2016年12月8日11:12
決済以外のサービスと絡め、店舗での消費体験の向上を目指す
Verifone(ベリフォン)は、グローバルに決済端末を提供しており、世界でもトップクラスの出荷台数を誇る。同社では、「Verifone Carbon(ベリフォン・カーボン)」「Verifone Engage(ベリフォン・エンゲージ)」といった新型端末の投入により、店舗での消費体験の向上を目指している。なお、「Verifone Engage」は日本とドイツで先行して提供を開始する。
「Verifone Carbon」は米国で提供開始
注文から決済、広告配信まで可能
Verifoneは、30年以上にわたり決済端末ビジネスをリードしてきた。これまで約29万台の決済端末とターミナルを出荷。150カ国以上でパートナーを有している。
同社では、店舗が顧客とのエンゲージメントを高めるための決済端末の提供に力を入れている。Verifoneの決済端末では、免税システム、ポイントカード/スタンプカード、広告、アンケートなど、さまざまな機能を提供することが可能だ。
「Verifone Carbon」は、Androidベースのデュアルスクリーン端末を利用して、接触/非接触、磁気の決済、広告配信、ロイヤリティサービス、レストランでのオーダーやテーブルチェックなど、さまざまなサービスを提供することができる。
たとえばレストランでは、デュアルスクリーン画面により、消費者はメニューを確認することができる。また、店舗の従業員は端末を持ち運んで利用することができるため、店舗の各テーブルで会計を行うことが可能だ。さらに、「Verifone Carbon」にはスタンドが付いており、プリンターからレシートを出力できる。なお、決済時に消費者がPINの入力を行う場合、画面のタッチスクリーンで暗証番号をタッチする流れとなる。
すでに「Verifone Carbon」は米国で利用されており、2017年以降は欧州でも本格的に使用される予定だ。
「Verifone Engage」は店舗スタッフが操作しやすい設計を意識
日本ではベスカと連携して展開へ
「Verifone Engage」シリーズは、接触/非接触、磁気の決済が可能で、消費者と小売業者のコミュニケーションを円滑に行うことを目指して開発された端末となっている。
たとえば「V200C」は、Linuxベースで、2.8インチのカラー液晶ディスプレイを搭載。店舗が操作するキーボードは、高齢者などでもタッチしやすいように意識して作られたそうだ。また、キーボードに加え、タッチスクリーンを使っての操作も可能だ。さらに、Wi-Fi、Bluetooth、オーディオ機能なども付いている。
流通店舗はサードパーティのアプリをダウンロードして、さまざまなサービスを提供可能だ。標的化されたオファーやロイヤリティプログラムにより顧客にパーソナライズされた購買体験を提供することができるという。
「Verifone Engage」は、日本とドイツから提供を開始。日本では、ベスカを通して販売されることが発表されている。ベスカでは、Verifone端末の決済をベースとしたさまざまな機能を日本国内で活用するための、パートナー向けサービス「Verifone Ark」を発表している。店舗は、EMV接触/非接触、日本で普及しているFeliCaベースの各種決済、ウォレットやロイヤリティサービス等に対応できるとしている。
※取材は2016年11月29日~12月1日まで、フランス・カンヌで開催された「TRUSTECH(トラステック)」にて