ネスレ日本、浅草にロボットがコーヒーを提供、お土産品をAlipay決済できるカフェをオープン

2018年2月9日8:52

ネスレ日本は、旧暦の正月にあたる春節にあわせ、2018年2月9日から25日までの期間限定、訪日する中国人観光客に向けた「ネスカフェ 和もてなし 無人カフェ」を東京都台東区浅草の「まるごとにっぽん」3階にオープンした。“メイドインジャパン ネスカフェ”で訪日中国人観光客をおもてなしするため、“ロボティクス”と“電子決済”に着目したそうだ。

中央がネスレ日本 飲料事業本部 レギュラーソリュブルコーヒービジネス部 部長 島川 基氏。右がアントフィナンシャル ジャパン マーケティング部 部長 ヘレン シュン氏、左がOrigami マーケティングディレクター 古見幸生氏

“メイドインジャパン ネスカフェ”で訪日中国人観光客をおもてなし

ネスレ日本が「ネスカフェ 和もてなし 無人カフェ」をオープンした背景として、“メイドインジャパン ネスカフェ”で訪日中国人観光客を“おもてなし”したいという思いがあったそうだ。近年、“メイドインジャパン キットカット“は世界で人気がある。また、コーヒーの中国への輸入量は、97年を100とした際、ここ20年で10倍以上増えている(日本は1.3倍)。日本でも過去に同じような道をたどっており、1960年にネスカフェを発売してから家庭で飲む文化が定着したという。現状、中国国民1人当たりのコーヒーの消費量は低いが、急速に飲用習慣は拡大している。

ネスカフェは、プロフェッショナルな人々が認める「レギュラーソリュブルコーヒー」を売りとしている。ネスカフェ提供店では、日本が誇る和・洋・中のシェフの協力を得て、各シェフが手作りで作った料理を締めくくるコーヒーとして選んで提供してもらっている。「ネスカフェ 和もてなし 無人カフェ」では、「ネスカフェ ゴールドブレンド」や「ネスカフェ 香味焙煎」などのネスカフェを試飲してもらう。

“ロボティクス”と“電子決済”に注目

近年、流通店舗では、人手不足や、訪日外国人観光客への接客対応などの課題がある。そのため、「“ロボティクス”と“電子決済”に注目しました」と、ネスレ日本 飲料事業本部 レギュラーソリュブルコーヒービジネス部 部長 島川 基氏は話す。ネスレジャパンでは、ソフトバンクロボティクスおよび川崎重工の協力を得て、2017年11月16日~26日までの期間限定で「ネスカフェ・Pepper・duAro おもてなし無人カフェ」を「ネスカフェ 原宿」に導入。2週間の期間中、1,000杯以上の接客を行った。

今回の取り組みでは、まずネスレの IoT 対応コーヒーマシン「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ 50[Fifty]」、ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper」などが連携し、注文の受付、コーヒーの提供を無人で行う。「バリスタ 50[Fifty]」や「Pepper」などのロボットが連携し、顧客のコーヒーの好みに応じて注文を受け付け、無人で提供する。

「バリスタ 50[Fifty]」や「Pepper」などのロボットが連携

『拜年(バイネン)』になぞらえたポーズをする 「Pepper」

また、中国で新年をお祝いする際の風習『拜年(バイネン)』になぞらえたポーズをする 「Pepper」との写真撮影や、春節をお祝いする景品があたるくじ引きのサービスを提供する。さらに、ネスカフェ製品をお土産として購入する際、「Pepper」に導入された「Alipay(アリペイ)」決済サービスを通じて、 商品の選択や料金の支払いを、無人かつキャッシュレスで行う。

春節のお祝い風習[拜年]と連動した写真撮影
「Pepper」に導入されたAlipay決済について説明

カフェでは、「ネスカフェ 香味焙煎」と「和」のスイーツをセットにした期間限定メニューも販売。これらの取り組みにより、「日本なりのおもてなしをお楽しみいただきたいです」と島川氏は話す。

Alipay加盟店はここ1年で倍増、浅草では店舗掲示型QRコード決済もスタート

会見では、アントフィナンシャル ジャパン マーケティング部 部長 ヘレン シュン氏も登壇。現在、Alipayのアクティブユーザー数は 5.2 億人を超え、中国国内で 1,000 万店舗以上の加盟店で利用可能だ。また、国際的にも36カ国でサービスを展開。2017年は1月にコンビニエンスストアのローソンで導入。この1年で、2017年初頭の加盟店舗数2万2,000店舗から加盟店は約4万店と倍増した。

直近では、ゼンショーホールディングス傘下の牛丼チェーン「すき家」、回転寿司チェーン「はま寿司」、和食専門レストランチェーン「華屋与兵衛」が2018年1月31日から、決済可能店舗を計36店舗から計2,567店舗へと拡大している。

日本での加盟店開拓状況を説明

浅草エリアでは、観光人力車などが店舗掲示型QRコードによるAlipay決済を国内が国内で初めて導入した地域だ。これまでは、中国人観光客がスマートフォンなどの端末に支払い用のQRコードを表示し、それを加盟店スタッフがカメラ付きタブレットやPOSレジのスキャナでスキャンし、決済する方式だったが、店舗掲示型QRコードの読み取りでは、店舗のQRコードを消費者自身が読み取る方式だ。

Alipayでは、2018年2月6日~15日まで、「春節AR福引きキャンペーン」を実施。利用者は、QRコードの福をスキャンすると、割引やクーポン券、お年玉がもらえる取り組みとなっている。

なお、スマートフォン決済サービスを提供するOrigamiでは、「レジ for Pepper」へOrigamiが提供するスマートフォン決済サービス「Origami Pay」を搭載し、提供している。Origami マーケティングディレクター 古見幸生氏は、「注文や支払いまでワンストップで実現できます」とした。Origami加盟店は、追加の申請により「レジ for Pepper」が利用できる。

OrigamiではAlipayの国内における代理店となっているため、「レジ for Pepper」でAlipayも利用可能だ。Origamiによると、「レジ for Pepper」は、2017年12月11日から12月24日までの間、カルビープラス原宿竹下通り店において、期間限定で活用された。

 

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