新千歳空港が中国人向け決済サービス「WeChat Pay」を全面的に導入、世界初「旗艦空港」に

2017年12月15日10:56

新千歳空港を運営する新千歳空港ターミナルビルディングは、2017年12月14日、テンセントホールディングス(騰訊控股有限公司)と、ネットスターズ、NTT東日本の協力を得て、中国人向け決済サービス「WeChat Pay」を全面的に導入し、世界で初めて「旗艦空港」の称号を取得したと発表した。同日には、同空港で記者説明会が行われた。

「WeChat Pay」を空港内のほとんどの施設に導入
新千歳空港では販売促進と利便性向上に役立てる

新千歳空港では、2017年9月20日から、国際線ターミナルビル・連絡施設(計23店舗)にWeChat Payの導入を開始した。その成果を受け、12月14日からは、WeChat Pay旗艦空港としての展開を開始。WeChat Payの旗艦空港として、世界初となった。

握手をする新千歳空港ターミナルビル 代表取締役会長 森糸 猛氏(中央左)とテンセント 微信支付事業部副総裁 李培库氏(中央右)。左から新千歳空港ターミナルビル 取締役 成田 裕毅氏、テンセント 微信支付事業部 アジア運営部長 鄭紅敏氏。左から5人目がネットスターズ 代表取締役社長 李剛氏、6人目がNTT東日本 北海道事業部長 高橋庸人氏。ネットスターズは、新千歳空港へのWeChat Payサービス提供、WeChat Pay旗艦空港キャンペーンのサポート、NTT東日本は、新千歳空港・北海道エリアへのWeChat Pay提案・導入支援等を実施

新千歳空港ターミナルビル 代表取締役会長 森糸猛氏は、「4社協力のもと、新千歳空港の訪日中国人観光客の皆様によりよいサービスを提供し、北海道に来て良かった、また期待と思われるような空港を目指して、さらには北海道のインバウンド需要の拡大に少しでも寄与できればと考えています」と語る。

同社取締役 成田裕毅氏は、「新千歳空港では、飛行機に乗るための通過点ではなく、過ごす、楽しむ、発見する空港として発展してきました」と説明する。今回、中国人の多くが使用するWeChat Payを導入することで、販売促進と利便性向上に役立てていきたいとした。

「旗艦空港」としてキャンペーンやプロモーションを積極展開
テンセントは旗艦空港のランドマークとなるようにサポート

同日からは、キャンペーンやプロモーションをスタート。まず、WeChat Payで50元(約850円)以上の決済をすると、ランダムで割引を実施。最高888元(約1万5,000円)まで割引され、1人あたり3回の割引まで対象となる(1日2,000回を上限)。

また、WeChat Pay1回の決済額が800元(1万3,600円)以上の場合、50元(850円)の代金券をプレゼントするキャンペーンも実施。次回の決済額が200元(3,400円)以上となった場合、50元の代金券を使用し、割引を受けることが可能だ(贈呈枚数は2万枚)。

さらに、「ハローキティ ハッピーフライト」の利用代金の入場料をWeChat Pay決済で半額とする取り組みを開始。さらに、「ハローキティ ハッピーフライト」の有料ゾーン内にQRコードを設置し、QRコードをスキャンするとカフェで利用できる電子クーポンを発行するそうだ(先着5,000人を予定)。

なお、体験サービスとして、国際線ターミナルビル3Fに体験エリアを設置し、WeChat Payサービス、WeChat Pay海外進出を紹介するほか、中国人に人気のあるポストカード(印刷)など、今後テンセントホールディングスの最新システムを体験できるエリアプロモーションを実施する。

現在、新千歳空港では、クレジットカード、銀聯、電子マネー、各種電子マネーやポストペイを導入している。今回、WeChat Payを導入したが、当面は他のインバウンド向けQR決済サービスの導入予定はないとした。

テンセント 微信支付事業部副総裁 李培库(リ ペイクウ)氏は、「マーケティングリソースにおいて全面的にサポートして、旗艦空港のランドマークとなるようにしていきたいです」と意気込みを口にした。同氏によると、日本は、歴史、風景、グルメ、スポーツなど、さまざまな要素をカバーしており、季節ごとに異なる特徴があるという。そのため、何度も来日して楽しむ中国人観光客が多い。

「白い恋人パーク」ではキャッシュレス決済の22%がWeChat Pay
WeChatのプロモーション機能も活用

北海道では、白い恋人で有名な石屋製菓が「白い恋人パーク」でWeChat Payを導入。当日は、同社の活用状況について、紹介された。

石屋製菓および石屋商事の常務取締役 瀧井潔氏。WeChatのプロモーション効果などにも期待しているという

「白い恋人パーク」の有料ゾーンでは、昨年70万人の来場を突破。中国人観光客は、2012年度は2万人だったが、2016年度は13万人まで増加。現在、海外からの来場者の38%が中国人観光客となっている。2017年7月には免税コーナーにWeChat Payを導入。これにより、中国人観光客の利便性が向上するとともに、会計の時間が半分に短縮したという。現在、キャッシュレス決済22%がWeChat Payで、「その影響力に驚かされました」と、石屋商事 営業推進室 係長 佐藤健輔氏は話す。

同社では、WeChat Pay決済を利用した人に、公式アカウントを自動で案内。今後、クリスマスや新年でのキャッシュバックキャンペーン、春節のシーズンなどでの利用増に期待している。また、オリジナル缶の受付コーナーにおいて、WeChatで写真を送付することができており、メールに比べ時間の短縮につながったそうだ。

オリジナル缶を手にする石屋商事 営業推進室 係長 佐藤健輔氏

石屋製菓のWeChat公式アカウントの登録者はすでに9,000人を超えており、2018年4月までに3万人を目標としている。さらに、音声案内の充実を図ったり、施設内でもWeChat Payを使える箇所を増やしていく考えだ。

日本での加盟店や売上に関しても順調な伸びを示す
交通方面や公共施設でもWeChat Payを展開を目指す

現在、WeChatのアクティブユーザーは9.8億、WeChat Payは8億人を超えている。また、WeChat Payは、世界25カ国、地域で利用可能。テンセント 微信支付事業部 アジア運営部長 鄭紅敏(テイ コウビン)氏は、「日本でも急速な発展を遂げており、WeChat Pay下期の一日の決済額のピークは、上期ピークの60倍となっています」と成果を口にする。日本に観光に来ている観光客は、コミュニケーションツールや決済ツールとして、習慣的に使うケースが多いそうだ。日本企業は、WeChat Payを導入することで、運営効率と売り上げを高めることが可能であるとした。

同社の強みとして、クーポン、広告、キャンペーン、ソーシャル、データシェア、会員、クーポンの6つのサイクルを効率よく回すことで、中国人観光客を取り込めることだとした。たとえば、海外旅行情報のミニプログラムと加盟店公式アカウントでは、ユーザーがクーポン券を受け取って登録すると、WeChat Pay決済利用時に自動適用される。また、広告では、日本に到着した中国人観光客にモーメンツ広告を表示したり、広告ページから直接店舗のクーポン券を受け取ることが可能だ。さらに、為替レートが10%程低くなっており、豊富なキャンペーン活動を提供しているため、お得に買い物ができるとした。

6つの機能が売りとなる

日本企業として、マツモトキヨシのWeChatアカウントでは、キャンペーン、割引、クーポン情報を提供している。また、ドン・キホーテは日本の旗艦店となっているが、同社ではWeChat Payを通して越境ECを実現。中国人観光客が帰国後も接点を持つことに成功しているという。

中国のスターバックスやドン・キホーテでの活用を紹介

日本での加盟店や売上に関しても順調な伸びを示しているそうだ。2017年1月と比較して、当時の加盟店の20倍増加し、また、その増加率は30倍となっている。また、2017年1月と比較して、下期の1日の決済額のピークは60倍に増加した。

今後の目標としては、中国人観光客がよく使用する店舗を中心に加盟店を開拓していきたいという。WeChat Pay 国際ビジネス総責任者 殷潔(イン・ケツ)氏は、「交通方面や公共施設でも積極的にWeChat Payを展開していきたい」と意気込みを語った。

WeChat Pay 国際ビジネス総責任者 殷潔氏

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