2015年3月25日8:30関西国際空港がビジネス出張向けの会員制度を開始出発から帰国までトータルなサポートにより、長距離便の利用増を目指す
関西国際空港は、2015年4月1日から、海外出張をサポートする法人会員サービス「Global Business Club」を企業向けに提供する。同プログラムでは、関西国際空港からの国際線フライトの利用に応じた会員特典や、空港内における会員特別サービスの提供など、企業と出張者双方にメリットのあるサービスを目指すという。国内において、空港が提供するビジネス出張向けのトータルサービスは初となる。
長距離便の利用でポイントがお得に貯まる
出張者により良いサービスを提供し、他の空港との差別化を図る
「Global Business Club」は、法人向けのポイントプログラムとなり、会員企業が関西国際空港発の国際線フライトを利用するごとにポイントを付与するサービスとなる。貯まったポイントは、関西国際空港内のラウンジの利用券や駐車券に交換したり、国際線セキュリティ優先レーン(2015年度夏開設予定)の提供、長距離便でのエアサイドのラウンジ利用などの特典も付与するそうだ。例えば、50ポイントでエアポートリムジンバス(路線限定)の乗車券、直営免税店のクーポン券500円分、60ポイントでラウンジでの個別席/ブースの利用、150ポイントで手荷物自動配送といった特典を受けることができる。さらに、提携航空会社との連携により、優先チェックインサービスを提供する。
新関西国際空港株式会社 航空営業部 航空営業グループ 須田秀明氏は、「サービス提供後はより多くの企業が関西国際空港を経由して、海外に出張していただければと考えています」と意気込みを見せる。関西国際空港では、近年、便数も伸びており、この冬は過去最高を記録した。ただ、欧米をはじめとした、長距離路線の充実が課題となっている。須田氏は、「お客様によっては、大阪(伊丹)、羽田経由で海外に飛び立つケースも見受けられます」と現実を見据える。その対策として、出張者によいサービスを提供することにより、関西国際空港から旅立ってもらいたいと考え、「Global Business Club」の開始に至った。
サービスの特長として、企業にとっては、長距離便を利用すればするほど、多くポイントを貯めることが可能だ。例えば、関西国際空港発の国際線を利用した場合、長距離線では20ポイント、中距離線は2ポイント、短距離線では1ポイントを付与し、長距離便のポイント付与を優遇している。長距離便の利用者は、出国までは「KIXエアポートラウンジ」、搭乗までは「KIXエアサイドラウンジ」の利用がそれぞれ可能となるメリットもあり、同プログラムをベースに、長距離便のリピート企業を伸ばしていきたいとしている。
2015年中には、国際線保安検査場(セキュリティチェック)の優先レーン利用が可能となる予定であり、出国時の利便性もより高まると期待を寄せる。
企業規模にあわせ3つのプランを提供
100社の導入を目指す
航空業界におけるインセンティブとしては、航空会社のマイレージサービスが代表的だが、「例えば、エコノミークラスの利用者はラウンジが利用できません。また、チェックインカウンターもビジネスクラス以上の方とは異なっているなど、提供できるサービスは限られます。その点、本カードをお持ちいただければ、航空会社の優先チェックイン等を受けることが可能です。今回のサービスは、マイレージカードとの差別化を意識しており、利用者のモチベーションを高める内容となっています」と須田氏は笑顔を見せる。
ポイントプログラム設計の際、「出張者が利用される関西国際空港内、空港外のサービスを中心に構築した」という。また、法人向けのプログラムということもあり、貯まったポイントで、ターミナル内の広告媒体に企業広告を打つことも可能だ。
入会プランは、企業の事業形態や社員数、海外主張の頻度に応じて、カード発行条件200枚の「Special」(20万円)、100枚の「Standard」(10万円)、10枚の「Light」(5万円)の3つを用意(すべて税抜)。カードは、記名式ではないため、特定の社員に配布する方法以外にも、総務担当者が海外主張の都度、担当者に手渡す運用も可能だ。
関西国際空港では、2014年11月13日から、「Global Business Club」の申込受付を開始。同プログラムは、関西経済連合会や大阪商工会議所、大阪府の協力を得ており、連携しながら会員企業を募っている。同サービスを起動に乗せ、将来的には関西国際空港発の長距離便のダイヤの増加につなげていく方針だ。
須田氏は、「当初は100社の申し込みを念頭に置いていますが、大手だけではなく、中小企業にもご利用いただきたいと考えています。今後は、どの航空会社でも迅速なチェックイン、セキュリティチェックができる世界を目指していきたいです。また、将来的には海外現地の空港でもサービスを受けられるようになればいいですね」と構想を語った。