2012年4月16日8:00
ポイントを武器に会員の稼働率アップを図る「DCMX」
ゴールドカードをリニューアルし、ヘビーユーザーに質の高いサービスを提供
NTTドコモでは、クレジットブランドである「iD」の運営と並行し、イシュア(カード発行会社)として自ら「DCMX」を発行している。クレジットカードが不要で、携帯電話料金と合算する「DCMX mini」(月額1万円まで)、クレジットカードとひも付ける「DCMXレギュラー」、「DCMXゴールド」の3種類があり、会員は約1,300万人まで拡大している。
「DCMX」会員は順調に拡大
ポイントサービスは実質の付与率の高さが特徴
NTTドコモがイシュア(カード発行会社)として提供する「DCMX」の会員数は、miniが約700万人、レギュラーとゴールドを合わせて約600万人となっている。
サービス開始から6年、会員数は順調に拡大。昨年は180万人の会員を獲得した。通話料も決済の対象としているため、「銀行系のカード会社などと比較しても倍程度の稼働率は維持しています」とNTTドコモ クレジット事業部 DCMX第二営業担当部長(利用促進・ファイナンス営業)池田次郎氏は自信を見せる。
池田氏は、DCMXの特徴として、「充実したポイントサービス」を挙げる。DCMXでは、iD決済やクレジットカードの利用額に応じてドコモポイントが貯まるが、月々の携帯電話料金に応じて貯まるドコモポイントと合算して商品交換できる。
ポイントは、ベースとして200円で1ポイント付与され、それに加えボーナスポイントが20万円で500ポイント、以降10万円ごとに500ポイントが貯まる。また、入会後3カ月間は毎日ポイント3倍、その後も日曜日はどこでも3倍、更にはポイント特約店の利用で3~11倍のポイントを付与いったアドオンのサービスが多いため、「ベースのポイント付与率は0.5%ですが、実質の付与率はさらに高いです」と池田氏はメリットを口にする。
貯まったポイントは、NTTドコモのスマートフォンの購入はもちろん、商品券やマイレージ、iDのクーポンとの交換も可能だ。
利用促進の主軸は、ポイントキャンペーンとなっている。毎週、メールを利用して利用促進の告知を展開。携帯キャリアである強みを生かし、会員に対しダイレクトにメールでキャンペーンを訴求できる強みがあり、「他のカード会社が紙の明細書で告知したキャンペーンと比較しても数倍の効果があります」と池田氏は成果を語る。
DCMXはクレジットカード会社のなかなかでも事業としては最後発となるため、収益構造としてはショッピングがメインとなり、キャッシングが占める割合は低い。ただ、収益性の高いキャッシングやリボルビング払いの比率は年々増えているそうだ。
ゴールドカードをリニューアル
最新のスマートフォンを発売日当日に手にできる
同社では、DCMXゴールドを3月1日からリニューアル。池田氏は、「DCMX会員の中でもヘビーユーザーが増えてきましたので、ゴールドカードを積極的にお勧めしたいと考えています」と説明する。DCMXゴールドに入会すると、初年度からドコモプレミアクラブの最上位ランクとなる「プレミアステージ」へ優待している。特典としては、毎月の携帯電話の利用料金100円につき最大7ポイントのポイントを付与している。また、年間累計2,500ステージポイント以上の人は、年に1回3,000ドコモポイントをプレゼントしている。
「最新のスマートフォンが発売された際、先行予約をして発売日当日にお届けするサービスもスタートしています」(池田氏)
また、機種の新規購入や機種変更に利用できる5,250円分の優待券をプレゼントしている。さらに、万が一の盗難や故障時の際は購入から2年間、最大10万円までケータイ購入費用を補償する「DCMXケータイ補償」も付帯している。そのほか、海外旅行保険や空港ラウンジなどのサービスを充実させた。
リニューアルの成果は上々で、「平常月の20倍の申し込みをいただいています」と池田氏は笑顔を見せる。将来的には、全会員の5~10%をゴールド会員にしていきたいという。
現在、DCMXの稼働率は9割弱となっており、会員の利用については一定の成果を感じているようだ。同社では今後もキャンペーンなどによるDCMXの利用促進に力を入れ、会員獲得、稼働率向上に力を入れる方針だ。