2012年6月25日8:00
POSと連携したスマートフォン決済で加盟店の販売管理をスムーズに
リアルとネットをサポートし、加盟店のO2O展開を支援
ゼウスは、8,600社以上の採用実績がある決済代行事業者だ。同社では、アスタリスクの「Salasee(セラシ―)」、プラグラムの「スマレジ」のモバイルPOSシステムと連携したスマートフォン決済ソリューションを加盟店に提供している。従来から強みを持つネット決済に加え、リアルの展開をサポートすることで、加盟店の「O2O(Online to Offline)」展開を支援する方針だ。
アスタリスクの「Salasee」、プラグラムの「スマレジ」と連携
決済の安全性の担保と実用性を考えたシステムを構築
ゼウスでは、2010年にリアル加盟店に対し、汎用型POS端末のアクワイアリングを開始。その一環としてスマートフォン決済についてもいち早く対応を行った。「O2O(Online to Offline)」に注目が集まる中、同社でもリアルとネットを複合的に展開することで、加盟店にとってのメリットが見出せると考えた。
現在、ゼウスでは、アスタリスクの「Salasee(セラシ―)」、プラグラムの「スマレジ」の2つのモバイルPOSシステムと連携したソリューションを展開しているが、今後も提携先は広げていく方針だ。単純なスマートフォン決済ではなく、加盟店のPOSアプリケーションの選択肢を広げることにより、顧客ニーズに沿ったシステムが展開できるとしている。
同社では、実用性を考え、3DES(Triple Data Encryption Standard)による通信の暗号化など、加盟店の安全性の担保を確保すること、カードプリンタを利用してレシートにサインができるシステムを構築している。
決済処理は、スマートフォンに装着したジャケットもしくはカードプリンタで行うことが可能だ。スマートフォンに装着するジャケットは三栄電機の「ScanJacket」、カードプリンタは、スター精密が開発した「SM-S200」などを採用している。モバイルプリンタとスマートフォンとの通信はBluetoothで実施。通信の暗号化に関しては3DESと独自の技術を採用している。また、決済処理はPCI DSSに準拠したゼウスの決済サーバで行われる。
ゼウスでは、加盟店審査の時点から企業与信などの観点でも厳重な審査を実施。また、加盟店が決済に利用するリーダのIDとデバイス側の番号管理を予めセンターで行っている。さらに、トランザクションが発生した時点での取り扱い金額の情報もチェックしている。ゼウス 取締役 営業部 部長 兼 営業管理部 部長 金沢哲史氏は、「加盟店がどういった端末でどのような運用を行うのかという一連の情報を管理している点は、強みとなっています」と説明する。
アパレルショップなどで採用実績を築く
特定の業種に特化したPOSアプリケーションとの連携に力を入れる
すでにブリックが運営する青山のザ・ジェネラル・ストア(The General Store)など、「斬新的なアパレル店舗を中心に実運用が行われている」とゼウス 営業本部 営業部 副部長 小笠原公一氏は話す。導入企業では、販売管理がシームレスに行えるようになったそうだ。特にバックオフィス側の管理画面から販売員や店舗の売上管理が実施でき、面前で決済することによる安心感を提供できている点は加盟店からの評価も高いという。
金沢氏は、「今後は、タブレット端末を活用したタクシー向けのシステムなど、特定の業種に特化したPOSアプリケーションとの連携も視野に入れ、接続先を広げていく方針です」と意気込みを語る。また、POSとの連動はもちろん、簡易的な決済端末としての導入も進めていきたいとしている。
「弊社の強みは、EC連動の要望にお応えができる点です。催事関連などにおける移動体端末としても安全性を管理できます」(金沢氏)
加盟店との契約形態としては、ユーシーカードとの契約に加え、ゼウス自身が直接契約する場合もある。今後も加盟店との接点を持つカード会社との提携は広げていく方針だ。
すでにiPad、Androidの動作検証も行っている。現状、商用化を開始した企業については、iOSのみであり、Andoridについての実績はまだないという。金沢氏は、「Androidの場合は、カード会社側も懸念を抱いており、アプリケーションが安定的に稼働するのが見えにくく、まだ様子見の段階です」と説明する。ただ、「加盟店の声として、業務用のアプリケーションとしてAndroidでの運用を希望される声も多いため、課金時のダウンロード方法などの課題を解決し、早く形にしたいと考えています」とゼウス 営業本部 営業部 富永大輔氏は説明する。
銀聯やNFC決済への対応を視野に
年間1,000台の販売を目指す
今後は、新たな決済手段として銀聯決済への対応を視野に入れる。また、PayPassやpayWaveといった国際ブランドが推進するNFC決済については、スマートフォンへの搭載状況などを踏まえ検討する方針だ。接触ICカードクレジットへの対応などについても検討しているが、スマートフォン決済に関する仕組みが業界内で確立できていない状況もあり、慎重に検討していきたいとしている。
また、日本クレジットカード協会が発表した「スマートフォン決済の安全基準等に関する基本的な考え方」を踏まえ、日本クレジット協会が制定中のガイドラインとも整合を図っていきたいとしている。
今後は、会員カードのアプリケーションの連動など、顧客のロイヤリティが高まるようなソリューションを検討している。同社では、スマートフォン決済ソリューションで年間1,000台の販売を目指す。