2025年2月7日13:45
インフィニオン テクノロジーズ は、ドイツ連邦情報セキュリティ局 (BSI)と共同で、量子レジリエントな世界へのマイルストーンを達成した。インフィニオンは、セキュリティ コントローラーに耐量子計算機暗号アルゴリズムを実装し、コモン クライテリアEAL6を世界で初めて取得した。このような暗号は、高性能な量子コンピュータによる脅威に対し、eSIM、5G SIM、および個人ID、決済カード、電子健康保険証などのスマートカードアプリケーションのセキュリティを強化するそうだ。
今後10年から20年以内に、量子コンピュータは現在の暗号アルゴリズムを破るほど強力になり、人々のデジタルライフの安全性が損なわれると予想されている。現在発行され、何年も有効なeIDのようなドキュメントは、量子コンピュータによる将来の攻撃に対する耐性が必要だとしている。現在送信されている暗号化されたメッセージや電子メールも同様で、これらを保存しておくと、後で量子コンピュータに攻撃される可能性があるからだとした。Module-Lattice-Based Key Encapsulation Mechanisms (ML-KEM) のような耐量子計算機暗号アルゴリズムは、このような攻撃に耐えるように設計されており、デジタルインフラの完全性を強化している。これらのアルゴリズムの安全な実装は、古典的なセキュリティ攻撃に耐えるために極めて重要だという。
国際的なコモン クライテリア規格は、IT製品やシステムのセキュリティに関するガイドラインと基準を設定している。インフィニオンのPQCアルゴリズムの安全な実装をコモン クライテリアEAL 6で認証することにより、BSIは、量子コンピュータ攻撃だけでなく、フォールト攻撃のような古典的な攻撃に対する耐性の重要性を強調している。ML-KEMアルゴリズムは、インフィニオンの革新的なセキュリティ アーキテクチャであるIntegrity Guard 32をベースとしたインフィニオンの28nmセキュリティ コントローラーの最新ブランドであるTEGRION™セキュリティ コントローラー上に実装された。コモン クライテリア スキームは、さまざまな政府が協力して開発したもので、世界中の政府によって認められているという。認証自体は、さまざまな国の機関を通じて行われる。インフィニオンのTEGRIONセキュリティ コントローラーは、ドイツ認証スキームの下、ドイツBSIによって評価、認証されている。
EAL6は非常に高度な保証レベルであり、その製品やシステムが包括的かつ厳格な評価を受けてセキュリティの主張を確認したことを示している。認定を受けたセキュリティ コントローラーは、高性能処理と高度な暗号機能を組み合わせ、耐量子計算機暗号のための堅牢な基盤を提供する。また、PQC時代が間近に迫る中、インフィニオンは、さらに高度な耐量子ソリューションの開発に取り組んでいくそうだ。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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