「楽天ペイ」はAI活用の次世代アプリに 6月から少額短期保険を本格展開、ポイントカード提示者以外の顧客属性も捕捉可能

2025年4月21日8:37

楽天ペイメントでは、2025年4月17日に「楽天ペイ」におけるAI(Artificial Intelligence、人工知能)活用の取り組みに関する説明会を開催した。楽天少額短期保険では、「楽天ペイ」において、2025年6月から少額短期保険の販売を開始する予定だ。また、「楽天ポイントカード」のデータなどから、カード非提示者も含め、流通店舗の顧客属性を予測し、顧客全体の属性を推測する取り組みなども進めている。

左から楽天ペイメント 執行役員 プロダクト開発本部 副本部長 坂本 和彌氏、営業第一本部 副本部長 兼 データマーケティング部 部長 林 宏憲氏、楽天少額短期保険 執行役員 岡村 匡純氏。4月17日開催の楽天ペイのAI活用に関する説明会において

70サービスのビッグデータ活用
購買データから予測した提案も

楽天グループは、楽天市場やフィンテック事業に加え、モバイル、トラベル、メディアなど、70を超えるサービスを展開している。さまざまなサービスを展開し、幅の広さも強みの1つだ。さらに、1つのIDでシームレスに結合され、楽天エコシステムとして消費者に提供されている状況だ。

楽天ペイメントは、キャッシュレス決済サービス「楽天ペイ」、共通ポイントサービス「楽天ポイントカード」をはじめとした決済に関わるサービスを展開している。また、それらの利用したデータ利活用によるマーケティングも行っている。

楽天が考える「AI」とは、 音声認識・意志決定・視覚など、人間の知能に関連するタスクをコンピュータが学習して実行することの総称となる。提唱されて70年近く経過している 「AI」という概念だが、近年では特に進化が目覚ましく、 さまざまな技術やサービスに活用されている。

例として、名刺をカメラでスキャンすれば、書いている文字を正確に読み取り、デジタルデータとして保存できる。また、問い合わせに対する回答も精度が高まっている。さらに、生活の身近な例として、スマートフォンのロックを顔や指紋認証で解除するなどだ。楽天ペイメント 執行役員 プロダクト開発本部 副本部長 坂本 和彌氏は「AIに関しては楽天グループのサービスのさまざまなところで利用がされてきております」と話す。

楽天グループでは、2024年10月に「Rakuten Link AI」、11月に「楽天AIアシスタントベータ」を提供している。Rakuten Link AIは800万人の楽天モバイルユーザーに多種多様な提案をしているという。また、楽天AIアシスタントベータはすべての楽天サービスが1つのAIに集約されているそうだ。

楽天ペイでの活用として、楽天グループの70を超えるサービスのビッグデータを利用して、利用者に最適なサービス提供ができると考えている。

例えば、楽天GORAの予約サービスを提案した後、スコアが良くなった際に「ホールインワン保険」を提供するといったことが今後実現できるとした。また、位置や行動の情報が把握できるため、辛い物を食べた際に、甘いものが食べたくなった人に、スイーツのクーポンを提供する店舗を提案することもできる。「楽天ペイではさらに一歩先をいったAIのサービスが実現できると考えております」(坂本氏)。また、楽天ペイメントでは、フィンテックサービスを融合させることで、利便性を高めることを考えている。楽天ペイアプリは、楽天ペイ、楽天ポイント、楽天Edyを完全統合した。楽天ペイで買い物した際、楽天カードと連携し、支払日をコントロールして余裕を持たせるなど、顧客利便性を高める取り組みを進めていきたいとした。

坂本氏は「我々が今後目指す楽天ペイは、AIと融合した次世代アプリです。楽天ペイはいつでもどこでも、誰でも使える決済サービスです。楽天ペイとAIが組み合わさることで、日本中どこでも、消費者にとってベストなサポートを受けられる世界が実現できると考えております」と意気込みを見せた。

楽天経済圏へ少額短期保険が拡大
位置情報や購買履歴等活用

楽天少額短期保険 執行役員 岡村 匡純氏は、6月から順次開始する楽天ペイからの少額短期保険加入について紹介した。楽天ペイは楽天フィンテックサービスの“入口”だが、すでに楽天生命や楽天損保への誘導が行われている。保険業は金融庁と折衝を行い、内閣総理大臣の認可を取得することが必要な事業だが、楽天少額短期保険のような少額短期保険業者は年金保険など一部を除き全分野の商品販売が可能だ。例えば、ペット保険、家財保険、スマートフォン保険、旅行保険、自転車保険、ゴルフ保険、登山保険、マラソン保険などが例としてある。保険に関する業務以外は基本的にはできない法律の定めになっている。

楽天の持っているビッグデータをAI活用により分析することで、例えば今まで世の中にないような商品やサービスを開発して、顧客に提供できると期待している。

楽天ペイを入り口にして、楽天エコシステム(経済圏)で保険ビジネスをスピーディに拡大する。まずは、シンプルでコンパクトな少短商品で「簡単に保険に加入する体験」を創出するという。楽天会員は、楽天ペイから、場所も時間も選ばずに、スマホでいつでもどこでも簡易に保険に入ることが可能だ。保険の申し込みは、最短5回のボタン押下で手続きできる。

楽天のビッグデータとAIを活用した新たな顧客体験として、楽天エコシステム(経済圏)の強みであるビッグデータとAIを活用し、利用者一人ひとりのニーズに応じたタイムリーな情報提供を行う。保険商品の提供にとどまらず、病気の「予防」や「災害対策」などに関連した情報提供やサービスを展開していく。

具体的に、熱中症保険として、熱中症のアラートが出された日に、 アラートが出された地域で保険商品の広告を送信すると共に、予防用品に関する情報を発信するという。また、海外旅行保険として、朝、国際空港にいるという位置情報を活用して旅行保険の広告を送信する。家電購買保険として、購買履歴を活用して、 購買行動に関連した保険商品の広告を送信するなどが考えられる。

今後は、楽天ペイの提携先の会員向けカスタマイズ商品を提供する。また、楽天エコシステム(経済圏)を活用し、提携先出店企業という資産がある楽天グループならでは の価値を創造していくという。

ミニアプリでの他の経済圏との差別化は?
店舗の顧客ニーズを楽天ポイント+αで解析

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