2012年7月17日0:00
国内最大級のポイント交換ネットワークを有する「Gポイント」
ポイントを武器に生活者の消費を楽しく、便利にする取り組みを展開
ジー・プラン運営の「Gポイント」は、約150社と国内最大級のポイント交換ネットワークを有している。最近では、リアル店舗への送客にも積極的に取り組むなど、ポイントを武器に生活者の消費を楽しく、便利にする取り組みを強化している。
会員数は約230万人
交換企業数は約150社
2001年に設立のジー・プランは、ポイント交換サービス「Gポイント」を提供している。現在、会員数は約230万人。主に提携企業の会員が同社のサービスを利用しているが、2010年にNECビッグローブが筆頭株主になったことで、同社のインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)会員が一斉に加わった。
現在、Tポイント、ANAのマイルをはじめ、大手企業を中心にポイント交換企業数は約150社と国内最大級のネットワークを有している。ポイントのレートについては、1ポイント1円相当で、2010年5月末現在、94社の企業がGポイントと交換でき、122社のポイント・マイルに交換可能だ。提携企業のポイントからGポイントへの交換で人気が高いのは、マクロミルやキューモニターといったリサーチサービスのポイント、クレジットカードのポイント、セシールスマイルポイントなどとなる。また、Gポイントからパートナー企業への交換では、Amazonギフト券(R)、Yahoo!ポイント、Tポイントなどへの人気が高い。ポイント有効期限は1年間で、8~9割の会員がポイントサービスを利用しているという。
同社では、提携企業へのマーケティング支援、外部企業へのポイント販売、Webやメール配信などを利用した広告ビジネス、そして自社運営サイトを活用したアフィリエイトサービスも展開している。
リアル店舗への送客にも取り組む
電話予約でGポイントが貯まるサービスを開始
主な収益源としては、Web、メール配信などの広告が中心だ。以前は、加盟企業からのポイント交換の差額なども収益となっていたが、同社では数年前から等価交換に方針を変更している。
他社のポイントについては、ソーシャルゲームやオンラインゲームなどのポイントが競合になるケースも見受けられるが、「弊社の場合は、あくまでも貯まったポイントを便利に交換してもらったり、賢く貯めるためのフックを提供しています。また、貯まったポイントを利用できるメニューを多数揃えていること、ユーザーに対して、ポイントを貯める消費行動を楽しく、便利にする意図をもってサイトを運営している点が強みとなっています」とジー・プラン 経営管理部長 新規事業開発室長 鈴木博之氏は説明する。
例えば、近畿日本ツーリスト、JTB、じゃらん、楽天トラベル等の情報をマッシュアップして、お得にポイントを貯めることができる「Gポイントトラベル」を提供している。また、たばこを購入した人に対し、Gポイントを抽選で付与するキャンペーンを実施したが、多くのポイントがコンビニでよく利用される電子マネーポイントに交換されたという。
最近では、ネットからリアルに送客する「O2O(Online to Offline)」が注目を集めているが、「ポイントやマイルと一緒に、リアル店舗へお客様が流れているというという意味では、弊社でも以前からO2Oを提供していました」と鈴木氏は話す。
交換のラインアップをみても、Suicaポイント、WAONポイント、nanacoポイント、楽天Edyなどの電子マネー銘柄、主要なポイントはほぼ揃ってきたため、「今後はネット上での交換だけでなく、リアルへの送客を強化していきたい」と同社 新規事業開発室 プロデューサー 石田信行氏は話す。
すでに、飲食店やサロンなどと提携し、電話予約でGポイントが貯まるサービスを開始。Gポイントをよく利用する年代は30~50代となっており、購買力のあるユーザーが中心だ。また、ネットはもちろん、リアルでの消費行動も多いため、オフラインの展開を強化するメリットはあると考えている。同社では現在、2つの施策を準備しているそうだ。
スマートフォンアプリをリリース
Facebook上で「WAON検定」を実施
提携先などへのマーケティング支援にも力を入れる。鈴木氏は、「われわれのデータベースは、企業のマーケティングに活用できると考えています。例えば、企業様のニーズに応じて属性別にアプローチすることも可能です」と自信を見せる。
また、同社では、2011年9月にスマートフォンでのサービスも開始した。そのため、どこにいても利用できる便利なサービスを提供していきたいとしている。
ソーシャルメディアの活用にも取り組み、6月にFacebook上で「WAON検定」を実施。これは、イオンの電子マネー「WAON」のクイズを7問用意し、その回答者のなかから抽選で50人に「ハッピーWAON」のグッズをプレゼントするものだ。なお、最近ではSNSでポイントを付与する取り組みなども注目されているが、「あくまでもSNSは消費者の行動に対しての共感がテーマになり、ポイントを利用して『いいね!』を獲得することは弊社では考えていません」と石田氏は語る。同社では、Facebookだけではなく、Gポイント内でもユーザー同士の交流が図れるサービス展開も検討している。
ジー・プランでは市場の黎明期から同市場を支えてきた。同社では今後も会員により便利に利用してもらうためのサービスへの投資を優先的に考えていきたいとしている。鈴木氏は最後に、「お客様の購買のプロセスを理解したマーケティングサービスを展開していくことで、ポイントビジネスにおけるリーディングカンパニーを目指していきたい」と力強く語った。