2010年7月14日 00:00
50%の売り上げがRe.Ra.Kuカードの前受け金
収益確保に成功し、販促・ギフトにも積極的に活用
一都三県でリラクセーションサロン「Re.Ra.Ku」「O2Venus」「和風癒処」を運営するリラク。同社では2008年12月にリチャージ可能なプリペイドカード「Re.Ra.Kuカード(リラクカード)」を発行。すでに1万2,000枚が発行され、リピーターの多くが利用している。また同社全体の約50%の売り上げがカードによる前受け金であり、収益確保にも多大な貢献を果たしているという。
多い店舗では80%の売り上げが前受け金
カードホルダーの多くがリピーター
「カード発行から1年半が経過しましたが、弊社全体の約50%の売り上げが『Re.Ra.Kuカード』による前受け金であり、多い店舗では80%に及んでいます。自社カード導入はキャッシュフローの改善のみならず、リピーターの確保にも役立っており、今後は販促にも積極的に活用する方針です」(リラク リアルメディア事業部担当 取締役 福嶋宏聡氏)
リラクセーションサロンのリラクでは2008年12月からは、リチャージ可能なハウスカードRe.Ra.Kuカードの販売を開始した。カードは1,000円から最高30万円までチャージが可能だ。1万円のチャージで3%、3万円で4%、5万円で5%の金額が上乗せされるサービスもある。一番多い入金額は1万円だが、一度に10万円以上の金額をチャージするヘビーユーザーもいるという。
「カードホルダーの多くはリピーターに成長しており、非カードホルダーに比べて来店頻度は1.5倍以上あります。現在、弊社の平均単価は5,400~5,800円ですが、カードホルダーはそれよりも120%単価が高く、週に2~3回来店するヘビーユーザーも多く存在します」(福嶋氏)
同社では3月と12月にキャンペーンを実施。3~5万円の入金で10%、5万円で20%の金額を上乗せして販売したが、その期間は売上が約3倍伸びたという。
Re.Ra.Kuカードがよく利用されているカードであることは退蔵益の低さからも証明されている。同カードの有効期限は最終利用日から1年間でその期間に入金がないカードは失効扱いとなり、利益計上できる。通常、プラスチックギフトカードを販売する企業の退蔵益は1年間で7~8%だが、同社ではその数字が約1.8%。カードホルダーの約95%はチャージして翌々月で再チャージしており、ほとんどがリピーターとしてカードを繰り返し使用している。
なお、Re.Ra.KuカードのASPシステムは、CRM機能を備えている点などの理由から、レピカに委託している。
カードを利用して離脱客の再来店を促す
500~1,000円をチャージした販促用のカードを作成
同社では顧客の支払い手段、個人情報、メールアドレスを紐づかせ、1つのデータベース上で稼働する新システムを4月に導入。これまで、顧客の事前の予約はPCのみで、携帯電話からは行うことができなかったが、両システムに対応した。これにより、予約時に名前などの個人情報、メールアドレスをいったん入力してもらえば、店舗でカード番号を取得し、データベースに情報を格納することが可能になる。現在、顧客情報の入力作業を進めている最中だが、7月以降は各顧客の来店履歴に応じたメール配信も開始する予定だ。
同社では1度来店して離脱する確率は約60%。また2度続けて来店した人の中から離脱する確率は約40%だ。一度店舗から離れた顧客を再度、呼び戻すには郵送のダイレクトメール(DM)だけでは難しく、ただ単にメール配信してもなかなか伝わらない。例えば、過去に割引クーポンを付けて郵送したDMの反応率は1%に満たなかったという。紙のチラシにクーポンを付けてばら撒いても費用対効果の面で課題が残る。
「新システムを活用すれば、一度来店して2回目の来店がなかった顧客、2回目に来店して3回目の来店がなかった顧客を抽出できます。そういった顧客に対し『リラクカードに金額をチャージしてお待ちしておりますので是非お越しください』という案内を出します。例えば、2度目の来店がない方は店舗を気に入っていただけなかった方が多いです。そういった方には、1,000円の入金だけだとインパクトはありませんが3,000円だと来店率は上がります。逆に4度来店している方には1,000円の入金でも十分に効果があります」(福嶋氏)
見込み顧客に向けては販促用のカードを新たに作成し、500円~1,000円を入金して配布する予定だ。また雑誌やWEBのプレゼント企画と連動し、販促用カードのプレゼント企画なども実施している。通常のカードは有効期限が1年だが、販促用カードは半年に設定。券面も通常の来店客と区別するためデザインを変更した。紙のクーポンではなく、カードを送ることで新しさを打ちだし、財布に入れる確率を高める狙いだ。
母の日には花屋と連携し
体験型ギフト販売を展開
Re.Ra.Kuカードをギフトとして活用する施策にも着手した。5月の母の日には花屋と連携し「フラワーアレンジメント+肩たたき券」をセットで販売。リラク45店舗で実施し120セットが売れたという。
「今後も『ハンカチ+肩たたき券』といったような体験型のプレゼントをギフトカードモールなどで提供していければと考えています」(福嶋氏)
同社にはCD/DVDレンタルショップで行われたギフトカードモールの実験に参加した経験がある。今後も自社と親和性の高い店舗でRe.Ra.Kuカードを販売、PRできるような機会があれば、ギフトカードモール事業にも積極的に参加していく方針だ。また将来的には他社と連携した共通カードの発行も視野に入れる。
同社では内外での施策を重ねながら、最終的にRe.Ra.Kuカードによる前受け金の平均を全売上の80%に近い数字まで高めていきたいとしている。
↑前の記事「現金顧客に比べ客単価が約10%アップ 全店舗に導入に拡大し、顧客囲い込みを強化」~ユーシーシーフードサービスシステムズ株式会社
↓次の記事「『HMVギフトカード』『iTunes Card』を販売 ビジネスを変えるキラーツールとして積極的に活用」~HMVジャパン
※ iPhone、iPad、iTunesは、米国および他国のApple Inc.の登録商標です。