2015年7月8日8:46「決済+販促」に焦点を当てた「オンラインプリペイドカンファレンス2015」開催
TIプランニング ペイメントナビ編集部は、2015年7月7日、ペイメントナビセミナー「オンラインプリペイドカンファレンス2015」を開催した。近年、流通企業でオンラインプリペイドカードが発行されるケースが増えてきた。ハウス電子マネーはリチャージカードとして利用されており、ポイント等の販促活動と連携するケースも多い。そこで、普及が加速するオンラインプリペイドカードで注目の企業5社が登壇するセミナーを終日に渡り開催した。
午前のトップバッターで登壇した、日本発、唯一の国際ブランドであるジェーシービー(JCB)は、各提携企業や金融機関・カード発行会社へ、国内外のJCB加盟店でプリペイドカードが利用できる環境を提供している。JCBはブランドホルダーであると同時に加盟店保有会社(アクワイアラ)、カード発行会社(イシュア)、業務受託会社(プロセッサ)であり、多面的な立場をもつことを強みに、各企業様へ、最適なプリペイドソリューションを提供しているという。今回のセミナーでは、ジェーシービー プリペイド事業推進部長 榊原 英人氏が登壇。同社の提供するサービスの紹介、プリペイドカードに注力する理由、プリペイドカードのスキーム、「JCBプレモ」サービスの取り組み、ハウスプリペイドカードの発行支援、ブランドプリペイドカードの展開などについて、講演を行った。
続いて講演したカードフレックスジャパンは、Visaブランドのついた『テイツーカード』とテイツーポイントカードが一体となった「TAY TWO CARD」を発行している。顧客満足度を向上するために「買い取りチャージ」、「ポイントエクスチェンジ」、「ポイントバック」などさまざまなサービスを提供している。今回のセミナーでは、カードフレックスジャパン 藤井一博氏が、国内初の「プログラムマネージャー」として、ブランドプリカによる顧客囲い込み戦略に必要とされる勘所を、現場目線で解説した。また、現在準備している「バリュートランスファーサービス」を中心に、将来展望についても紹介した。
昼食休憩を挟んで、午後の講演ではまずモスフードサービスブランド戦略室ダイレクトマーケティンググループリーダー 齊藤雅久氏が登壇。同社では、2012年4月より全国のモスバーガーで共通利用できるチャージ式プリペイドカード「モスカード」を導入している。同社では2015年4月から、年間の来店回数(モス カードで決済を行った回数)と購買額に応じてサービスの内容が変わるランクアップ制度「モスカードプログラム」を展開している。また、スマートフォンやPCからネットで商品が注文できる「モスのネット注文」サービスなど、デジタル化にも力を入れている。同社ではモスカードと、各会員サービスと連携しながら顧客へのさらなる利便性向上、サービス強化を進めているそうだ。
続いて登壇したドン・キホーテでは、2014年3月から独自電子マネー「majica」を展開しており、当初の予想を上回る勢いで会員数を伸ばしている。また、「ClubDonpenモバイルサービス」との連携など、販促も強化している。今回のセミナーでは、ドン・キホーテ オペレーション統括本部 販促戦略部 ゼネラルマネージャー 雨谷芳正氏が、「majica」発行の経緯、認知や利用拡大に向けた戦略、オペレーションの仕組み、決済+αの取り組みについて紹介した。
そして、最終講演では、ソフトバンク・ペイメント・サービス 事業企画本部 事業企画部 担当課長 福井 広樹氏が登壇。同社では、ソフトバンクモバイル、ワイジェイカード〈YJカード〉と、Tポイント・ジャパンとの協業により、Visa加盟店で利用でき、「Tポイント」が3倍貯まる新しいプリペイドカード「ソフトバンクカード」を、ソフトバンク携帯電話利用者に2015年3月6日から提供開始している。今回は、カード発行の経緯やサービスの仕組みなどについて解説した。
同セミナーには、国内を代表するプリペイドカードASP事業者、ディストリビューター、カード会社に加え、行政などが参加した。長時間にわたるセミナーとなったが、参加者は講師の話に真剣に耳を傾けていた。
決済+販促の動きが加速
「決済連動マーケティング市場要覧」を発行予定
近年、決済を提供するだけではなく、販促サービスなどによる付加価値も同時に提供する企業が増えている。今回のセミナーでは「決済+販促」に焦点を当てて紹介したが、TIプランニングでは2015年8月(予定)に、決済と連携した、グローバルでのポイントカードなどの販促およびマーケティングの動向を紹介したレポート「決済連動マーケティング市場要覧」の発行を行う予定だ。
※ソフトバンク・ペイメント・サービスのご登壇者が当初から変更となりました。