2016年2月22日8:00
パッケージ販売に加え、クラウドサービスも提供し、多彩なニーズに対応
店頭にギフト・プリペイドカードを陳列して販売する「ギフトカードモール」は、コンビニエンスストアや家電量販店の売り上げに多大な貢献をしているが、その多くがインコム・ジャパンのPOSA技術を利用して金券の有効化処理を行っている。富士通ミッションクリティカルシステムズのパッケージソリューション「やごやさん」は、インコムのPOSAカード導入を短期間・低コスト・高品質にサポートしている。
インコムの要件にあったシステムを国内でいち早く開発
CVS 3社、家電量販店6社をはじめ、計20ユーザーが採用
富士通ミッションクリティカルシステムズの開発した「やごやさん」は、POSAカード販売店のアプリケーションとインコムのセンターとの接続を容易に実現するパッケージソリューションだ。接続の通信プロトコル(ISO8583)を完全に吸収し、導入企業のアプリケーションからインコムのセンターへの接続を容易に実現できる。さらに、多言語に対応しており、海外市場への展開も可能だ。
同社では、2008年8月にインコム・ジャパンから、接続ソリューション開発の打診を受け、開発に着手。当時、インコムに接続するためのインターフェースは国際標準の「ISO8583」をベースとした仕様であり、国内で対応しているパッケージベンダーは少なかったが、同社ではISO8583に対応したパッケージの開発・保守を行っていたので、その仕様や運用にはノウハウがあった。そのため、インコムの要件にあったシステムを国内でいち早く開発し、導入を積み重ねている。
現状、CVS 3社、家電量販店6社をはじめ、計20ユーザーがやごやさんを採用している。富士通ミッションクリティカルシステムズ 先端ソリューションビジネス推進室 マーケティング基盤ビジネス部長 宮田治郎氏は、「やごやさんは異常系の処理をスムーズに実現するなど気配りの行き届いた製品であり、2009年のローンチ以来、商用でのトラブルは1件のみです」と話す。
やごやさんは、金券をPOS端末でアクティベーションする機能「V1」からスタートし、V2ではWebブラウザに対応した。最新バージョンとなる「V3」では、POSAカードとハウスカードをスイッチングできる『センター振り分け機能』を付加している。V3では、プリペイドカードのプロセッサーのセンターへの接続、電文振り分け機能を搭載し、大手プロセッサーへ接続する「アダプタ製品」をオプション製品として用意する予定だ。
クラウド型システム「InComm Japan Gateway」を稼働
パソコンのブラウザにてアクティベーションを行う「WAS」を販売
大手流通企業での導入のイメージが強いPOSAだが、現在は、地方・中堅スーパーマーケットやドラッグストアでの導入が進んでいるという。すでにインコムでは、同社協力のもと、POSAカード販売事業と自社プリペイドカードの導入・リチャージをサポートするクラウド型システム「InComm Japan Gateway」の稼働を2014年11月から開始している。クラウド型の「InComm Japan Gateway」は自社サーバが不要であるため、コストを抑えることができ、中規模チェーンからの引き合いが多く寄せられているそうだ。すでに8社が採用し、2016年もさらなる稼働予定が控えている。
また、小規模販売店向けのクラウドサービスとして、パソコンのブラウザにてアクティベーションを行う「WAS(Web Activation Service)」を2013年にリリース。POS端末を必要としないWebベースのサービスが特徴だ。宮田氏は、「パソコンにバーコードリーダを接続するだけでインコムのセンターと通信し、簡単な操作でPOSAを実現します。パソコンやバーコードリーダを業務利用していれば新たに購入の必要がないため初期費用も抑えられ、スモールスタートが可能です」と特徴を述べる。POS端末連携が難しいため、レジとの二度打ちが必要などの制約事項も一部あるものの、ごく簡易な導入作業で迅速にサービスを利用できる。たとえば、ビジネスソフトやゲームソフトなどのソフトウェア製品は箱売りスタイルからPOSA対応のダウンロードカードへの販売へとシフトしているため、パソコンショップなどからのニーズもあるそうだ。
スマホを活用したアクティベーションの仕組みを検討
リアルタイムな広告宣伝、プロモーションの実現を目指す
「やごやさん」では、さらに、POSAカード発行を行う会社やサービスプロバイダ向けに、インコムのセンターと「被仕向接続」を行うパッケージ製品(for Service Provider)を2015年3月に発売。カード使用、残高照会、リチャージ電文など、カード発行会社の業務への対応が可能となった。すでにInComm Greater Chinaの取引先である、台湾でPOSAカードを発行しているプロセッサーがファーストユーザーとなり稼働している。
今後の展開として、スマートフォンを活用したアクティベーションの仕組みについても前向きに検討している。また、販売時点での年齢認証をどうするかが大きな課題だが、スポーツくじや地方の公営競技の振興を促すようなくじ類をPOSAカード化して販売する仕組みが構築できれば面白いと考えているそうだ。
宮田氏は、「POSAソリューションは本来、広告宣伝、プロモーションといつた価値も大きいです。InConmm Japan Gatewayでは、販売店様のPOS端末が接続されていますので、リアルタイムにさまざまなプロモーション、レコメンデーションなどが実現できると考えています」と意気込みを語った。