2013年2月8日8:00
ICクレジットカード対応と携帯POS導入による売場の状況と変化について(下)
利用者の6割がPIN入力を実施
「接客から販売・決済までのプロセス」を一連の流れで
ICクレジットカードによる決済件数ですが、2005年度にカード会社のICチップを処理した件数は3月で4万件でしたが、3年後の同月で8万件に倍増しています。またこの2008年度で100万件を処理しているように、大きな伸びを示しています。PIN入力としては、現在ICクレジットカード決済のご利用者で約6割となります。
一方、携帯POSの導入により、「接客から販売・決済までのプロセス」を一連の流れで行うことが可能になりました。お客様が来店すると販売員がお出迎えします。 お客様は商品をお選びいただいて、購入時には決済が必要となりますが、従来のシステムでは、多くは入金・包装はバックヤードでの対応となり、その時間はお客様をお待たせすることもありました。これを改善する目的として携帯POSの導入につなげています。携帯POSとクレジットカードであれば、その場で決済が済み、包装も各ショップで行えます。販売員にとっても即時対応性などのメリットがあります。また、お客様の目前で作業ができるため、お出迎えからお見送りまでのサービスの可視化が可能です。
顧客への密着度が増し、販売員の負荷も軽減
2013年にPOSのリプレイスを予定
携帯POSの活用により、お客様への密着度が増し、操作も慣れてくることから作業負荷も軽減されました。販売員にとっては、面前でクレジットカード決済が可能なため、信用・信頼・安心につながりました。また、スピーディ、正確/便利、人の移動が少ないため販売活動の効率化につながっています。さらに、作業過程の把握や納得性の醸成、お客様を見守れる、他のお客様のフォローも可、決済変更も即時となり「作業の可視化/即時対応性」を実現できました。
また、関係性の維持拡大、間が途切れない、お顔が見えるところがいい、認知不協和音の低減、エンディングをよりお客様のためにすることで「接客の一連の流れを構築」することができました。
まとめますと、ITツールは業務改善などにフォーカスされることが多いですが、携帯POSは、販売員がお客様とコミュニケーションし、リレーションシップを図ることのできる価値創造のツールとして運用されています。
現状の課題としては、情報システム部のPOS担当の売り場支援力、サポート力、業務改善能力の向上が挙げられます。またノウハウの蓄積や多様な決済手段の知識吸収を図っていきたいです。さらに、2013年にPOSのリプレイスを予定しており、引き続き東芝テックおよび協業ベンダーであるキヤノンの端末への切り替えを予定しています。
※本記事は2012年11月15日に開催された「ペイメントカード・セキュリティフォーラム」の株式会社東武百貨店 情報システム部 マネージャー 井上 直樹氏の講演をベースに加筆を加え、紹介しています。