2018年6月4日8:00
西部タクシー、浜松交通、浜松日本タクシー、光タクシー、Delight(ミナミタクシー)の静岡県浜松市内のタクシー会社5社と、楽天は、2018年6月1日に浜松商工会議所で記者説明会を開催し、6月4日から浜松市内のタクシー242台で「楽天ペイ(アプリ決済)」(以下、楽天ペイ)が利用可能になると発表した。
車内備え付けのQRコードをスマホで読み取って決済
「楽天スーパーポイント」を貯めたり、使ったりできる
現在、浜松市内の主要タクシー会社は8社あるが、そのうち約3割に当たる5社が一斉に楽天ペイのプリント型QRコード決済を導入した。
タクシー利用者は、提携タクシーで会計時に、車内備え付けのQRコードをスマートフォンで読み取った後、乗車の提示金額を入力し、確認画面でスライドすることで決済を行うことが可能だ。サインや暗証番号の入力などは必要なく、決済から降車までの時間を短縮することができる。
また、支払時に、楽天のポイントプログラム「楽天スーパーポイント」を貯めたり、支払いに使ったりすることができる。さらに、支払い元となるクレジットカードを「楽天カード」に設定すると、「楽天ペイ(アプリ決済)」(200円につき1ポイント)と「楽天カード」(100円につき1ポイント)のそれぞれのポイントを貯めることが可能だ。
プリント型QRコードはタクシー業態に適している
タクシーはメディアとしての価値も高い
タクシー会社5社では、常日頃から情報共有をするなかで、楽天ペイの導入を決定。たとえば、楽天ペイを導入した1社では、これまで現金、クレジットカード、タクシーチケットなどを導入してきたが、クレジットカード決済比率は10%弱となり、現金決済が主流となっている。ミナミタクシー(Delight) 社長 袴田 武氏は、「日本人の8割の人が保有するスマートフォンにより、財布やクレジットカードを持たずに決済できることで、利便性向上に少しでも役立てられたらと考えています」と話す。
楽天ペイには、店舗のタブレット端末に表示されるQRコードをスマホアプリで読み取ることで支払いができるサービスに加え、加盟店ごとに決まったプリント型QRコードを設置して、決済ができる2つの方式がある。今回、東海4県下のタクシーにプリント型QRコード決済が導入されるのは初めてとなったが、「プリント型QRコードはタクシー業態に適している」と楽天 執行役員 小林重信氏は説明する。プリント型QRコードでは、タブレットの設置などの投資コストを抑えて、迅速に導入が可能だ。
6月1日からは、奈良近鉄タクシーと提携し、奈良県内の車両309台で利用がスタート。小林氏によると、タクシーは移動手段として大切なインフラであるとともに、街中で人々が目にする機会も多く、「メディアとしての価値を提供しており、コンビニエンスストア以上に目に触れる媒体になりえます」と話す。
楽天ペイの他のQR・バーコード支払いとの差別化ポイントは?
eコマースの経験をリアルに持ち込める点が強み
インテージの調査によると、楽天ペイは国内のQRコード決済(コード決済)として、利用/満足度ともに№1になっているという。コンビニエンスストアのローソンをはじめ、飲食、美容関連、アパレルなどで利用されてきたが、タクシーは有望な分野として営業を強化している。現状の加盟店数は非公表だが、大手から中小まで幅広くカバーし、導入も加速しているそうだ。
ここ1~2年、国内でもさまざまなQR・バーコード支払いが登場しているが、楽天市場など、グループのEC基盤、年間2,000億分のポイントを発行している楽天スーパーポイントなど、「eコマースの経験をリアルに持ち込める点が強みとなります」と小林氏は自信を見せる。また、楽天などのさまざまな媒体を利用して、加盟店への送客が可能だ。
楽天では、加盟店の開拓に力を入れるとともに、売上に結びつく仕組みとして楽天ペイを提供していきたいとした。