氏は「この事業戦略は中長期の目線では新しいリテール・金融戦略につながるが、将来の成長に向けた重要な基盤の1つ」だとした。

コード決済や電子マネーの現金チャージを取り込む
アプリ対応でPontaポイントが一番貯まるATMへ

2024年7月に始まる新紙幣にも新型ATMは対応し、現行のATMについても年度内に対応を完了させる予定だ。

ローソン銀行ATMでは、2020年9月から現金で決済アプリにチャージできるサービスを提供しているが、キャッシュレス化の進展に伴い利用が増加しているそうだ。2023年9月末現在、ATMの利用件数に占めるATMチャージは16.4%となっている。足元ではコンビニエンスストアでの月間キャッシュレス支払い件数は43.5%まで達している。このうち電子マネーやコード決済の支払い件数が8割を超えている。

ATMはローソン店舗を中心に設置しているため、新型ATMではNFCを搭載することで、コード決済アプリやSuicaなどの非接触カードへの現金決済ニーズを取り込む。

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