楽天カードの上位カードは楽天経済圏のヘビーユーザーを中心に支持、「ブラックカード」一般開放で想定以上の反響

2024年11月5日8:00

楽天ポイントが最も貯めやすく、使いやすいクレジットカードである「楽天カード」、楽天カードは、2024年6月末で3,108万枚の「楽天カード」を発行しており、今もなお成長が続いている。年会費無料に加え、100円で1ポイントの楽天ポイントが貯まる一般カードは圧倒的に支持されているが、「ゴールドカード」(年会費2,200円)、「プレミアムカード」(年会費1万1,000円)、「ブラックカード」(年会費3万3,000円)は楽天経済圏のヘビーユーザーを中心に支持されているそうだ(すべて税込)。

左から楽天カード 執行役員 カード企画部長 藤村健二氏、カード企画部 副部長 茅野雅博氏

2枚目のカード発行で1人当たりの利用拡大
有料カード保持の拡大で30兆円早期達成へ

楽天カードは一般カードのアクティブユーザーも多いが、ゴールドカードやプレミアムカードはさらに稼働率が高く、決済額も多い。楽天カード 執行役員 カード企画部長 藤村健二氏は「貯めやすく使いやすい楽天ポイントなど、楽天グループのエコシステムを活用しながら会員数を伸ばしています」と話す。楽天カードを使えば使うだけ楽天ポイントがより多く貯まるため、多くの会員から支持されているという。また、ウォレットシェアの拡大に向けて2枚目の楽天カード発行を可能としたことで、当初の目標通り1人当たりの利用拡大につながった。

「楽天ゴールドカード」は会員様特典として、国内主要空港のラウンジを年間2回まで無料で利用可能

楽天カードでは、2021年10月に中期計画として「クレジットカード発行枚数3,000万枚」、「ショッピング取扱高30兆円」、「取扱高シェア30%」を早期に目指す「トリプル3」を発表した。すでに1つの指標である3,000万枚は達成したが、「取扱高30兆円、30%のシェアに向けた施策の1つとして上位カードの比率を高めていくことは重要です。最初に年会費無料のカードを持っていただき、そこから有料カードをお持ちいただくことで単価アップを図り、30兆円の早期達成を目指します」と藤村氏は語る。

他のカード会社も稼働率が高く、決済額の多いゴールドやプラチナなどプレミアムカードの獲得を強化しているが、楽天経済圏でお得なクレジットカードとして差別化は図れており、「数字的な影響はありません」と藤村氏は自信を見せる。また、最近ではゴールドカードでも無料、もしくは一定条件で無料となるサービスが増えているが、同社は2,200円からの金額を保っている。

楽天市場の買い物がお得になる「楽天プレミアムカード」。「楽天市場コース」「トラベルコース」「エンタメコース」の中からライフスタイルに合わせてコースを1つ選択できる

プレミアムカード会員はポイントがお得
楽天サービスへのロイヤリティも高い

楽天カードでは入会キャンペーンを定期的に実施しており、上位カードを持ってもらうためのラインアップを拡充している。上位カードになると楽天市場での買い物時のポイントがよりお得になる。また、楽天証券でのクレカ積立(楽天カードクレジット決済)で一般カードは0.5%のところ、ゴールドカードで0.75%、プレミアムカードで1%、ブラックカードで2%と、ランクごとに貯まるポイントがアップする。カード企画部 副部長 茅野雅博氏は「楽天証券のクレカ積立の取扱高は伸びており、上位カードになるほどポイント還元率がアップすることが評価されています」と話す。さらに、ブラックカードのオープン時に新たな付帯サービスとして、「楽天マガジン ライト for 楽天カード」および「楽天ミュージックバンドルプラン」を体験できる無料サービスをブラックカードとプレミアムカードに付帯するなど、楽天経済圏の中でよりよいサービスを提供しているそうだ。

藤村氏は「例えばプレミアムカードであれば、「選べるサービス」で「楽天市場コース」を選択すると、ポイント還元率は火曜と木曜日はプラス1%、誕生月はさらにプラス1%となり、楽天市場をよりお得に使っていただけるところに利便性を感じていただいています」と力説する。茅野氏も「プレミアムカード会員は楽天のサービスに対してのロイヤリティが高いと認識しています」と話す。

楽天カードの利用傾向として、楽天市場を有しているためECでの利用比率は高いが、各業界でバランスよく利用されている。また、コロナ禍において、交通系や百貨店系などを中心にクレジットカードカード市場が落ち込む中で、楽天カードはECなどの伸びもあり、コロナ禍でも取扱高はプラス成長を維持している。また、現在の取扱高はコロナ禍以前よりもさらに伸びている状況だ。対面での取引では、タッチ決済の利用も伸びている。

ポイントや特典はグループ戦略に合わせ最適化
ブラックカード一般受付後の反応は?

なお、SPUでのゴールドカードの利用特典ポイント+2倍(期間限定ポイント)を終了するなど、会員へのポイント還元や特典に関してはグループ戦略に合わせて変更しており、最適化を図っているそうだ。近年は、グループでの「楽天モバイル」の推進など、SPU全体としてのルール変更はあるが、全体の還元率は大きく変わらないとした。また、ルール変更によって会員数の減少につながるといったことはなかったと認識している。

ここ1~2年は主要なカード会社でプレミアムカード付帯の「プライオリティ・パス」の変更が相次いでいる。同社も例外ではなく、2025年1月から会員証の形態が「プライオリティ・パス メンバーズシップカード」から「デジタル会員証(プライオリティ・パス アプリ)」に変更される。また、プレミアムカード会員の海外空港ラウンジ利用回数が年間5回までに制限されることになるが、今回の変更で影響があるお客様はごく一部だとみている。

新たな取り組みとして2009年10月から発行しているブラックカードはこれまで招待制だったが、2024年7月から一般受付を開始した。

多彩なサービスが整う「楽天ブラックカード」。最高1,000万円のご利用可能枠や海外旅行傷害保険などに加えて、旅行時の手荷物宅配サービスや楽天カードトラベルデスクの利用、国内外の空港ラウンジ利用、さまざまなシーンの要望に応えるコンシェルジュサービスなどを受けられる

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