2024年11月14日7:35
シンプルフォームは、政府系ファンド、国内メガバンク系VC4社、独立系VCなど投資家 計9社を引受先とする26億円の第三者割当増資及び金融機関から14億円の借入を行い、シリーズBラウンドで総額40億円の資金調達を実施した。
シンプルフォームは2020年に創業し、法人取引における審査業務の革新に取り組んでいる。近年、国境を跨いだマネー・ローンダリングや特殊詐欺、サイバー犯罪などの非対面型犯罪が増加しており、規制が強化される中、企業側も対策に追われている。非対面取引で審査のみを強化すれば業務効率が落ちる、利用者の利便性が低下するという課題があるなか、規制対応と利便性を両立させる審査体制の構築が求められている。
こうした背景を受け、同社はデジタル化が劣後している審査業務のDX化に向け、国内500万法人の定性情報を収集しデータベース化して、この情報を基盤とした法人調査プロセスを自動化する「SimpleCheck」と、法人のリスク情報の重要な変化をモニタリングする「SimpleMonitor」などのプロダクトを開発している。法人取引における審査体制の構築・運用支援を行うプロフェッショナルサービスをはじめ、金融犯罪防止や業務生産性の向上を支援するプロダクトは金融機関やカード会社などで採用されている。このほど、サービスをより高度なものに進化させるため、投資を行う。
同社は約2年で10倍の売上成長を遂げ、既存の顧客1社あたりの年間売上継続率(NRR)は152%で伸長しているという。また、商談の9割が紹介経由だ。約3,300名に上るユーザーが「SimpleCheck」に2日に1回以上の定期的なログインをし、日々の審査業務に役立ててもらっている。2024年6月に本格提供を開始した「SimpleMonitor」は、全国500万法人の最新の動きを示すデータに同社の分析・解釈を加えることで、顧客のリスク判断に係る負荷を軽減し、判断の高度化や、迅速なリスク低減アクションが可能となる好事例が積みあがっているそうだ。また、正社員数は60名(2024年11月1日時点)となった。
新たな投資として、「SimpleCheck」「SimpleMonitor」の精度向上、機能の充実およびUI、UXの向上を図り、顧客の審査業務のさらなる効率化、高度化につなげる。
また、法人の属性の変化や他法人とのつながり、公開物のパターンなど多方面から、法人の活動状況の不自然さを検知し判断基準を提示するプロダクト、経験が少ない人の審査業務を支援するプロダクトなど、蓄積したデータを基盤としたプロダクト開発を加速させる。
さらに、中長期では「SimpleCheck」「SimpleMonitor」を含む複数プロダクトと、審査業務の支援ノウハウを統合し、法人取引の審査業務をワンストップで支えるサービス「SimpleForm」の構想実現を目指すそうだ。
加えて、開発及びサービス提供体制のさらなる強化に向け、営業部門、開発部門及びデータ収集・分析調査を担う調査部門を中心に組織拡大を進める。新卒採用を本格的に開始し、2025年内に正社員数を100名以上に拡大させる。
また、時代に合わせた審査業務を設計するため、コンサルティング機能の強化に向けた体制を整備する。
シリーズB調達額及び調達方法:40億円のうち26億円が第三者割当増資、14億円が金融機関から借入となる。既存投資家であるDNX Ventures・DBJキャピタルの2社からは、これまでの実績の評価により、規定に基づく権利行使以上の追加出資を受けた。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
カード決済、PCI DSS、ICカード・ポイントカードの啓蒙ポータルサイト