2026年5月14日7:20
大日本印刷(DNP)は、2026年5月13日(日本時間)に、欧州・アフリカ・北米における決済ICカード・国民IDソリューション・バリアブルセキュリティ印刷事業を展開するAUSTRIACARD HOLDINGS AG(本社:オーストリア)を、公開買付けを通じて買収することを決定した。
同社は同日付で、AUSTRIACARDと、戦略的枠組みを定めた基本合意書を締結した。また、AUSTRIACARDの筆頭株主であり発行済株式の約74.58%を保有するNikolaos Lykos氏との間では、同公開買付けの応募に係る応募契約を締結した。同社は当該関連契約に基づき、AUSTRIACARDの全ての普通株式を対象とする公開買付けを実施する。取得株価は、AUSTRIACARDの普通株式1株当たり10.0ユーロ(配当込み)を予定しており、希薄化考慮後の株式価値は約364百万ユーロ(約677億円)となる見込みだ。
DNPグループは、3月17日公表の新中期経営計画骨子(2026-2028年度)において、情報セキュア関連を注力事業として選定し、積極投資とさらなる事業拡大を方針としている。また、情報セキュア関連事業の成長戦略としては、高付加価値サービスの市場投入、パートナー企業との協業体制による市場シェア拡大、経済発展が期待される新興国の有望市場への投資を掲げている。
今回、DNPが買収するAUSTRIACARDグループは、1897年に創立され、欧州・アフリカ・北米で決済ICカード・国民IDソリューション・バリアブルセキュリティ印刷事業を展開している。決済カードでは欧州・アメリカを中心に銀行・フィンテック向けに年間約一億枚のカード製造・発行のサービスを提供している。またデジタル・テクノロジーの推進も事業戦略として据えており、AI等を活用したソリューション開発にも力を入れている。
同取引は、アジアにおけるDNPの強固な基盤と、欧州・アフリカ・北米におけるAUSTRIACARDの確固たるプレゼンスを融合させることで、DNPのグローバルな情報セキュア関連事業を強化することを目的としている。またDNPは、両者の統合による地理的な補完関係・技術力・クロスセルを活用し、差別化された高度なセキュリティ・ソリューションのグローバル・プロバイダーとしての地位を一層強化する。
加えて、AUSTRIACARDは、今後さらなる人口増加と経済発展が見込まれるアフリカ地域において国民IDカードや選挙用紙の提供実績がある。同取引後は、同社が2025年に買収した、アフリカを中心に本人情報の登録・認証をする政府向けID認証サービスを提供するRubicon SEZC(Laxtonグループの持株会社)との協業により、シナジー効果が期待できると考えている。











