NFCの研究及びチケット関連のアプリケーション開発をスタート(ボードウォーク)

2012年1月24日8:00

NFCの研究及びチケット関連のアプリケーション開発をスタート
おサイフケータイの発券で培ったノウハウを海外でも展開へ

おサイフケータイやQRコードを利用したケータイ電子チケットサービス「ticket board(チケットボード)」を提供するボードウォークは、NFC(Near Field Communication)の研究及びチケット関連のアプリケーション開発をスタートした。

ボードウォーク

チケット購入者に加え同伴者のデータも取得できる「ticket board」

おサイフケータイとQRコードでイベントに入場

ボードウォークは、エンターテイメント業界、音楽業界のマーケティングサポートを行うため、NTTドコモ、電通などにより2010年5月に設立された企業である。現在、音楽市場におけるCD販売は右肩下がりとなっているが、「コンサート市場は伸びており、お客様が音楽を楽しむ形態が変わってきています」とボードウォーク 代表取締役 市川晃氏は説明する。

ticketboardのFeliCa利用イメージ(左)、QRコード利用イメージ(右)

同社では、「コンサートに集まるすべての人をどう補足するのか」を考えたシステム構築を実施。従来のチケット販売方法では、チケット購入者のデータを取得することは可能だが、同伴者の場合は把握が難しかった。実際、同社のデータでは、一公演の購入で平均2.1枚の購入があるように、従来は2人につき1人のデータを捉えることはできなかったそうだ。また、一般的なチケット販売会社では、購入者データも事業主に渡すことは難しくなっている。その点、ticket boardを利用すれば、購入者はもちろん、チケットの同伴者のデータも取得することが可能だ。

「携帯やスマートフォンは、一人1台は持っているため、個人の特定が可能です。ticket boardであれば、利用者がチケットを申し込んで、購入し、ダウンロードする過程の中で同伴者も含めた個人情報を取得でき、それをコンサート事業者の皆様とシェアすることができます。また、集まったデータをもとにメールなどを利用して次のアクションを起こすことができるのも特徴です」(市川氏)

ticket boardでは、チケットの申込みから支払い、発券、入場まで、スマートフォンや携帯電話だけで済ますことができる。おサイフケータイやQRコードを利用し、携帯電話がそのままチケットとなるため、チケットの転売を難しくすることができる。また、利用者がチケット申し込み時や電子チケットダウンロード時に行う会員登録により、すべての来場者データを取得し、一元管理が可能となる。これにより、公演に興味を持つすべてのファンに対して、公演前後を通して、属性に応じたプロモーション展開、デジタルコンテンツなどの配信、グッズの販売に至るまで、従来の販売にとどまらない新しいプロモーションを行うことができる。

チケットの格納手段としては、QRコードとともにおサイフケータイを利用しているが、「セキュリティの高いFeliCaは有効な手段で、チケットの来場時の反応速度も紙のモギリやQRコードに比べて早いです」と市川氏は特徴を話す。同社では、携帯電話やスマートフォンを活用した認識技術に関してはさまざまな方法を研究しているが、現時点では「おサイフケータイとQRコードがベスト」(市川氏)であるという。

NTTドコモ協力のもとNFC向けのアプリケーション開発をスタート

日本の公演に訪れる外国人に対してもチケット販売を開始

今後は国内でもNFC搭載のスマートフォンが登場することが予想される。また、海外のメーカーが発売するスマートフォンにおいてもNFCチップが搭載されたモデルが増えてくるだろう。そのため、同社ではNFCの研究およびチケット関連のアプリケーション開発をいち早くスタートした。

すでに出資を受けているNTTドコモからサポートを受ける形でNFCに対応したticket boardの技術開発を開始。具体的には、NFCにおけるチケッティング分野の仕様策定支援、デバイス側のアプリケーションの開発支援、サーバ側のアプリケーションの開発支援に加え、それらのグローバルにおける広報宣伝協力やセールス協力、これらを達成するために有効と思われるパートナー企業の紹介などの支援を受けるという。

同社では海外に重きを置いており、2011年12月10日から、日本の公演に訪れる外国人に対しても海外でチケットを購入できるようにしている。今後はNFCを利用したticket boardのシステムを海外で展開することも考えている。

「日本国内の公演でも、海外で280枚程度のチケットは売れています。将来的には、日本だけではなく海外で開催される公演のチケット販売も手掛けていきたいと考えており、その点でもNFCへの対応は重要となります」(市川氏)

市川氏は2011年3月から夏にかけて、海外の各所を訪問したが、至る所でNFCというキーワードが飛び交ったという。

2012年3月までの一年間で60万枚以上の電子チケットをticket boardで発券予定

海外でも多くのメディアが注目

ボードウォークはフェリカネットワークスが提供する「ピットモット」の国内最大のユーザーでもある。チケットの発券は特殊なノウハウも求められるが、NFCにおいてもおサイフケータイのサービス提供で培った強みは生かされるとしている。また、ただチケットを発券するだけではなく、現地の運用ノウハウも含めてシステムをつくり込む部分が要求されるが、「その点でも他社に比べて優位性はある」と市川氏は自信を見せる。

ただ、NFCに関しては国内での商用サービスはこれからであり、未知数な部分もある。また、海外での展開の際には、「各国によって仕様が異なる部分もあるため、弊社としてオープンな環境で共通化する部分と、それぞれの国で対応する部分なども研究していきたいです」と市川氏は話す。

なお、おサイフケータイのサービスを提供しているサービスプロバイダの中には、利用者がそれほど伸びず、ビジネスを軌道に乗せることができなかった企業もあるが、「弊社はFeliCaあっての発想ではなく、あくまでもお客様に使っていただく最善の方法としてサービスを提供しているため、利用者が付いてきてくれました」と市川氏は説明する。一方で、おサイフケータイのサービスは、必要不可欠ではあるもののコストは決して安くはないとしている。

すでに同社では、NFCに関する研究およびチケット関連のアプリケーションの開発を開始するリリースを海外のメディアに対しても配信したが、約400もの媒体で紹介されたという。市川氏は、「国内よりも海外での反響が大きかったです。弊社は全世界で広告展開を行っているため、すでに引き合いはいただいています」と自信を見せる。今後はプロトタイプを早い段階でリリースし、実際に体験してもらう環境に持っていきたいとしている。市川氏は、「2012年3月までの一年間で60万枚以上のチケットを発券する予定です。日本発のサービスとして、ボーダレスにサービスを提供していきたいです」と力強く語った。

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