2025年12月9日8:50
米国・ラスベガスで開催された「Money20/20」では、AppleのApple Pay&Apple Wallet担当 ヴァイスプレジデント Jennifer Bailey(ジェニファー・ベイリー)氏が登壇し、Apple PayやApple Walletサービスの現状や不正対策、デジタルIDの取り組みについて紹介した。

米国でNFC決済の受け入れが3%から9割に
1万1,000の銀行ネットワークをサポート
Apple Payは物理的な財布を保護することについて、10年以上前から、セキュリティやプライバシー、悪用されにくさに重点を置いている。Apple Walletでは、カードに加え、交通カード、ホテルキーや車の鍵、デジタルIDなどが利用可能だ。交通機能は250地域800以上の都市で利用可能で、200万以上のホテルキーがApple Walletでプロビジョニングされており、6万5,000室以上に対応している。また、iPhoneで店舗での決済を受け入れるのiPhoneのタッチ決済(Tap to Pay on iPhone)は48市場、1,500万の加盟店で利用可能だ。

Appleがこの取り組みを始めた当初、アメリカでのNFCコンタクトレスの受け入れ率は約3%だった。ベイリー氏は「そこで、発行会社やネットワーク、加盟店などのパートナーと協力して、受け入れを大きく広げるために多くの努力を重ねました」と話す。米国以外の国では、コンタクト方式の受け入れがより進んでいたが、それが初期の課題の1つだったという。
現在は大きな進歩を遂げ、米国では購入者の9割以上の流通店舗でサポートされている。もう1つの課題として、人々はサービスが安全なのか確信が持てず、自身のスマートフォンに決済などのサービスが入るため、中には不安に感じる人もいたという。同社では、Face IDやTouch IDなどに関するセキュリティの指標があり、その強化に取り組んできた。決済は各地域へのローカライズ対応が求められるが、同社はグローバルに事業を拡大しており、現在は89市場で利用可能で、1万1,000の銀行ネットワークをサポートしているそうだ。
Appleは大手国際カードネットワークを常に支援してきたことに加え、地元の国内決済ネットワークへの支援にも大きく投資してきた。例えば、オーストラリアのeftpos(エフトポス)、日本のジェーシービー(JCB)などだ。
AppleではApple Payプラットフォーム上で主要な国内ネットワークをサポートしている。 その多くは、Appleが用いる重要な技術であるトークナイゼーションをこれまで経験したことがなく、さらにeコマースの観点からも受け入れられていなかったネットワークも多くあったという。そのため、多くのパートナーと協力して、国内ネットワークのプラットフォーム構築を進めた。
トークン化などで高い安全性を実現
分割対応など継続して投資を続ける
Appleでは、この10年間、継続して投資を続けてきたという。ネットワークのトークン化や、ハードウェアデバイス上のセキュアエレメント、Face ID、Touch IDなど、重要な革新から取り組んだ。これらすべてがApple Payの高い安全性を実現するために欠かせない要素だという。
また、追加の支払い方法などにも引き続き革新を続けている。昨年は、Apple Payボタンを使った分割払いの対応を導入した。利用者がECサイトでそのボタンを押せば、カード発行会社が分割払いプランを提供できるようになる。
また、Apple Payが使える場所をさらに拡大している。まずは非接触決済から始め、Safariで導入している。現在では、いくつかのサードパーティ製ブラウザでも利用可能であり、PlayStationのような場所でも使えるようになった。ベイリー氏は、「新しい機能や支払い方法、そして支払いができる新しい場所への投資は、継続的な取り組みです」とした。
利用者に対しては、複数の銀行のデビットカードやクレジットカードを簡単に切り替えられるようにしているという。例えば、ある銀行にはデビットカードがあり、別の銀行がクレジットカードを発行している場合でも、簡単にカードを使い分けられるようにすることを目指した。パートナーの協力を得て、Apple Payがエコシステムにもたらすプラスの効果や分析結果、その恩恵をしっかりと理解し始めているそうだ。
85%から90%もの詐欺減少を実現
日本のマイナンバーなどデジタルID対応も
このコンテンツは会員限定(有料)となっております。
詳細はこちらのページからご覧下さい。
すでにユーザー登録をされている方はログインをしてください。















