2018年7月3日8:44
ソフトバンクは、世界各地で展開されているホテル設置型のスマートフォンレンタルサービス事業「handy」の日本事業統括会社であるhandy Japan Holdings Company Limited(本社:英領バージン諸島)およびその事業子会社であるhandy Japanと資本・業務提携契約を締結し、日本国内の「handy」事業のさらなる拡大に向けて協業すると発表した。
「handy」は、インターネット接続や国内外への通話、多言語による周辺の観光案内などの機能を搭載したスマートフォンをホテルに設置し、宿泊者向けに無料で提供するサービスとなる。日本では2017年7月から提供されており、2018年度中に国内の全ホテルの約30%に当たる約1,700のホテル(約24万室)への導入が予定されている。また、世界では82カ国・地域の約4,000のホテル(約65万室)に採用されている。
昨今の訪日外国人旅行者の増加に伴い、ホテルをはじめとする宿泊業界は、多言語による観光案内や通信インフラの整備にとどまらず、多様な旅行者ニーズへの迅速な対応が求められている。handy Japanは、ホテルで無料で使えるスマートフォンを全国で展開している。一方、ソフトバンクは、通信サービスやビッグデータの活用を支えるIoTプラットフォームの構築、広告効果の高いデジタルマーケティングなどさまざまなサービスを通じて、事業のデジタルトランスフォーメーションを推進している。
今回の提携により、ソフトバンクとhandy Japanは、両社の事業資源を相互に活用し、宿泊事業者と宿泊者の相方のニーズに合った新たな宿泊体験を実現できるサービスの開発やメディアの拡充などへ取り組むことで「handy」事業の発展を目指す。また、ソフトバンクは自社の顧客基盤と販売チャネルを生かし、販売代理店としても、「handy」の事業拡大を推進していく。
具体的な取り組みとして、「handy」のスマートフォンと既存のホテルシステムであるPMS(Property Management System:客室管理システム)を連携させて、スマートロック、無人チェックアウト、精算業務の自動化などを実現させる。これにより、宿泊者は部屋でのチェックアウト手続きが可能になるため、精算時の待ち時間がなくなり、フロントの行列も解消される。また、「handy」のスマートフォンにルームキーの機能を搭載することで、ホテルでの鍵の紛失や再発行、民泊での鍵の受け渡しといった、鍵の管理に関する運用業務の負担が削減される。
また、宅配、配車サービスとの連携や、決済サービスの拡充を図ります。宿泊者は、「handy」のスマートフォンを通して、部屋からいつでも必要なオーダーができ、すべての支払いは宿泊料金との一括精算が可能になる。「handy」のスマートフォンによって、宿泊者の幅広いニーズに応えるとともに利便性向上を図る充実したサービスを提供し、宿泊者のさらなる満足度向上を支援する。
さらに、VR(Virtual reality)コンテンツを配信するプラットフォームを構築し、VRゴーグルと組み合わせた「handy」のスマートフォン向けに、スポーツ観戦、アニメ、ホテル施設案内、その他オプショナルツアーをバーチャルに体験できるコンテンツなどを配信する。また、VoD(Video On Demand)コンテンツも提供し、宿泊客の利便性向上および新しい宿泊体験を実現させる。また、ソフトバンクのIoTプラットフォームに蓄積されたビッグデータと「handy」のスマートフォンから取得可能なデータを分析し、利用者が利用するhandyのスマートフォンへ、多言語による宿泊施設内の案内、提携店舗のクーポン、地域観光や防災などの情報提供が可能になる。