2019年8月9日8:00
決済端末ベンダーのVerifone(ベリフォン)は、イギリス・ロンドンで開催された流通向けの展示会「Retail Expo」において、タッチスクリーン型の「Carbon Mobile 5(カーボン・モバイル5)」を紹介した。
持ち運んでさまざまな支払い方法に対応可能
ベリフォンは世界的にもトップクラスの決済端末ベンダーだ。同社では近年、「Verifone Carbon(ベリフォン・カーボン)」「Verifone Engage(ベリフォン・エンゲージ)」といった端末の投入により、支払いだけではなく、ロイヤリティサービスなども含めた顧客体験、店舗の使い勝手向上に力を入れている。
「Carbon Mobile 5」は、手のひらで扱えるシングルスクリーンの決済端末だ。既存のクレジットカード、デビットカードに加え、NFCの非接触機能、AlipayやWeChat PayといったQRコード決済もサポート可能だ。VerifoneのJAMIE BULLARD氏は、「これからのペイメントシステムのメソッドをすべて吸収しています」と説明する。また、端末は持ち運びできるため、スタッフが携帯して、レジ以外での面前決済が可能だ。
店内の顧客体験向上とパーソナライズに貢献
オペレーティング・システムはAndroid 7となり、販売管理、ロイヤルティプログラム、在庫管理などのAndroidアプリを実行可能だ。顧客には、決済だけではなく、ポイントやクーポンといった顧客体験を提供でき、店舗でもスキャナーで商品情報を閲覧したり、テーブルオーダーなどを行うことができる。
さらに、既存の店舗との統合管理を可能にしており、店舗はAndroid開発者エコシステムへの安全なアクセスができ、ビジネスアプリとして活用できる。大手だけではなく、SMB(中小企業)でも活用可能な端末となる。
セキュリティも強固に、年末から提供を予定
「Carbon Mobile 5」の基盤は、Android 7のロックダウンバージョンであるVerifone Trusted Androidとなる。Verifoneの支払いプラットフォームによりカード会員データが保護されるそうだ。また、セキュリティ面では、PIN入力の国際規格となる「PCI PTS 5.x」に準拠するとともに、「SRED /AES DUKPT」による暗号化をサポートしている。
Verifoneでは、「Carbon Mobile 5」を年末以降に販売する予定だという。まずは、米国、英国、ドイツ、オーストラリアなどから展開するそうだ。
※取材は2019年5月1日、2日にイギリス・ロンドンで開催された「RetailEXPO(リテールエクスポ)」において