阪急阪神百貨店がWeChat Payスマート旗艦百貨店に テーブルオーダー、店内案内、化粧品受取などを展開

2019年7月17日8:50

エイチ・ツー・オー リテイリンググループの阪急阪神百貨店と、テンセント・ホールディングス・リミテッド(騰訊控股有限公司)は、2019年7月16日、モバイル決済サービス「WeChat Pay(微信支付:ウィーチャットペイ)」が、阪急阪神百貨店の各店に全面導入されると発表した。また、阪急うめだ本店および阪神梅田本店が中国国外で初のWeChat Payスマート旗艦百貨店となった。

中央で握手する阪急阪神百貨店 代表取締役社長 荒木直也氏(左)とテンセント・ホールディングス・リミテッド WeChat Pay 副総裁 李培库(フリーダム・リー)氏(右)。左端がインタセクト・コミュニケーションズ 代表取締役社長 譚玉峰氏、左から2人目が阪急阪神百貨店 取締役専務執行役員 原正紀氏、右から2人目がテンセント・ホールディングス・リミテッド WeChat Pay シニアディレクター ディープ・ファン氏 、右端がテンセント・ホールディングス・リミテッド WeChat Pay シニアオペレーションマネージャー セセ・ワン氏

「レストラン QRコードオーダー」でテーブル注文が可能に
海外VIP顧客クラブの会員カード発行

阪急阪神百貨店は、全国14店舗を運営している。阪急うめだ本店は1929年創業、2012年に全店建て替え工事を完了して、「劇場型百貨店」としてスタートを切っている。また、もう1つの旗艦店である阪神梅田本店は、「毎日が幸せになる百貨店」を目指して建て替え工事中で、2018年6月に第一期棟が先行オープンしている。さらに、両百貨店に加え、東京(有楽町)や福岡(博多)なども外国人に人気の高い百貨店だ。

阪急うめだ本店の全海外顧客の免税売り上げは年310億円、免税件数は年40万人となっており、12%が免税売り上げとなっている。阪急阪神百貨店 代表取締役社長 荒木直也氏は、「その中でも全体の8割が中国からのお客様で、そのお客様に快適で便利、スマートなサービスを提供することが重要なテーマです」と話す。

コミュニケーションアプリ「WeChat(微信:ウィーチャット)」は中国で11億人が利用しており、WeChat Payは8億人以上の月間アクティブユーザー数を誇るモバイル決済サービスだ。荒木氏は、「まさにWeChatは中国のインフラ、コミュニケーションツール、エンターテイメントの手段となっており、かねてより戦略的な取り組みを進めてきました」と話す。

阪急阪神百貨店では、2017年からWeChat Payのテストを順次開始し、2018年9月から9店舗で導入している。また、主要4店舗ではWeChatの公式アカウントを開設し、3万5,000人のフォロワーを有している。2019年1月からは、日本で初めてタックスリファンド(TAX REFUND)の仕組みも導入した。

WeChat Payを活用した取り組みとしては2018年に、店員を介さずに注文できる「レストラン QRコードオーダー」、2019年には、AI(人工知能)を活用した「店内案内」、海外VIP顧客クラブの会員カードの「電子会員化」などを進めてきた。

荒木氏は、「ここで得たビッグデータを基に新たなマーケティング活動を行い、世界一楽しい百貨店だと思っていただきたいです」とした。

阪急うめだ本店キャンペーンでの装飾は7月16日~23日まで行う

旅前、旅行時、旅行後まで活用できるコミュニケーションツール
チャット活用の「店内案内」で観光客のストレス軽減

続けて登壇したテンセント・ホールディングス・リミテッド WeChat Pay 副総裁 李培库(フリーダム・リー)氏は、「業界の中で最も影響力のある百貨店と戦略的な取り組みができたのは嬉しく思っています」と語った。また、決済に付随した、公式アカウント、ミニプログラム、モーメンツ広告を組み合わせてエコシステムを構築し、有効活用してもらいたいとした。リー氏は、WeChatが旅前、旅行時、旅行後まで有効に活用できるコミュニケーションツールであることを強調した。

「レストラン QRコードオーダー」は、中国の飲食店では当たり前のように使われており、日本で利用した中国人の声を聞くと、想像以上に評判が良いという。また、観光客が何を注文して消費をしたのかを可視化でき、店舗側にとってはメニューの改善などに役立ていることが可能だ。

さらに、「店内案内」では、チャットでブランド売り場、サービスを案内する仕組みを導入しているが、「爆発的にストレスがなくなりました」と、阪急阪神百貨店 取締役執行役員 山口俊比古氏は成果を述べる。公式アカウントで提供している電子会員証は、申し込みプロセスの簡素化に加え、財布を持ち歩かない人もいる中国人観光客がスマホの中で常に携帯できるようになった。

阪急阪神百貨店 取締役執行役員 山口俊比古氏

WeChatを使って化粧品を事前予約できるサービス開始
40元自動割引になるキャンペーン実施

7月16日からは、阪急うめだ本店2階化粧品エクスプレスカウンターにおいて、「化粧品予約受取サービス」を開始。同サービスは、WeChatを使って化粧品を事前予約することで、予約した商品を阪急うめだ本店の店頭ですぐに受け取ることができるもの。「旅前から公式アカウントを通じて、頼まれた商品を注文し、決済までできます」(リー氏)。開始時点では約15ブランドに対応しており、複数のブランド購入時も1箇所で商品を受け取ることができる。

 

阪急阪神百貨店では、7月16日~9月15日(予定)まで、「ウィーチャットペイスマート旗艦百貨店」記念キャンペーンを実施している。利用者は事前にQRコードもしくはWeChat公式アカウントからクーポンを獲得し、クーポン獲得後5日以内に、1レシート1000元以上の買い上げをすると40元自動割引になるそうだ。

スイッチングゲートウェイでQR/バーコード決済サービスに順次対応
阪急阪神百貨店での中国インバウンド決済の状況は?

なお、現在、WeChat Payの月間の売上は7億円以上あるという。阪急阪神百貨店では、WeChatPay導入において、インタセクト・コミュニケーションズの協力を得ている。インタセクト・コミュニケーションズは、旗艦店のドン・キホーテ、スマート旗艦遊園地の富士急ハイランドなどのWeChat Pay導入をサポートしてきた。

阪急阪神百貨店ではPOS接続によりWeChat Payの決済を実現。中国のQR/バーコード決済サービス「Alipay」や、国内の「LINE Pay」、「Origami Pay」、「楽天ペイ(アプリ決済)」、「PayPay」、「メルペイ」といった手段を順次導入している。QR/バーコード決済サービスを小売店舗のPOSレジで同時に複数利用可能にする仕組みは凸版印刷と富士通エフ・アイ・ピーのスイッチングゲートウェイ(決済情報中継サービス)を採用しており、各社が提供するサービスに順次対応可能だ。

また、中国からのインバウンド決済において、WeChat Payなどのモバイル決済サービスの利用は伸びており、阪急阪神百貨店 営業政策室 インバウンドマーケティング部 ディビジョンマネージャー 白井康之氏によると、中国人観光客の支払いのうち6~7割を占めているという。

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