2010年7月16日 08:00
「HMVギフトカード」「iTunes Card」を販売
ビジネスを変えるキラーツールとして積極的に活用
音楽CD/DVDを販売するHMVジャパンではギフトカードを「従来のビジネスを変えるキラーツール」として捉えている。同社では自社で販売・利用ができる「HMVギフトカード」に加え、アップル社の「iTunes Card」の販売を行うなどモール展開にも力を入れている。同社 経営企画課の大久保氏、渡辺氏にギフトカード事業の狙いを聞いた。
HMVギフトカードは法人の購入も多い
iTunes Cardの売上は予想を超える成果
HMVジャパンでは2月から、「HMVギフトカード」の販売を全国のHMVで開始した。同カードは初回1,000円以上、以降500円単位で好きな金額をチャージできる。入金の上限は10万円で、利用後の再チャージも可能だ。有効期限は、最後の入金日から2年間。贈呈用のパッケージも用意しており、HMVの会員登録をしていれば、HMVメンバーズ・ポイントも並行して貯めることができる。
HMVジャパンではHMVギフトカードに加え、アップル社の「iTunes Card」の販売も行っている。従来、同社では紙のギフト券を販売し、毎年好評を得ていたが、在庫管理、集計作業などで手間がかかっており、運用面で効率が悪かったという。そんななか、アップル社からPOSレジを利用してカードにアクティベーションを行うPOSA(InComm’s Fast Card Point-of-Sales Activation)技術によりiTunes Cardを販売する話があった。同社では検討の結果、CD/DVD専門店として初のiTunes Card販売およびECサイトでのiTunesダウンロードを決定した。
iTunes Card販売のためのインフラ構築に関しては、iTunes CardのPOSAシステムベンダーであるインコム・ジャパンが、ギフトカードASPサービスを展開する富士通エフ・アイ・ピーと連携しているという話を聞いたため、iTunes CardとHMVギフトカードのシステムを同時に開発し、紙のギフト券からサービスを切り替えることになった。
「紙のギフト券に比べると、お客様への販売はもちろん、それ以上に企業からの購入が増えています。これは弊社のギフトカードを企業のキャンペーンやプレゼントにご利用いただいているからです」(HMVジャパン)
HMVギフトカードに先行して昨年末から販売を開始したiTunes Cardの売り上げも順調だ。その理由として同社では「CDの購入層とiTune Cardの購入層の親和性が高かったことがあげられます。また定期的に実施している販売促進のためのキャンペーンも功を奏しています」とコメントしている。
HMVギフトカードは他社での販売も想定
取り扱うギフトカードの拡張も検討中
同社のギフトカードに対する期待は大きく、先に挙げた内部の運用面のメリットをはじめ、顧客に対するサービスの改善、新しい販促ツールの提案、新規ビジネス展開など、数多くの狙いがある。
HMVギフトカードとしては今後、豊富なコンテンツを利用したオリジナルプリントのカード販売を検討中だ。またリアルの店舗だけではなく「HMV Online」「HMV Mobile」でのカード販売・利用を想定している。
現在、同社で販売するギフトカードはHMVギフトカード、iTunes Cardの2種類だが、取り扱うカードの種類を増やすことも検討している。また、マーチャンダイジングとしての音楽・映像の必要性を考えた上でHMVギフトカードを他社のギフトカードモールで販売することも視野に入れているという。
最後に同社では「弊社では早い段階からギフトカードの販売、運用を開始しました。そのためギフトカードに関する情報、ノウハウはある程度持っていると自負しております。今後も他の業種の方々と協力しながら、拡大が期待されるこの市場での取り組みを積極的に行いたいと考えています」と語ってくれた。
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