スマートフォンを利用した共通ポイントプログラム「スマポ」を展開(スポットライト)

2012年5月9日8:00
スマートフォンを利用した共通ポイントプログラム「スマポ」を展開
位置情報を活用し、売り場に近づくだけで来店ポイントが貯まる

スポットライトは、2011年9月から、スマートフォンによる共通ポイントプログラム「スマートフォンポイント(愛称:スマポ)」のサービスを運営している。利用者は、ダウンロードしたアプリに表示されている店舗に行き、アプリを操作して「チェックイン」するだけで、来店ポイントを貯めることが可能だ。

チェックイン箇所の10メートル以内でポイントを獲得できる

加盟店は送客したい売り場を自ら設定できる

スポットライトが提供する「スマートフォンポイント(愛称:スマポ)」には、2012年3月現在、ビックカメラ、大丸東京店、ユナイテッドアローズグリーンレーベルリラクシング、H.I.S.、伊東屋、マルイ、ニューバランス東京など約100店舗が参加。首都圏の各地域を中心にエリア展開を進めている。

来店するだけでポイントが貯められるお店の一覧が近い順に表示(左)、店舗で実施しているキャンペーン等を閲覧可能(中)、店舗に入店し、アプリ内に記載のエリアに来ると自動的に来店を検知(右)

スマポは、おサイフケータイ(FeliCa)でのタッチや、QRコード読み取りは必要なく、無線通信のみを使った来店検知によるポイントサービスだ。店舗には、スマートフォンのアプリを検知するセンサーを設置。利用者は、iPhoneやAndroid端末を利用してスマポのアプリをインストールすれば、チェックイン箇所の10メートル以内で、スマートフォンを操作するだけで、ポイントを獲得できる。

現在、来店ポイントの付与にKIOSK端末を設置している企業もあるが、「KIOSK端末のコストが高く、ユーザーが列をなすこともある」(柴田氏)。その点スマポは、センサーを店舗に設置するだけで済み、店舗側の設備投資の低コスト化、運営の煩雑化を実現できる。

「GPSやWiFiの検知精度は高まっていますが、原理上誤差が大きく、建物内では特定の階や売り場を検知することが難しいです。スマポは、独自のモバイル通信技術を使用しており、店舗にセンサーを設置するだけで顧客が店内にいることを察知します」(スポットライト 代表取締役 柴田陽氏)

実際、店舗に設置するセンサーは、売り場を選択することが可能で、例えば、大丸は一階の店内に設置。マルイの導入売場は、同社のPB商品を扱う「レディスシューズ」、「レディスバッグ」、「アールユー・ジーンズ」、「メンズシューズ」、「メンズバッグ」売り場といったように、「送客したい売り場を店舗自らが選択できる点も強みとなっています」と柴田氏は自信を見せる。

スマポアプリではGPS機能で近い店舗から表示

加盟店独自の会員カードと紐づけたCRMも可能

利用者は、有楽町や新宿といったエリアでスマポのアプリを立ち上げると、GPS機能により近い店舗から順番に表示。スポットライトではエリア展開を強化しているため、複数の店舗を回遊している利用者も多いそうだ。

貯めたポイントは参加企業のポイントや商品券に交換可能(左)、TwitterやFacebookと連携することができる(右)

ポイントは参加企業が任意に設定できるが、数十ポイントを付与している。貯めたポイントは、参加企業が提供・発行する商品券などに交換できる。

スマポ加盟店の費用については、基本的に付与したポイント分をスポットライト側に支払い、ポイントが自社サービスや商品に交換されれば、金額をバックする仕組みとなる。

「店舗にとっては、来店した分だけの成果報酬型の料金体系となっており、チラシなどに比べて費用対効果を算出しやすい」と柴田氏は自信を見せる。

また、店舗側で「月に1回までポイントを付与」、「20代、30代の女性限定」といったように、店舗が誘客したい顧客にターゲットを定めることも可能だ。さらに、加盟店独自のCRMシステムと紐づけることもできる。

「店舗側の管理画面でポイント付与の仕組みが設定できます。例えば、ビックカメラでは、スマポのポイントからビックポイントに交換できますが、ポイント交換時にIDを紐づけているため、顧客の来店や購買に沿ったサービスの展開が可能です」(柴田氏)

現在、スマポの告知に関しては、Webサイト等での紹介が中心だ。また、サービス開始後は、テレビや新聞、雑誌など、メディアへの露出の機会も多い。それに加え、導入店舗が店頭や広告等で積極的に利用を勧めるケースも見受けられるそうだ。例えば、ビックカメラでは、小田急線の車内広告でスマポのサービスを紹介し、新規顧客の獲得につなげている。

月に数万人単位の顧客を送客する店舗も

スマポにより来店を楽しむ新しい価値を提供へ

スポットライト 代表取締役 柴田陽氏

スマポの利用者数については非公表ながら、日々順調に増えているという。柴田氏は、「ある加盟店では、月に数千、数万人単位のチェックインが確認できている」と成果を口にする。利用者の傾向として、サービス開始当初は30~40代のiPhoneユーザーの男性が多かったが、1月にAndroid版をリリースして以降は、20代の男性や幅広い年代の女性の利用者も拡大している。現在も従来の携帯電話からスマートフォンへの移行が進んでいるため、今後もスマポの利用者は増えると同社では自信を見せる。

柴田氏によると、最近の生活者の消費行動として、リアル店舗をショーウィンドウにして、オンラインで商品を購入するケースが増えているそうだ。そのため、同社では、スマポによりオンラインからオフラインに向けて送客し、リアル店舗の良さを体験してもらうことができればと考えている。

柴田氏は最後に、「今後もスマートフォンを利用してポイントが貯まることにより、生活者が楽しくショッピングを行い、店舗が顧客とコミュニケーションを図りやすくなるなど、新しい価値を提供していきたいと考えています。スマポにより、店舗の顧客との距離を縮めていきたいですね」と意気込みを語った。

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