2012年1月11日9:00
米国では流通系ハウスカード(Private-Label)の売買が盛んになっている。
リーマンショック以降高止まりしていた貸倒れが沈静化し、ポートフォリオの質が良くなっているからだ。
マーケティング的な見地からいうと、DMで新規顧客を獲得するよりも、ポートフォリオを買った方が効率がいいということもある。
昨年8月にHSBCは残高300億ドルのカードポートフォリオを、26億ドルでキャピタルワンに売却すると発表していた。2012年上期中には売買が成立する見込だ。
このポートフォリオには百貨店のSaksやBig Lots Stores、Jordan’s Funiture、Darvin Furnitureなどの大手提携カードが含まれている。Saksは100店舗、Big Lotsは1,400店舗という顧客獲得チャネルを保有している。
今年上期中にキャピタルワンとのディールが成立する前に、HSBCとこれら4社の契約が切れる。その場合、キャピタルワンが契約するのか、HSBCが契約更新するのだろうか。
結論から言うと、HSBCが契約更新することになった。ディール成立後にキャピタルワンが口座管理を引き継ぐことになる。
カードポートフォリオはカード会社の資産だが、提携カードの場合は提携先にも意思決定権がある。ポートフォリオ移行のケースも考えて、契約内容を精査しておく必要がある。
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※本記事は日本カードビジネス研究会代表 佐藤元則氏の「カードBizと僕の勝手気ままログ」をご紹介しています。