2015年1月27日8:35米国では国際ブランド搭載のギフトカードの普及が進む
オンラインプリペイドカードは、さまざまな活用が可能だが、今回は「ギフトカード」(Gift Card)について紹介する。国内でも百貨店やアパレル、映画館、旅行などでギフトカードが発行されている。
欧米先進国では、従来家族や友人・知人への各種プレゼント、企業の従業員や顧客に対するインセンティブとして、デパートや専門店が発行する紙のギフト券や商品券などが使われてきた。今日では、こうした紙のギフト券や商品券の大半は、クレジットカードサイズのプラスチック製カードによるプリペイドギフトカードとして販売されている。さらに、インターネットの時代を迎え、オンラインでメッセージと共にオンライン上の決済に用いることができるデジタルギフト券でありヴァーチャルギフト券が登場し、メッセージメールに添付してプレゼントが行われている。
オンラインプリペイドのギフトカードも他のプリペイドカードと同様に、デパートやレストラン、ホテル、航空会社、ファーストフード、専門店など特定の事業者の店舗に限定して利用できる「クローズドループ」、フランチャイズやショッピングセンターなどで共通して利用できる「セミ・オープンループ」、Visaやマスターカード、アメリカン・エキスプレス、ディスカバーなどのクレジットカードやデビットカードのネットワークで決済ができる「オープンループ」のギフトカードがある。
アメリカにおけるギフトカードを用いる用途には次のようなものがある。
・ホリデーギフト
クリスマス、大晦日、ハロウィン、バレンタイン、イースター、父の日、母の日
・特別な日へのギフト
誕生日、出産、卒業、入学、新学期、新築、結婚、退職、各種周年記念日
・その他
インセンティブ、ボーナス特典
もともと、オンラインプリペイドのギフトカードは個々のデパートや専門店が独自に発行していた紙のギフト券や商品券に代わって導入されたものであり、当初は大半が「クローズドループ」オンラインプリペイドのギフトカードが占めていたという。しかしながら、クレジットカードもアメリカでは当初、特定のデパートや専門店単位で“ハウスカード”として発行されていたものが、1958年にVISAカードの前身であるアメリバンクカードやアメリカン・エキスプレス・カードなどのサードパーティ型のクレジットカードが登場し、力をつけるにつけ、多くのデパートや専門店は、マーケティング上は不利益な従来のサードパーティ型のクレジットカードに相乗りした“コ・ブランディドカード”(カード会社と小売店との提携カード)を発行するようになってきた。これと同様に、オンラインプリペイドのギフトカードも自店のみならず他店での支払いも可能になる“コ・ブランディドカード”のギフトカードの導入が、ターゲットやシアーズなど一部の大型ストアで導入が始まっている。この“コ・ブランディドカード”のギフトカードが「オープンループ」のオンラインプリペイドのギフトカードである。
なお、「セミ・オープンループ」のオンラインプリペイドは、ショッピングモールや複数のレストランチェーンで共同発行する共同型のオンラインプリペイドのギフトカードを指す。
また、プリペイドカードのサービスプロバイダーやギフトカードマーケッターには、ギフトカードの送り主のお気に入りの写真をデザインしたパーソナルギフトカードを別途料金で発行している。また、企業や団体がインセンティブや特典としてその従業員や構成員、顧客などに配布するギフトカードには企業や団体などのロゴマークなどをデザインしたスペシャルカードを提供するケースも多い。
「世界のプリペイドカード市場要覧」では、米国のウェルズファーゴ銀行のオープンループオンラインプリペイドギフトカードやGift Cards.com、Gift Card Mall、Card Coolといったギフトカードマーケッターを紹介している。
また、ギフトカード以外にも「アフェニティカード」「送金カード」「トラベルカード」「ヘルスケアカード」「給与支給カード(Payroll Card)」「緊急災害支援金支給カード」「行政サービスカード(Government Benefit Card)」「プリペイド特典カード」といったさまざまなオンラインプリペイドの活用について取り上げている。