2019年6月12日8:00
すぐに働けて、すぐにお金が手にできるワークシェアアプリ「Taimee(タイミー)」を提供するタイミーと、セブン銀行は、2019年6月11日に記者説明会を開催し、リアルタイム振込サービスで業務提携を行うと発表した。
働ける時間を有効に使える「Taimee」
セブン銀行との連携によりリアルタイムで振込の電文がAPI連携
タイミーは、2017年8月設立のベンチャー企業だ。代表の小川 嶺氏は、立教大学4年生の学生起業家で、学生などユーザー目線のプロダクト開発、時間を有効に利用できるサービス開発を目指している。タイミーでは、「一人一人の時間を豊かにする」というビジョンのもと、面接応募なしで直感的な操作で利用可能なワークシェアリングサービスを提供している。日本では人手不足が課題となっているが、時間とテクノロジーを軸に、働き方の多様化の促進と人手不足解決を目指す。
タイミーの株主には、クレジットカード会社のオリエントコーポレーションをはじめ、サーバーエージェント藤田ファンド、エン・ジャパンなどが名を連ねる。また、今回提携したセブン銀行も出資している。
小川氏は、Taimeeを「バイト版ウーバー」と表現。すぐ働けて、すぐお金が手にできる単発バイトサービスとなる。応募・面接が一切なく、アプリで即仕事が確定し、スマートフォン1つで、すぐに働けて、その日に働いた分のお金が手にできるのが特徴となる。企業や雇用主は時間や時給などの労働条件を提示することで、ワーカーはこれまで可視化されなかった「働ける時間」を有効に使うことが可能だ。
アプリではマップ上で働きたい仕事を数時間単位で選択し、最短1時間から働くことができる。契約に進むボタンを選択すると、契約書が表示され、電子契約で雇用契約を締結し、すぐに働くことが可能だ。仕事の現地では、QRコードを表示して店舗内で出勤、退勤のチェックを実施。退勤後は、店舗が承認するとすぐに振込処理が行われる。
今回のセブン銀行との連携により、原則24時間/365日いつでも給与の即時払いが可能なオプションを利用できるようになった。具体的には、ワーカーがタイミーのQRコードで退勤後申請し、飲食店が就業の確認をすると、その日働いた報酬がプールされ、振込できる予約状態になる。アルバイトがアプリで申請すると、リアルタイムで振込の電文がAPI(アプリケーション・プログラム・インターフェース)に連携され、他の銀行やセブン銀行の口座に24時間365日で振込ができる状態となる。
大手14社がTaimeeを一斉導入
店舗支援のコンサル実施
今回のセブン銀行との提携を機に、串カツ田中やダイナックなど、大手14社がTaimeeを一斉導入。潜在店舗数は3,000店舗となった。
Taimeeでは、相互評価の仕組みを採用しており、ワーカー、店舗双方のレビューが可能だ。現在は、店舗の評価が高まると自給がアップする仕組みも構築中だという。店舗もレビューされるため、店舗の評価が可視化され、ブラックバイトを把握でき、ワーカーも安心して働くことができるとした。
Taimeeでは1万人以上が働いた実績がある。すでに業務をマニュアル化して、ワーカーが戦略として働きやすくするなど、店舗支援のコンサルティングサービスも展開している。
タイミーでは、従来250円かかっていた報酬引き出しの手数料を3カ月無料とする取り組みも実施している。小川氏は、「社内では永久無料として検討しており、3カ月の様子を見て、本格的に実施していきたいです」とした。これが実現することで、「真の報酬の自由化ができます」と意気込む。
Taimeeが作りたい世界観は、3~4店舗のお気に入りの職場を掛け持ちで働く世界だという。店舗ではリピート機能により、単発ではなく、定期的に働いてもらえる仕組みが可能だとした。また、ワーカーにとっても、従来はシフトを組む必要があったが、オファーがきて自由な働き方ができる。
4つの新規事業を準備
事前の給与受取、プリペイドカードも視野に
タイミーではすでに新規事業を4つ準備している。8万人が利用するアプリのデータ、3,000店舗の潜在店舗があるが、これらのデータを用いて、バイトで頑張っている人に就職活動が有利になる仕組みを作るイベントの実施、ワークシェアの仕組みを商業施設に導入する仕組みなどを提供していきたい考えだ。
決済関係では、セブン銀行と連携した振り込み機能に加え、「今後はPayPayやSuicaと連動して、すぐに使える動きを作っていきたいです」と小川氏は構想を述べる。また、将来的には、予約したバイトで働く前に報酬を手にできる仕組みも構築していきたいとした。株主のオリエントコーポレーションとは、プリペイドカードの展開を進めているそうだ。