2014年1月14日8:00
海外専用のVisaプリペイドカード「NEO MONEY」の魅力とは?
ATMでの外貨両替の利用者がショッピングを上回る
クレディセゾンは、海外専用のVisaプリペイドカード「NEO MONEY」を発行している。旅行者やビジネスに加え、ここ1年は留学者の利用が増加。また、ショッピングよりも海外ATMでの現地通貨の引き出しが多く、従来のクレジットカード会員ではカバーできなかった外貨両替の利用者を獲得できているという。また、入会時のカード発行手数料、入会手数料、口座管理手数料を無料とするなど、会員の利便性向上にも取り組んでいる。
留学分野での利用が増加
2014年はNEO MONEYのニーズがさらに高まる?
クレディセゾンが海外専用Visaプリペイドカード「NEO MONEY(ネオ・マネー)」を発行開始したのは2011年8月。当時はトラベルプリペイドカードの認知度も高くはなく、生みの苦しみもあったそうだが、2012年、2013年は入会者が倍々に伸びるなど、成長曲線を描いている。会員の利用エリアについては、アジア圏が多いそうだ。
旅行、ビジネスでの利用者も伸長しているが、ここ1年は留学分野での利用が圧倒的に増加。また、海外留学協議会(JAOS)の賛助会員となり、イベント等でNEO MONEYを積極的に告知している。
通常、海外に長期訪問する人の現地滞在費を海外送金する場合、送金手数料が必要となる。また、留学者は現地で口座を開設するといった手間もあるため、留学関係のエージェントがトラベルプリペイドカードを紹介する機会が増えたそうだ。また、2014年春からは、日本でトラベラーズチェックが購入できなくなるため、NEO MONEYのニーズはさらに高まると見込んでいる。
留学者の平均入金額は20万円を超える
NEO MONEY利用者の約7割がATM引き出し
クレディセゾン カード事業部 営業企画部 商品・サービス開発グループ 課長 吉中 慎氏も「発行当初から2年間は『海外プリペイドカード』という商品の認知が全くない状態で、“新しい市場を創る”感覚でした。おかげさまで、徐々に認知度は高まってきており、2013年に入り指名買いも増えてきました」と笑顔を見せる。従来からインターネットでの申し込みは多いが、最近ではNEO MONEYというワードを検索して、申し込むユーザーも増えている。また、指名買いする人は、購入後の入金や利用金額も非常に高いそうだ。
「特に留学生は、旅行者やビジネス利用等に比べ、多くの金額をチャージされる傾向があります。例えば、海外旅行者の平均入金額は10万円強ですが、留学者は20万円を超えています。また、NEO MONEY利用の特徴は、約7割がATMでの「現地通貨の引き出し」である点です。クレジットカードの海外利用は9割以上が『ショッピング』利用ですから、これは、クレジットカードでは取り込みきれていない「外貨両替」という現金マーケットを取り込んでいるということを示しています」(吉中氏)
現状、NEO MONEY利用者平均で1回あたり、14~15万円の入金がある。これまでクレジットカード会員の海外キャッシングは決して多くはなかったが、それをNEO MONEYで補うことができているそうだ。
販路の開拓も進めている。2013年2月からはみずほ銀行での取次契約を行っているが、他の金融機関への営業活動も積極的に展開しており、成果も上がりつつあるそうだ。
カード発行手数料、入会手数料、口座管理手数料を無料に
改廃サービス手数料を5%へ変更
また、NEO MONEYをより便利に利用してもらうために商品・サービス内容の見直しも継続的に行っている。まず、これまで16歳以上からだった申込年齢を13歳からに改定した。また、手数料体系を見直し、入会時のカード発行手数料、入会手数料、口座管理手数料を無料とし、利用時の海外サービス手数料を4%から5%へ変更している。そのため、入会後、チャージをしておけば、残高が減ることはない。吉中氏は、「チャージの時に手数料が発生したり、入金後、期間が経過すると口座維持料が発生したりすることがないため、より安心してご利用いただけると思います」と説明する。
これにより、同社の収益は、カード利用時にVisaの為替レートに上乗せする形で徴収する海外サービス手数料のみとなるが、「手数料を上乗せしても、ほとんどの通貨において日本での両替よりも数%から数十%お得なので、お客様にもご好評いただいています」と吉中氏は成果を口にする。
また、カードをなくした際には、同社への届出時点の残高も補償するため、「むしろ現金よりも安全です」と吉中氏は自信を見せる。もちろん、資金移動事業者としてアンチマネーロンダリングのチェックは厳格に行っているそうだ。
加えて、NEO MONEYならではの特徴としては、セゾンカウンターで即日発行ができる点も見逃せない。入会については、名前、住所、生年月日、電話番号などの情報と、本人確認書類が必要となるが、それほど時間を要すわけではないという。
「カードをカウンターで申し込み、隣のATMでチャージしたらそのまま空港に迎えます。これまではセゾンカウンター来店者の中で海外利用の多い方にお勧めしていましたが、最近ではNEO MONEYの即日発行を目的としてカウンターに来店されるケースも増えています」(吉中氏)
早期に10万人の会員獲得を目指す
NEO MONEYの商品性を生かしたサービスを国内にも展開?
現在は個人チャネルを中心に開拓を進めているが、並行して法人マーケットの開拓も行っている。また、「当面は海外専用プリペイドカードとして展開しますが、いずれは、NEO MONEYの商品性を生かしたサービスを国内にも広げていきたい」(吉中氏)としている。
すでに、前払式支払手段としては、リアル加盟店で利用可能なVisaプリペイドカード「ココカラクラブカード」を発行しているが、資金移動業としての国内展開も技術的に可能である。すでにココカラクラブカードは発行後9ヶ月間で260万枚を突破。2013年9月にはプリペイドのチャージを開始したが、急速にチャージ残高が増えているそうだ。
「例えば、旅行で申し込まれたお客様に、国内で使いたい、また、ビジネス時に国内でも使いたいという要望もいただきます。利用可能額の管理をチャージする人や企業側が制限できるプリペイドのメリットです。そのメリットを生かして新たなサービスも研究・検討していきたいです」(吉中氏)
最近は旅行のガイドブックに掲載されるシーンも増えているため、利用者の認知も必然と高まっていくと感じている。当面の目標は会員数10万人だが、「いち早く達成しなければならない数字だと考えています」と吉中氏は語気を強める。
気になる新しいプリペイドカードのソリューションとしては、「今年の春頃を目指して準備を進めています。関心は間違いなく高まっており、幅広い業態からお話をいただいています。担当者としては大変ですが、頑張りたいと思います」と吉中氏は気持ちを込める。プリペイドカードは誰でも持てる、誰でも使えるメリットがあるため、クレジットカードではカバーしきれなかった部分を補うソリューションとして今後も発行を強化していく方針だ。