2012年2月23日8:00
「りそなVisaデビットカード〈JMB〉」の会員数は順調に推移
3つの特典を集約した質の高いサービスにより高い稼働率を誇る
りそな銀行は、2011年5月25日から、日本航空(JAL)と提携し、国内初のVisaデビットの提携カード「りそなVisaデビットカード一体型キャッシュカード〈JALマイレージバンク〉」(りそなVisaデビットカード〈JMB〉)を取り扱かっている。同カードは、りそな銀行が発行する「生体認証付ICキャッシュカード」、ビザ・ワールドワイド・ジャパン(Visa)が提供する「Visaデビットカード」の機能、日本航空(JAL)が提供する「JALマイレージバンク」(JMB)と、3つの機能を一体化したカードであり、会員の獲得や、利用者の稼働率は順調に推移しているという。
りそな銀行
銀行口座に決済手段を加え顧客基盤を強化
メガバンクに先行して発行する優位点を生かす
りそな銀行では、りそなVisaデビットカード〈JMB〉の発行により、銀行口座に新たな決済手段を加えることで、顧客との接点強化・口座利用による脱落防止を通じて顧客基盤の強化を図る。また、メガバンクなどに先行して国際ブランド搭載のデビットカードを発行することで、マスリテールにおける競争力を維持する目的もあったという。
「Visaデビットという新しい決済手段の提供により、弊社を利用するお客さまの利便性をさらに高めていきたいと考えています。国内ではクレジットカードの利用は増えてきましたが、まだまだキャッシュ(現金)の比率が高いため、市場は見込めると思います」(りそな銀行 コンシューマービジネス部 担当マネージャー 藤野亮二氏)
年会費は初年度無料、翌年以降1,000円。Visaブランドが搭載されているため、世界200カ国以上のVisaの加盟店において1日50万円までショッピングを行うことが可能だ。また、国内のATMはもちろん、世界中の「Visa」あるいは「PLUS」マークのついたATMで、預金口座から現地通貨での引き出しができる。JALとの提携により、ショッピングの利用で200円につき1マイル、本カードで所定のJALグループ便の航空を購入・決済した場合200円につき2マイルが貯まる特典もある。また、2年目以降1年毎に、期間中1回でもショッピングの利用があれば500マイルを付与する特典もある。
会員規模や質を重視しJALと提携
オフラインリスクの高い取引では利用を制限
会員の獲得は、りそな銀行の窓口が中心だ。同行では、会員獲得の目標は公表していないが、「Visaデビットカードの商品性を考慮すれば、さらに伸びる余地があると考えている」ということだ。ただ、同社では会員の量ではなく質を重視しており、如何に使ってもらうのかを考えた戦略をとっている。
JALと提携した理由については、「JALマイレージ会員は規模の面でも質の面でも魅力を感じています。この良さを絡めることでより訴求力を高めることが可能になると考えました」と藤野氏は説明する。
Visaデビットカードに存在するオフライン取引についてその取引を制限することでリスク極小化を図るとともに、ブランド会社のVisaとともに、顧客の一層の利便性向上に向けた取組みならびに決済環境の構築を図っていく。
当初の予想よりも会員の購入単価は高い
顧客開拓の武器として活用へ
「Visaデビットカードはまだまだ認知不足な面もあり、今からお客さまと一緒に市場をつくっていくものだと考えています」と藤野氏は話す。
現状、同カードの会員は、30代以上のサラリーマン層が多い。具体的なカードの利用については、クレジットカードがよく取引されるような日常での買い物をはじめ、JALと提携したことにより、交通分野や海外での決済も多いという。
「当初の予想よりも会員の購入単価は高く、総じて使ってみると便利だねという反応はいただいています」(藤野氏)
また、海外でVISAグローバル/PLUSの提携ATMから現地通貨をその場で引き出せるため、両替も必要なく便利であるとの評価ももらっているそうだ。
「弊社としてもVisaデビットカードの発行は初めてであり、お客さまからいただいた声を蓄積して、次のサービス展開につなげていきたいです。当面は、りそなVisaデビットカード〈JMB〉を根付かせることを考えています」(藤野氏)
同行では、銀行が発行するVisaデビットカードの将来性については大きな成長が見込めると考えている。普及に向けては、まず認知度の向上を挙げるが、「入会者の稼働率は高いため、一度利用してもらえば、サービスの良さを実感してもらえる」と藤野氏は期待している。同行では、銀行の窓口において積極的にカードの告知を行い、りそなVisaデビットカード〈JMB〉の良さをPRしている。また、大手銀行の発行がスタートすれば、利用者の認知が高まり、すそ野はさらに拡大すると見込んでいる。
藤野氏は最後に、「銀行が支払いサービスを提供できる強みを生かし、お客様の開拓の武器にしていきたい」と意気込みを語った。