IC乗車券の電子マネー活用はアジアを中心に広がりを見せる

2013年6月3日8:00

日本では2013年3月から、JR北海道、パスモ、JR東日本、名古屋交通開発機構およびエムアイシー、JR東海、スルッとKANSAI、JR西日本、福岡市交通局、ニモカ、JR九州の10の交通系ICカードによる全国相互利用サービスがスタートした。これにより、一枚のIC乗車券が北海道から九州まで電子マネーとして使えるようになり、旅先での鉄道・バス(52の鉄道、96のバス事業者)利用や全国約20万以上店舗での買い物ができるようになるなど、利便性が向上している。

ロンドンのOyster Card(出典:OysterのWebサイト)

海外におけるIC乗車券とIC電子マネーの動向をみると、今から15年以上前の1997年9月に登場した香港の「Octopus(オクトパス)」は、コンタクトレスICカードを用いたIC乗車券にコンタクトレスペイメントの電子マネー機能を搭載している。Octopusは、ソニーのFeliCa技術を採用しており、JR東日本のSuicaスタートの後押しとなった。

IC乗車券の有力なIC電子マネーには、ほかにも韓国の「T-Money(ソウル)」、「ハナロカード(釜山)」、台湾の「Easy Card・悠遊カード(台北市)」、中国の「北京交通カード」や「上海交通カード」、「深圳通カード(広東省深圳市)」などがあり、東アジアを中心に広がりを見せている。

また、アセアンのシンガポールの「EZリンク」やマレーシアの「Touch ‘n Go(クアラルンプール)」もIC電子マネーの拡大に取り組んでいる。

こうした国や地域では、100万単位あるいは1,000万単位で発行済みのIC乗車券がIC電子マネーと同様に機能し、ショップや自販機などでの支払いに使用可能だ。

一方、ヨーロッパに目を向けると、ベルギー・ブリュッセルの「Mobib」やフランス・パリの「Navingo Pass」、ドイツ・ベルリンの「Fahr Card」、オランダの「OV」、イギリス・ロンドンの「Oyster」が有名であるが、ヨーロッパにおけるIC乗車券の取り組みは、日本や韓国、台湾、中国、香港、シンガポールのアジアに比べて遅れていると言える。

ただし、ヨーロッパの中でもイギリスでは、ロンドン以外の多くの都市でもバーミンガムの「signature」、ボルトンの「sQuid」、ケンブリッジの「Bus Way」、マンチェスターの「Ready Card」、スコットランドの「Travel Card」、スウィンドンの「Travel Pass」などのように多くの都市や地域でそれぞれ独自のIC乗車券システムを導入している。現状、これらの多くはそれぞれの地域におけるIC乗車券機能のみにとどまっており、IC電子マネーへの対応が充分できていない。

書籍「世界の電子マネー・プリペイドカード市場要覧」では、Octopus(香港)、T-Money(韓国)、Easy Card(悠遊カード)(台湾)、EZリンク(シンガポール)、Touch’n Go(マレーシア)、深圳通(中国)といったアジア、Oyster(イギリス)のIC乗車券とIC電子マネーについて取り上げている。

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