2010年10月26日8:00
「ポイントサービスの現在」~「丸の内カード」(2)
会員限定のプレセールを実施
セミナーやイベントへの招待も
会員はポイントカードの場合、買い上げ金額100円(税込)につき1ポイントが付与される。貯まったポイントは1,000ポイントごとに「丸の内お買物券」1,000円分と交換可能だ。ポイントの積立期間は入会月を含む1年間で、その後3カ月を過ぎたポイントは無効となる。
また、丸の内、大手町、有楽町をカバーする19カ所約4,000台の駐車場「丸の内パークイン」が最初の1時間無料になるサービスも付帯している。さらに、提携ショップや施設で割引を受けることもできる。ほかにも会員限定プレセールへの招待、店舗から期間限定特典サービス、会員限定セミナー・イベントへの招待などの特典が受けられる。
ポイントを処理するシステムは東芝テックの「IP-3100」を採用。同端末はポイントの付与だけではなく、売上金の報告、クレジット決済に1台で対応している。
平均の稼働会員は39.5歳
月の来店回数は約2回
三菱地所ビルマネジメントでは現在、丸の内カードのマーケティング活用に力を入れている。10年3月末の会員の平均データをみると、稼働会員は39.5歳で、来店は月2回、購買金額は年間12万円となっている。また、女性の利用が全会員売上の76%を占めた。
「丸の内のエリアは住人がおりません。丸の内カードを保有するワーカーの50%以上は千代田区に勤務していることからも、丸の内のワーカーに支えられているカードだということがよくわかります」(井上氏)
商業施設全体としては、リーマンショック以降、売上が低下した時期もあったが、そんななか、「会員の利用が増え、囲い込み施策が形に表れてきたことにより、売上を底支えできています」と井上氏は自信を見せる。
現金会員とクレジット会員の利用比率は出していないが、「高額利用をなさる方にはクレジットカード会員の割合が多いようです。ポイントカードの場合は100円で1ポイントの付与ですが、『丸の内カードDC』でのお支払いいただければ、丸の内ポイントと丸の内カードDCポイントを合算し、最大3%の還元が受けられる特典があるため、入会カウンターなどで積極的にお勧めしています」(井上氏)
同社にとっても優良会員の売り上げに対する貢献度は高く、上位25%の会員で会員売上の70%の売り上げを占めているという。
「お弁当の購入でポイントを付けるなど、毎日のように使用される会員も多く、今後は購買単価を如何に上げるか、また如何に物販を購入いただけるかが課題として挙げられます」(井上氏)
現在、ダイレクトメールの配信を希望する会員は約9万人。丸の内カードの購買データを利用すれば、いつ、誰が、どの店舗で買い物をしたのかが閲覧できるため、「例えば近隣の飲食店には来店しているが、当該店舗を利用されていない会員に対してDMを配信するなどの支援を行っています。また、購買データから高額利用者上位100名をセグメントすることも可能です」と井上氏は説明する。