2015年7月17日9:08電子タグとNFCを活用し、流通店舗でデジタル体験を提供
Store Electronic Systems(SES)は、「Electronic Shelf Labels(ESL)」という電子荷札に関するサービスを提供している。利用者は、バーコードやNFCタグにスマートフォンをかざすと、買い物かごに商品を入れてチェックアウトの支払いにつなげることが可能だ。また、店舗にとっては、商品の特売情報やクーポンを送ることができるため、顧客との関係を強化できるという。すでに欧州では大手流通での採用もあるESLについて、Store Electronic Systems Asia Pacific Managing Director Nicolas Lamaury氏に話を聞いた。
――まずは貴社についてお聞かせください。
Nicolas Lamaury:弊社はフランスの会社であり、電子プライスタグ「Electronic Shelf Labels (ESL) 」を提供していますが、この分野では世界でトップの存在です。プライスタグでは、ハードウェア、ソフトウェア、メンテナンスなどのフルサービスを提供しています。
バーコードがプライスタグに表示されており、NFCもオプションで提供できますが、両方をお使いになられるお客様も多いです。すでに現地の流通では利用されており、非常に成功しています。現在の売り上げは米ドルで1億ドルとなっており、現在は、オーストラリアへの進出を考えています。
たとえば、お客様がNFCタグをスマートフォンでタップをすると、さまざまなお得品の広告が表示されます。また、若い女性であれば子供のミルクの特売が届いたり、男性であればビールの特売やクーポンが送られます。
最近スタートしたのは、赤い文字で料金を表示することでお客様の興味を引くことができます。もちろん、中国語、日本語のカタカナやひらがなで表示することも可能です。
――欧州での成功の要因についてお聞かせください。
Nicolas Lamaury:欧州では労働者のコストが高いという課題があるため、採用されるケースが増えています。値札を表示する役割以外にも、モバイルでのスキャンが可能になったり、店舗内のGPSの役割を果たすため、労働者の費用も下がりますが、店舗ではお客様へより良いサービスを提供可能です。また、今後の展開として、シンガポールは有力な市場であると感じています。
――オーストラリアはNFCタグにスマートフォンかざすと、お客様に関連情報などが届く「スマートポスター」は利用されているのでしょうか?
Nicolas Lamaury:オーストラリアでは、まだスマートポスターが始まったところですが、成長は早いと考えています。すでに複数の打診をいただいており、成功する自信もありますが、オーストラリアは国土が広いため、各州をカバーできる有力なパートナーと契約できればと思います。
―具体的なプライスタグの価格についてお聞かせください。また、日本市場についてはいかがでしょうか?
Nicolas Lamaury:価格面としては、NFCタグを付けたとしても米ドルで10ドル以下となります。小売店が数百店ある場合でも、本部の方が値段を変更すれば1秒程度ですべての値札の値段を変更することができますので、効率的です。
また、日本市場には興味がありますが、日本人の心理がわかる日本企業で全国に展開しているパートナーと契約することが必要であると考えています。
※取材は2015年5月20、21日開催の「Cards & Payments Australia 2015」のStore Electronic Systemsのブースにて