2012年3月1日13:48
凸版印刷は、バッテリーレスでカード内の情報を表示できる非接触ICカードを開発したと発表した。まずはセキュリティ性が求められる各種会員向けポイントカードやアミューズメント業界向け表示カードなどでの利用を想定し、2012年末からサンプル出荷を行う予定だ。サンプルカードの出荷価格は、1枚2.000円からとなる。
同製品は、リーダライタにかざしてカード券面のボタンを押すと、カード内の情報を券面表示部に表示できるFeliCa通信規格対応の非接触ICカードである。通信方式は、ISO/IEC18092(212kbps Passive Communication Mode)に準拠。カードサイズは縦54.0mm×横85.6mm×厚さ約0.8mmで、表示画面はモノクロ電子ペーパー(電気泳動方式)となる。表示画面サイズは縦6.0mm×横26.2mm(7セグメント8ケタ表示)で、0~9までの数字8ケタが表示できる。
ICチップには電子マネーにも対応可能なデュアルインタフェースセキュアチップを搭載。また、リーダライタからの供給電力のみで読み書きが可能なため、カード内にバッテリーを搭載する必要がないという。さらに、表示部には電子ペーパーを用いているため、一度表示した内容をバッテリーレスでそのまま保持することが可能だ。
同社では今後、アジアや欧米で主力となりつつあるデュアルインタフェース機能付きICカードとして、海外の交通事業者や金融事業者など幅広い業界に向けて展開を図る。また、スイッチ非搭載で自動表示可能なモデルを開発した上で2012年末にサンプル出荷、2013年夏に本格的な生産を開始する予定だ。さらに、NFC対応端末での読み取り、書き込みにも対応することでその利便性を向上させ、新たな付加価値提供を目指す。