2018年1月12日8:41
Feitian Technologies Co., Ltd.(中国北京飛天誠信科技有限公司)は、USBキーやワンタイムパスワードなどのセキュリティ製品、セキュリティソリューションに加え、日本の決済端末会社やインターネット企業に対し、スマートフォンと接続する決済端末や電子マネーリーダーを提供している。同社の決済端末ビジネスについて、シニア・テクノロジー・エキスパートの李中华(Li Zhonghua)氏に話を聞いた。
日本の3社にスマホと接続可能なmPOSや電子マネー端末を提供
――貴社では日本の決済端末企業やインターネット系企業にモバイルPOSを提供していますね?
李中华:日本のそれぞれのお客様にカスタム化して提供しています。現在は3社に注力して提供していますが、他の会社からも引き合いはいただいています。日本のお客様は独自の仕様や厳しい品質を求められます。弊社では、お客様とコミュニケーションを図り、ニーズに応えるように努めています。
--端末を提供する上での強みについてお聞かせください。
李中华:1つは、PCI、EMV接触/非接触などの規格に関する経験が豊富であり、他社よりも経験を積んでいます。また、カスタマイズするポテンシャルも非常に高く、お客様からのさまざまな要求に応えることが可能です。短期間でニーズやリクワイアメント(要求事項)に対応できるのは強みです。
FeliCaに加えEMVコンタクトレスへの要望が増える
――たとえば、電子マネー端末は、日本で主流の規格「FeliCa」にも対応する必要がありますね。
李中华:日本に総代理店の飛天ジャパンがありますので、コミュニケーションを図っています。お客様への対応として、最初のフェーズでは飛天ジャパンが対応しますが、早期の開発が必要な場合、直接やり取りを行います。その際、翻訳などを飛天ジャパンに協力してもらうケースもあります。
――近年、日本のお客様から多く受ける要望についてはいかがでしょうか?
李中华:POSとタブレットがあり、タブレットのアプリケーションを統合させる要求があります。また、日本で多く取引されているFeliCaに加え、Mastecardコンタクトレス(旧PayPass)、Visa PayWave、J/Speedy、D-PAS等のEMVコンタクトレスへの対応を求める声が多くなっています。
日本向けの開発がmPOSビジネスの5割を占める
――クレジットカードデータを読み取った瞬間に暗号化して転送するセキュリティ要件「SRED」や二拠点間の暗号化方式「P2PE(Point-to-Point Encryption)」の要望はありますか。また、中国のモバイル決済「Alipay」や「WeChat Pay」への要望は増えていますか?
李中华:SREDは、お客様の要望で対応している機種と、対応していない機種があります。また、AlipayやWeChat Payに関しては、現在お客様からの要望は多くありません。
――最後に、今後の展開についてお聞かせください。
李中华:日本は、50%の開発を占めていますので、今後も強化していきます。日本向けの投資をどんどん増やしていきたいです。また、mPOSに加え、スマートPOSを日本向けに開発していきたいと考えています。
取材は2017年11月28日~11月30日までフランス・カンヌで開催された「TRUSTECH(トラステック)2017」において。