Tポイントを使って簡易に株が買えるサービス「ネオモバ」を開始、若年層の利用拡大を目指す(SBIネオモバイル証券)

2019年4月11日8:00

SBI証券とCCCマーケティングとの合弁会社であるSBIネオモバイル証券は、2019年4月10日に記者説明会を開催し、Tポイントを使って株が買えるサービス「ネオモバ」を開始すると発表した。まずは50万口座、月間1億ポイントの利用を目指すという。

左からSBI証券ネオモバイル証券 取締役 伊達哲氏、代表取締役社長 小川裕之氏、ゲストの高橋真麻さん、SBI証券 代表取締役社長 髙村正人氏、CCCマーケティング 代表取締役社長 北村和彦氏

若年層、初心者層に特化したサービスを意識
SBIグループ、取引先へのTポイント提案も視野に

SBI証券は、現在450万口座、ネット証券として20年間で口座数を積み上げている。加えて、個人株式における売買代金シェアは36.3%と漸増傾向だ。しかしながら、20代は7%の比率となり、年代が高まる傾向にあるため、さらに顧客基盤を伸ばす目的でCCCマーケティングとの提携に踏み切った。SBI証券では、資産形成層にフルラインナップを揃えているが、新たに展開する「ネオモバ」では若年層、初心者層に特化したサービスを行う。あえてセカンドブランドとして立ち上げることで、幅広い利用者をマルチブランドで取り込むそうだ。投資初心者層がネオモバを体験をしてもらい投資の魅力を知り、将来的にはSBI証券に口座を開いてもらいたいとしている。

SBI証券 代表取締役社長 髙村正人氏は、ネオモバのサービスを皮切りに、SBI証券とTポイントの経済圏の拡大も見据える。SBIグループは2,400万のユーザーを抱えており、グループ内でのTポイント導入、その先には取引先・出資先への導入の提案といったように、アライアンスを強化する考えだ。

Tポイントは2019年2月末現在、直近1年間にTカードを利用したアクティブな会員、かつTカードを複数枚持つ人は1人として重複を除いたユニークな会員数として日本人口の54.4%となる年間6,888万人が利用している。CCCマーケティング 代表取締役社長 北村和彦氏は、T会員の73%が1カ月に1回以上利用しており、20~40代の人口の8割が会員となっているとした。Tカードは、共通ポイント機能に加え、クレジットカード、チェックイン、キャラクターカード、図書館の会員証、電子マネー、ファンクラブカード、モバイルTカードと活用を広げてきたが、今回“ポイント投資”が新たに加わった。

月額200円(税抜)で何度でも取引可能
ロボアドバイザー「WealthNavi for ネオモバ」を提供

続いて、SBI証券ネオモバイル証券 代表取締役社長 小川裕之氏がサービスを紹介。ネオモバは、Tポイントを使って、1ポイント=1円相当で国内株式の購入が可能だ。また、国内株式は通常100株単位で取引されるが、「ネオモバ」では1株単位で購入できる。同サービスでは、若年層などに投資に慣れ親しんでもらうため、サブスクリプションモデルを採用。従来の株式取引では、1回の取引ごと手数料がかかることが一般的だったが、「ネオモバ」では月間の売買代金50万円まで、月額200円(税抜)で何度でも取引できるようにした。また、毎月の期間固定Tポイント200ポイントの付与に加え、サービス利用料100円(税抜)につきTポイント1ポイントを付与する。

さらに、ロボアドバイザー「WealthNavi」を同社の利用者向けにカスタマイズした「WealthNavi for ネオモバ」を提供する。これにより、リスク許容度を計る6つの質問に答えるだけで、利用者に合った資産の組み合わせ(ポートフォリオ)が判別される。WealthNavi for ネオモバ」は、ロボアドバイザー「WealthNavi」として初めて最低投資金額を1万円に設定。自動積立も5,000円から設定可能で、「ネオモバ」のターゲットである若年層・投資初心者にも始めやすい金額設定を意識した。

口座にはクレジットカードの登録が求められ、月額200円の支払いに利用される。また、住信SBIネット銀行などから証券口座に入金し、取引を行うことも可能だ。


高橋真麻さんの注文のデモ。ネオモバでは、若年層や初心者に優しい3ステップの注文であることも特徴として挙げた

会見同日にファミマがマルチポイント化を発表、複数社の脱退も話題に
Tポイントのビジネスへの大きな影響は?

なお、Tポイントは共通ポイント市場をリードしている存在であることは間違いないが、最近ではスポーツ用品店、カフェチェーンなどがサービスを終了し、ファミリーマートはマルチポイントを導入する予定だ。各種報道では、Tポイント脱退に関する報道が過熱しているが、ビジネスに大きな影響は出ているのだろうか? 同質問に対しTポイント・ジャパンの広報は、アクティブユーザーや利用は継続して伸びており、提携社も187社100万店規模となっているため、2019年11月のファミリーマートのマルチポイントがスタートしても、ビジネスを圧迫するほど、「大きな影響がでるとはみていない」とした。

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