2025年5月1日8:00
クレディセゾンは、2025年4月25日、ブラックカード「SAISON DIAMOND AMERICAN EXPRESS CARD」会員向けのサービスなどを紹介するプレスセミナーを開催した。当日は、セゾンAMEX事業部 プレミアムビジネス開発部長 岸田大輔氏が1,000人以上の富裕層との直接対話を通じて得た洞察をもとに、具体的な取り組みと価値の提供方法について説明した。
富裕層1,000人以上からノウハウ蓄積
ニューリッチ対応を強化
岸田氏は2019年の秋から現在まで富裕層ビジネスを担当している。同氏は「富裕層の方に会って実態を把握して、富裕層の人が好まれることをしようというのを決めて、富裕層1,000人以上からいろいろなノウハウを蓄積しました」と話す。
クレディセゾンがなぜ富裕層ビジネスをするのか? カード業界で加盟店手数料の収益は年々下がっている。将来的に調達コストと加盟店手数料収益が逆転してもおかしくない。 マス層向けのカードについてはリボ払い、分割払い、キャッシングなどの収益を拡大する必要がある。富裕層はそういった収益は見込めないが、会費手数料を獲得できる。岸田氏は「ここが一番重要になってきますので、徹底的にお客様に付加価値を提供しながら、いただく会費手数料を上げていく、強化していくことが大事かなと思い、富裕層ビジネスに取り組んでいます」と説明する。
野村総合研究所によると、日本の富裕層と超富裕層は165万世帯、その純金融資産は469兆円まで増えている。2021年に比べて、世帯数で11%、総資産額で29%増加している。富裕層は準金融資産1億円以上であり、「いつの間にか富裕層」、「スーパーパワーファミリー」というワードもでている。
富裕層の価値観も従来の固定的、ステータス重視のオールドリッチから、年齢関係なく、多様な価値観、自分の価値観を重視する新富裕層(ニューリッチ)が登場している。クレディセゾンでは、ニューリッチ対応を強化しているが、「日本企業は新富裕層、ニューリッチ向けの対応が遅れていると感じています」と岸田氏は述べる。
日本企業は新富裕層の囲い込みが苦手?
日本を代表する富裕層ビジネス企業を目指す
日本企業が新富裕層の囲い込みが苦手な理由として、1つ目は新富裕層と旧富裕層の区別ができておらず、年齢だけで区別している点が挙げられる。2つ目は、富裕層の定義が曖昧で、アッパーマスも、富裕層も、超富裕層も同じ層としてみている。3つ目は、富裕層には、攻める富裕層と守る富裕層がいることを意識していないという。
岸田氏は富裕層ビジネスをする5つのポイントとして、①富裕層の定義を合わせてから会話を始める、②「誰に」「何を」「どのように」の中で、「誰に」を最初考える、③富裕層マーケティングは、プライベートマーケティングである、④私たちが考える「すごいこと」は、富裕層の「普通」である、⑤「モノ」を売るな、「価値」を売れ、だという。例えば、プロダクトの売りは“点”だが、価値提供が一生付き合える“線”の関係をつくることができるという。
クレディセゾンでは、世界の新富裕層がAmazingと驚く日本を代表する富裕層ビジネス企業になることを目指している。岸田氏は「基本方針として、『SAISON DIAMOND AMERICAN EXPRESS CARD』を基軸に、これからの日本を支える新富裕層、新富裕層経営者のあらゆるニーズにお応えしながらビジネスをしていく方針です」と説明する。行動指針も複数あるが、中でも一番大事にしていのが、「お願い営業はしない、営業をしない営業を心がける」ことだ。
富裕層ビジネスのターゲット
SAISON DIAMOND AMEX軸に展開
同社の富裕層ビジネスのターゲットについては、金融資産1億円以上の新富裕層、キャッシュフローリッチがコアとなる。また、既存会員については、推定金融資産が5,000万円以上と、女性会員比率が高いため、住所が港区だったり、外部データとのマッチングなどを活用することにより“隠れ富裕層”を定めている。準富裕層10万人以上、隠れ富裕層10万人をターゲットとしている。コンセプトは、富裕層の“愉しい”をビジネスにするだ。
2022年9月に発行開始した「SAISON DIAMOND AMERICAN EXPRESS CARD」は完全招待制で、年会費が24万2,000円のカードだ。また、サービスについては完全非公開で一切公開していない。サービスの多くは新富裕層向けであり、ほとんどがスマホアプリ、およびピークラウンジという会員誌で提供をしている。固定サービスとして、予約困難店のレストラン予約、イベントなども定期的に掲載しており、特定の会員制・紹介制レストランを利用すると、マイバッハ送迎サービス、銀座のラグジュアリーエステを3回無料、会員制のプライベートインドアゴルフへの無料アクセスなどを提供している。
感動体験で差別化、既存会員からのアプローチは?
富裕層ビジネス提供カード会社とセゾンのポジショニング
ここまでは他ブランドのブラックカードのサービスと同様だが、クレディセゾンでは感動体験を提供することで差別化を図っている。
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