2016年11月15日8:35
沖縄・那覇空港に6店舗を構えるエアポートトレーディングでは、2015年12月に中国人向けの決済サービス「Alipay」を導入した。導入の経緯について話を聞いた。
顧客利便性を考え、さまざまな決済を導入
2015年12月から「Alipay」を導入
エアポートトレーディングでは、空港内の店舗ということもあり、従来から顧客利便性を考え、さまざまな決済手段を導入している。クレジットカード決済に加え、インバウンド向けに「中国銀聯」、沖縄で普及している「楽天Edy」、イオンの電子マネー「WAON」、交通系電子マネーなど、豊富な手段を取り揃えている。
エアポートトレーディングの店舗があるのは那覇空港の国内線だが、品数が豊富に揃う店舗が多いため、コーディネーターが台湾や中国からの訪日外国人旅行者に同店舗を勧めるケースも多い。
同社では、2015年4月から、リクルートライフスタイルのAirレジを導入。Airレジでは、リクルートライフスタイルが展開するウォレットサービス「Airウォレット」に対応しており、利用者のスマートフォンに表示されたQRコード(もしくはバーコード)を読み取ることで「リクルートポイント」(現在はPontaポイントに統合)を貯めたり・使ったりすることが可能だ。2015年4月~5月には、リクルートライフスタイルとキャンペーンを実施したこともあり、本土からの旅行者の利用も多かったそうだ。その流れを受け、同12月からAirレジと連携する「モバイル決済 for Airレジ」を導入し、Alipay決済の取り扱いを開始した。
「Airレジを導入した当初は戸惑いもありましたが、Alipayはその流れから導入しているため、店員にとってもシンプルな操作で利用できます。また、Alipayは中国人の方が使い慣れている決済手段ですので、スムーズに決済可能であり、全店から使いやすいという声をいただいています」(エアポートトレーディング 安仁屋真紀氏)
Alipayは中国人旅行者が安心できる決済手段の1つ
利用者の平均決済単価は1万弱
国内ではAlipayが初期の導入だったこともあり、観光客の多くが日本で利用できることを認知していないそうだが、「中国の方が目に留まると喜んでいただけているので、今後はより大きなPOPを店内に設置する予定です。Alipayが利用できるとわかれば、アジア圏内のお客様は今後確実に増えてくると思います」と安仁屋氏は話す。
Alipay利用者の平均決済単価は1万弱。日本の電子マネーは少額での支払いが中心だが、銀聯などと同様に、決済手段としてAlipayを利用している傾向がある。同社 國吉志真子氏は、「決済後は、自身のスマホで決済額を確認できるため、納得されている雰囲気があります。Alipayはお客様にとって安心できる決済手段であるイメージを持ちました」と感触を述べる。
フロアガイドにもロゴマークが入るように申請
インバウンド向けの対応を強化
那覇空港は空の玄関口であり、利用者の中には旅先で残った小銭をAlipayや銀聯と併用するケースも目立つ。
「店舗としては、インバウンドのお客様の集客はプラスαで考えていますので、決済いただける選択肢はたくさんあったほうがいいと考えています。現在、フロアガイドにもロゴマークが入るように申請しています。また、旅行者をコーディネイトされる方がAlipayを使えるという情報をお持ちであれば、引率される際にお勧めいただけると思います」(安仁屋氏)
エアポートトレーディングでは、認知の向上とともにAlipayの利用は伸びるとみている。國吉氏は、「訪日外国人の方に、弊社がタックスフリーを導入している店舗であることを認知していただけるように努めていきたいです」と意気込みを見せる。今後は、キャンペーンなど、訪日外国人旅行者のプラスになるような展開ができれば、さらに利用は加速するとみている。また、中国で利用されている他の決済手段の導入も含め、インバウンド向けの対応を強化していく方針だ。
国際線への店舗の出店などにより、Alipayの決済は今後も伸びる
●エアポートトレーディング 代表取締役社長 丸橋 弘和氏
弊社では、リクルートライフスタイルからご紹介をいただく中で、沖縄は海外からのお客様が多く、10月に国際線に店舗を出店したこともあり、その延長でAlipayを導入しました。まだまだ利用は限られますが、今後は決済される方が増えるとみています。現在、弊社店舗全体で見てもカード決済の比率は20~25%ほどです。カード決済については、積極的に対応していますが、複数の端末を置く必要がありますので、これが1台で処理できるようになれば、さらに便利になると考えています。