2014年9月29日8:30
ポイントカード・顧客サービスの最新動向
共通ポイントカードでは、「Tポイント」や「Ponta」に加え、10月1日から楽天の「Rポイントサービス」がスタートする。「Tポイント」や「Ponta」はリアルの世界を中心に加盟店を拡大してきたが、「楽天スーパーポイント」はネット上で圧倒的な顧客接点を持つのが特徴だ。「Tポイント」もヤフー、「Ponta」もリクルートホールディングスとの連携でネット上のサービスを拡大しており、今後の取り組みに注目が集まる。
「Rポイントカード」は、開始当初から、出光興産、釧路ポイントカード事業協同組合、サークルKサンクス、ジンコーポレーション、大丸松坂屋百貨店、ダスキン、日本通運、引越社、プラザクリエイト、プロントコーポレーション、ポプラといった企業と提携しサービスを開始する。開始当初から約1万3,400店舗の提携社を開拓しているが、Pontaの約2万3,400店舗、Tポイントの約7万5,000店舗に比べるとまだまだ少ない。また、業界のトップクラスの企業はすでに「Tポイント」や「Ponta」と提携しているか、独自に会員サービスを行っているところが多いため、さらなる拡大にどう取り組んでいくか、注目だ。
また、近年は、従来のポイントサービスの付帯条件を見直す企業も多い。ポイントの過剰な付与は、場合によっては、店舗の経営を揺るがすことになりかねない。消費者にとっては多くのポイントが付与されるのは魅力だが、ポイントサービス本来の目的は、『顧客に店舗に来店するモチベーションを与え、繰り返し利用するリピーターを育てることにある』と考える企業が増えている。また、すべての来店客を平等に扱うのではなく、店舗に繰り返し来店する「上得意客」に手厚いサービスを行うことにより、優良顧客を育て、店舗にとって高い費用対効果を確立可能だ。例えば、国内でもファミリーマートやTSUTAYAなどが顧客サービスを見直して、来店の多い顧客に手厚いサービスを行っている。
さらに、埼玉県さいたま市のセレクトショップ「COSUCOJI(コスコジ)」のように、ポイントプログラムそのものを工夫することにより、来店客のモチベーションを高めているケースもある。
そのほか、行政が中心となり、健康づくりを促進する制度や地球温暖化防止のためのプログラムなども行われている。また、企業の業績アップを目的とした新たなインセンティブポイントサービスも複数の企業が展開している。
テクノロジーの面では、スマートフォンやタブレット、Beaconなどを活用した新しいCRMサービスも続々と登場している。
そこで今回は、お得意様育成の手段となるポイントサービスの取り組みについて主要企業に話を聞いた。
共通ポイント戦国時代にライバルを迎え撃つ第一人者「Tポイント」
Yahoo! JAPANとの連携を実証中、エリアアライアンスも強化
~Tポイント・ジャパン
カード発行の機会を広げ、月々の買い物金額によりポイントを優遇
店舗でのTカードの提示率を5割まで高める
~ファミリーマート
ローソンにおけるPontaカードの提示率は年々高まる
お客様の利便性向上と相互送客、お得感を演出し来店頻度向上および購入単価向上で成果
~ローソン
「AOKI」「ORIHICA」の1,500万人の会員情報を一元管理し、販促に活用
「会員証アプリ」の提供にも力を入れ、「iBeacon」のテストも予定
~AOKI
ユニークなポイントプログラムで“顧客の笑顔を広げる”
「笑顔創造店舗」として楽しみながら貯まるポイント、特典を提供
~COSUCOJI(コスコジ)
「LeSportsac Member’s Club」でロイヤルカスタマー育成に注力
会員ランク制度と店舗からの情報配信により、顧客との関係を強化
~レスポートサック・ジャパン
鉄道・バスの利用者を静鉄グループ店舗へ送客する「ルルカポイントサービス」
地域共通カードとして静岡エリア在住の4割の利用を目指す
~静鉄グループ
ポイントを活用し社員のモチベーションアップを実現可能な「サンクスコレクト」
新たな法人向けインセンティブとして5年後に600社の採用を目指す
~ジェイティービー
県と市町が協働して健康づくりを支援する「ふじのくに健康マイレージ事業」
市町が定めた健康づくりメニューを行うと、全県の協力店で特典を提供
~静岡県
健康・予防日本一を目指す藤枝市がふじえだ健康マイレージプログラムを実施
従来の「守る健康」に加え、市民参加型の「創る健康」に取り組む
~静岡県藤枝市
全国でもいち早く温暖化防止に向けたエコポイント事業を展開
エコな活動でポイントカードが手にでき、協賛店で利用可能
~ストップ温暖化ポイントカード制度
タクシー向けポイントサービス「得タクネットワークサービス」の狙いとは?
好きなポイントやマイルが貯まるサービスでタクシー事業者を支援
~モバイル・コマース・ソリューション
関西国際空港がビジネス出張向けの会員制度を開始
出発から帰国までトータルなサポートにより、長距離便の利用増を目指す
~新関西国際空港
阪急阪神グループの13施設で利用できる共通のポイントカードを発行開始
2017年度に70万人の会員化を目指す
~阪急阪神ビルマネジメント
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