2017年12月20日8:30
遠東グループのDing Ding Integrated Marketing Service Co., Ltd.(DDIM、鼎鼎聯合行銷股份有限公司)では、台湾で共通ポイントサービス「HAPPY GO」を提供している。同社では日本最大級の共通ポイントプログラム「Tポイント」と連携し、訪日台湾人向けのサービスも強化している。
台湾の2人に1人が保有するポイントサービスを展開
共通ポイントとして2016年は54%のシェア
DDIMは、台湾国内において、台湾で最大級の共通ポイントサービス「HAPPY GO」を提供している。マーケティング&セールス ヘッド・オブ・プロダクト Martin Yang氏は、「台湾でHAPPY GOの発行枚数は1,400万枚を超え、2人に1人が保有しています」と説明する。
提携先は現在、台湾が2万箇所、中国で3,000、日本が63万あるという。台湾では、デパート、コンビニエンスストア、旅行、金融(銀行)、映画館、交通、駐車場、インターネットサイトなど、幅広いシーンで利用可能だ。たとえば、太平洋SOGOデパートや遠東デパートといったグループ店舗に加え、台湾のファミリーマート、日本のダイソーなどとも提携している。
現在、会員のうち57%が女性で、男性は43%。デパートのカードをベースにスタートしたため、当初は女性比率が高かったが、近年は車のパーツ販売やガソリンスタンドなど、男性の支持の高い提携先も増えている。地域としては、台湾で最も人口構成比の高い、北部の利用者が54%を占める。また、会員の年齢は31~40歳が30%、40代が23%となっている。
昨今では、台湾において他の共通ポイント事業との競争も激しくなっているが、「共通ポイントにおける2014年の弊社のシェアは51.8%でしたが、2016年は54%を占めています」と話す。
カードに加え、モバイルでのサービスを強化
ポイントから得られたデータをマーケティングに活用
同サービスの登録においては、日本でいうマイナンバーにあたる、台湾の身分証明書(中華民国国民身分証)番号が必要となる。発行カードのうち、8割以上が実際に稼働しており、消費者のニーズに応えられている実感はあるとしている。また、発行されたポイントは9割以上が使用されているそうだ。消費者が貯めたポイントは、消費に加え、寄付としても使用されている。
カード関しては、プロパーカードや提携先が発行するカードに加え、遠東銀行、遠東商銀など、4つの銀行と連携してクレジットカードにHAPPY GOの機能を搭載している。また、コンタクトレスICカードベースの電子マネー「Happy Cash有銭カード」、カードレスで買い物が可能なアプリなどを提供している。ポイントは、バーコード、クレジットカード、ICカードなどで貯めることが可能だ。今後の予定として、台湾ではモバイルを活用した決済やカードサービスを提供するトレンドがあるため、その対応を強化していきたいとした。
DDIMでは、ポイントカードから得られたデータをベースにマーケティング活動を展開。マーケティング&セールス Lisa Chen氏は、「HAPPY GOのデータから消費者の性別や年齢、日常の消費習慣を把握でき、分析が可能です」と話す。また、関係するメディア、53万のファンを有するFacebookなどのSNS、アプリなどを有効活用している。例えば、Facebook、Google、YouTube経由で、さらに深い消費者の習慣が把握可能だ。さらに、イベントを定期的に行い、利用者とより深い関係を構築している。
「HAPPY GO Tカード」を発行して日本のTポイント提携先で利用可能
訪日旅行者向けサービスとして、利用の伸びに期待
日本企業との連携では、デジタルガレージと2015年9月に提携し、同10月から台湾からの訪日客に、ビックカメラ、大丸や松坂屋などでの買い物に応じてHAPPY GOの特典ポイントを提供するサービスを行っている。
そして、2016年10月にカルチュア・コンビニエンス・クラブと締結した基本合意を受け、2017年6月8日から、訪日台湾人向けにTポイントサービスの提供を開始している。台湾国内の太平洋SOGO百貨店、遠東百貨店やThe Mallなど百貨店等で配布する「HAPPY GO Tカード」を、日本国内のTポイント提携先で提示すると、買い物金額に応じてTポイントを貯めることが可能だ。利用者は、Tポイントを10ポイント貯めると、HAPPY GOの6ポイントとして利用できる。「HAPPY GO Tカード」は日本の提携先で利用できるように、磁気ストライプが搭載されている。
また、日本に行く前にWi-Fiを借りたり、ホテルを予約したり、飛行機のチケットを予約するといった用途でも利用可能だ。
なお、今回のサービスではTポイントからHAPPY GOのポイントに変換した際に10%の手数料が発生するが、それを両社で折半する形となっている。現在は、日本のTカードの主流のサービスがカードであるため、「HAPPY GO Tカード」を発行する形となっているが、Tポイントでもアプリのサービスを開始しており、将来的には検討していきたいとしている。
まだサービス開始から間もないが、Tカードを使って消費した金額は月に何百万元という記録があり、さらに伸ばしていけると期待している。Martin Yang氏は、「日本市場は、台湾から年間300~400万人が訪れていますので、Tポイントとの連携は期待しています。HAPPY GOは、台湾の2人に1人が保有しており、400万人のうち200~250万が持っていると考えると、ベースとしてはかなり強く、発展していけると感じています」と笑顔を見せた。