2011年7月28日7:00
請求書は宝の山
☆☆☆ 海外労働者だけが送金ターゲットではない ☆☆☆
Search for El Dorado of Money Transfer
日本カードビジネス研究会 代表 佐藤 元則
●新技術によって誕生した新送金市場がある
資金移動業者の登録が増えている。2010年4月に第1号が登録されてから1年強。2011年5月末現在で14社が登録している。
このうち前払資金の現金化が主な理由で登録しているのは、トラベレックスジャパン、楽天、クレディセゾンの3社である。それ以外の11社は送金サービスを核としている。
送金サービスのメインターゲットは海外労働者である。ウニードスは南米やペルーからの労働者、ジャパンマネーエクスプレスはネパール、トランスリミッタンスはフィリピンというように。
docomoが7月にはじめた海外送金サービス「docomo Money Transfer」も、フィリピン、ブラジル、韓国、中国からの労働者がターゲットである。JTBは海外労働者とともに海外留学生も対象にしている。
海外送金サービスのチャネルは、店頭まで出向くウォークイン型が多いが、これは旧来型のサービスである。インターネットやモバイルを利用した送金サービスを提供しているのはSBIレミットやdocomoなど。
ところで、送金サービスのターゲットは海外労働者や留学生だけなのだろうか。市場規模1兆円とはいえ、すでに銀行送金がその大半を牛耳っている。小さなパイをみんなで分けあうことはできない。当然価格競争が激化する。
送金サービスにとって、おいしい市場はないのだろうか。インターネットやモバイル、あるいはソーシャルメディアによって生まれた新たな送金市場があるはずだ。
調べてみると、海外には実にユニークな送金市場があった。それはまさに、新技術によって誕生した驚くべき世界だった。
●世界規模のクラウドワーカー市場が形成されている
インターネットが進展し、世界中に普及するにしたがって、労働市場にも大きな変化がおきている。インターネットやモバイルを使っての求人や求職はもはや日常化し、紙の求人誌は激減しているが、これを大きな変化といっているのではない。
大きな変化とは、インターネット上に世界中のフリーランスが参加する巨大労働市場が形成されようとしていることである。
ソフトウェアの開発者やWebデザイナー、翻訳者、グラフィックデザイナー、イラストレーター、カメラマン、市場調査員、コンサルタント、マーケターなど、さまざまなスペシャリストがこのネットワークに登録し働いている。