アミューズメント機器へのシンクライアント型のマルチ電子マネー決済システム搭載(セガ)

2016年3月22日8:00

「交通系IC」「nanaco」「WAON」「楽天Edy」に対応

セガは2016年、アミューズメント施設におけるマルチ電子マネー決済システムの導入を順次開始する。これにより、現金及び電子マネーによる決済が可能となる。シンクライアント型で無線方式、かつ顧客操作型の決済システム導入は業界初だ。

シンクライアント型システムで管理が簡易に
無線方式による小型端末採用

電子マネー普及につれ、アミューズメント施設でも導入を求める顧客の声が増してきた。セガでは、決済端末上は最小限の処理にとどめ、電子マネー認証はサーバ上で行うシンクライアント型のシステムを採用。セガ・インタラクティブ 販売事業部 企画営業部 部長 定野史明氏は「シンクライアント型の電子マネーを見て、アミューズメント施設にはいい仕組みだと感じ、検討を始めました」と振り返る。

▲セガ・インタラクティブ 販売事業部 企画営業部 部長 定野史明氏
▲セガ・インタラクティブ 販売事業部 企画営業部 部長 定野史明氏

アミューズメント業界では他社でリッチクライアント型の電子マネー決済を開始しているが、シンクライアント型はセガが初となる。シンクライアントはプラットフォームの共有化が図れるため、端末は汎用化され、店舗に大きなコスト負荷をかけずに電子マネーを導入できる。また、クラウド型のため安全性に優れ、気になる処理速度も、検定では数値上も体感上も遜色ないという。

セガでは過去に電子マネー導入を試みたことがあるものの、現在ほど普及が進んでおらず、時期尚早との判断により本格的な展開に至らなかったそうだ。同販売事業部 販売管理部 事業管理課 課長 藤本淳氏は「シンクライアント型は管理が楽ですし、比較的安価になるということもあって、これならば過去とまったく違った形でできると考えました」と微笑む。

▲同販売事業部 販売管理部 事業管理課 課長 藤本淳氏
▲同販売事業部 販売管理部 事業管理課 課長 藤本淳氏

機器に設置する端末は、アミューズメント施設の電子化を目的に開発された小型端末で、「売上データを素早く把握でき、販促にも活かせます」と定野氏は語る。データ送受信が無線ででき、有線方式と異なり店舗内のレイアウト変更も自在だ。

100円硬貨に縛られず、柔軟な価格設定が可能
ゲーム稼働率の向上と売上拡大に期待

従来、アミューズメント機器の利用料金は、100円単位など、硬貨による現金払いの形に縛られてきた。電子マネーならば、ゲーム機の鮮度、あるいは日時やシーンに応じて価格を1円単位でフレキシブルに設定できるのが利点だ。これらの工夫に加え、決済方法の複数化によりゲーム稼働率が上がれば、売上拡大も期待できる。

さしあたり導入予定の電子マネー券種は、交通系ICと「nanaco」「WAON」「楽天Edy」の4つだ。ただ、その全部を標準搭載するのではなく、オペレーター(アミューズメント施設経営者)が自店の立地条件や顧客層等に応じて適宜選択してもらう形をとるという。また将来的には、ポストペイも含め主要全ブランドへの対応も検討している。

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▲交通系電子マネーによる決済のイメージ
▲交通系電子マネーによる決済のイメージ

まずはクラブセガ新宿西口店で全台に実装してテストし、さらに数店で拡大テストを行ったうえで今夏以降の本格導入を目指す。現場にとり活用度の高いシステムとなることは間違いないが、同社では寡占化や値下げ競争のツールにはしたくないと考えている。藤本氏は「価格競争が激化して市場全体が悪くなっては意味がありません。テストで電子マネーの利便性による導入効果を確かめながら、適正価格が本来どうあるべきかを探っていきたいと思います」と気を引き締める。

イニシャルコストとランニングコストを差し引いたうえで、電子マネー導入による利益が各店の手元にきちんと残ることがまずは重要だと考えている。普及が進み端末生産台数が増えれば、イニシャルコスト低減も可能となろう。なお、今回は実店舗のみの導入だが、シンクライアント型はインターネット決済にも対応可能なため、将来的にはグループ内の他事業との連携等の可能性もあるという。

カード決済&セキュリティの強化書より
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