新潟交通の路線バスでAIによる利用状況可視へ、ウォークスルー型の乗降も視野に(TMN)

2024年12月12日8:20

トランザクション・メディア・ネットワークス(TMN)は、2024年12月12日~22日まで、新潟交通が運営する一部路線バスにおいて、AIカメラが利用者の顔画像をデータ化し、GPS情報で停留所、乗車時と降車時それぞれで推定した利用者を特定する実証実験を開始する。同社ではクラウド活用により柔軟な料金設計、顔パスによるウォークスルー型の乗降を可能にするなど、持続可能な地域の公共交通の実現を支援していきたいとした。

路線バスの入り口に設置したカメラ

「いつ、どこから乗って、いつ、どこで降りたか」把握
AIカメラで顔画像をデータ化、GPS情報で停留所特定

利用状況可視化に向けた実証実験は、新潟市の「令和6年度新潟市デジタルイノベーション創出推進補助金」の支援を受け、新潟交通の協力により実施している。TMNは、これまでに、新潟交通や関越交通の協力のもと、新潟市および渋川市内の路線バスにおいて、利用状況の実態把握に向けた実証実験を行っている。新潟交通とは2023年12月に一部の路線バスで乗降時にカメラで撮影した乗客の顔画像を特徴量データ変換、および暗号化する実証実験を行っているが、今回は一歩進んだ取り組みとなる。

実験を行う新潟交通の路線バス

具体的に、「いつ、どこから乗って、いつ、どこで降りたか」を乗降情報として記録できる点が進んだという。TMN インテグレイテッドサービス企画本部 情報プロセシング技術企画部 地域・交通グループ グループマネージャー 今度祥一氏は、「お客様の属性、およその性別、年齢を特定し、把握できます」と話す。

TMN インテグレイテッドサービス企画本部 情報プロセシング技術企画部 地域・交通グループ グループマネージャー 今度祥一氏

同実験では、新潟交通のバスに4Kのカメラを乗車口、降車口に設定している。また、バスにはGPS情報とドアが開いた、閉じたという情報をセンサーにより把握できる。利用者の乗車時の情報をAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)に送り、クラウド上で顔情報の特徴点を抽出し、その情報を降車時の情報と照合する。それを制御するバスのドアのセンサー情報と重ね合わせることで、誰が何時にどこのバス停から乗車し、何時にどこのバス停で降車したかを把握可能だ。これまではICカードの情報でそれを識別していたが、タッチレスで①乗車データ、②降車データ、③認証データ、④属性・笑顔データ、⑤バス停ごとの乗車・降車の人数データやバス停間単位の車内乗車中人数、といったODデータ(乗降履歴)を取得可能だ。

バスの降車口に設置したカメラ

AIで顔画像の特徴量を抽出
バスの運行情報をサービス向上に生かす

同部 淀川征慶氏は「今回の実証実験は実際に走行するバスで、振動や乗り具合、通信環境においてノイズなどが入るのかを確かめます」と説明する。実験には新潟交通に加え、AI顔認証ソフトウェア「SAFR」を提供するNTTコミュニケーションズの協力を得ている。AIカメラは人を認識してデータ化、暗号化できる。特徴量を抽出してデータ化し、照合可能だ。路線を多く利用する年代、高齢者などの情報も蓄積できるため、バスサービスの向上に活用できる。

TMN インテグレイテッドサービス企画本部 情報プロセシング技術企画部 地域・交通グループ 淀川征慶氏

なお、特徴量によるバス利用者の特定は行わないという。データは、セキュリティ環境の整った通信回線で分析システムに送信され、バス利用者の乗降分析の目的にのみ使用し、TMNにて厳正な管理を行い、実証実験終了後速やかに削除する。そのため、その日のデータは分析できるが、利用者のリピート情報などは取得できない。

新潟交通では交通ICカード「りゅーと」などが利用可能だ。バスの利用実態の正確な把握とさまざまなサービスへの連携により地域交通が抱える課題解決と快適な移動環境を創出する新たなサービス開発の一環と期待している

今回の検証ではバスの運行情報も取得できる。例えば、バスの乗り降りにどの程度時間がかかっているかは、運転手の肌感覚ではわかっているが、検証データがない。また、バスの通過、ラッシュ時にバス停で停車している時間、バスが空いている時間帯などを把握することで、バス会社のマーケティングに役立てることができるという。淀川氏は「乗降体験の基礎データになれれば」と意気込む。

顔パス決済や柔軟な価格設定も可能に
サービス実現に向けた課題は?

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