2019年10月15日8:00
NTTドコモは、2019年10月11日、都内で「NTTドコモ 2019-2020冬春 新サービス・新商品発表会」を開催した。当日は、ID・パスワードを使った不正ログインを未然に防ぐ「dアカウント パスワードレス認証」への対応、キャッシュレス決済の不正利用の補償などを提供する「ネットトラブルあんしんサポート」、加盟店が提供するサービスをアプリ内で利用できる「d払い ミニアプリ」の概要を発表した。
「dアカウント パスワードレス認証」を開始
NTTドコモでは、2020年2月以降に、不正ログインを未然に防ぐ「dアカウント パスワードレス認証」を開始する予定だ。対象機種はこれまで発売した90機種に加え、新ラインアップの4機種も加わる。
これは、dアカウントログイン時の認証を、生体認証のみに設定することができ、パスワード入力を省くことができる。これにより、仮にパスワードを盗み取られても、パスワードによるログイン自体が無効化されているため、第三者による不正ログインを防ぐことが可能だ。また、パソコンなどでログインする場合は、dアカウント登録されているスマートフォンで生体認証することでログイン可能。2020年4月には、一部機種で、生体認証に加えて、画面ロック解除のために設定したPINコードなどでもdアカウント認証できるよう順次対応予定だ。NTTドコモでは、dアカウント 生体認証において、オンライン認証方式であるFIDO(ファイド)認証に準拠するといった取り組みを進めてきたが、パスワードのない世界が実現することとなる。
「ネットトラブルあんしんサポート」で決済の不正被害を補償
安心・安全なインターネット取引に向けては、予防に役立つ情報の提供から、トラブルに遭った時のサポートまで総合的に行うサービス「ネットトラブルあんしんサポート」を、2019年12月から月額500円(税抜)で提供すると発表した。具体的には、最新のインターネット上でのトラブル事例などを、専用アプリからタイムリーに配信する。また、実際にトラブルに遭った場合や不安を感じる時には、インターネットトラブルに精通した専門スタッフに電話で相談できる。さらに、必要に応じて、消費生活アドバイザーなども対応するという。
そして、QRコード決済、クレジットカード決済、デビットカード決済、後払い方式の電子マネーの事業者が提供する支払い手段において、不正利用の被害に遭った場合に補償する「不正決済補償」を付帯する。これは、決済事業者が「不正利用」と認めた場合に適用される。また、補償は決済事業者等から補償を受けられる額を除き、100万円までとなる。なお、不正利用による損害の額を補償する制度を設けていない決済サービスは対象外となる。
「d払い ミニアプリ」を提供、加盟店の各種サービスを利用可能に
スマートフォン決済サービス「d払い」は、日常生活のスタンダードとなるサービスで、FinTechサービスの中でも「決済は重要な要素だと考えています」と、NTTドコモ 代表取締役社長 吉澤 和弘氏は話す。d払いは10月5日に1,000万ダウンロードを突破し、取扱高は760億円を突破している。同社では、安心してサービスを利用してもらえるように、セキュリティの強化、補償制度の充実、プライバシーポリシーの再編を図っている。
そして、11月28日から、d払い加盟店がスマートフォン上で提供しているサービスをd払いアプリ内で利用できる「d払い ミニアプリ」を開始する予定だ。これは、アプリの中にサービスを組み込み、加盟店が自社アプリなどで提供している事前注文や事前決済などのさまざまなサービスやd払いで利用できるクーポンを提供するプラットフォームとなる。それぞれのサービスをダウンロードしなくても、予約から事前決済までをシームレスに利用可能だ。
サービス開始時点では、JapanTaxiの配車サービスに対応。タクシーの配車予約から事前決済までの手続きを同じアプリ上で完結することが可能だ。12月10日からはドコモ・バイクシェアの事前決済に対応し、今年度内には吉野家の注文、ローソンの生鮮食料品の事前予約・決済も利用できるようになる。
さらに、ローソン、スギ薬局、ジャパン、上島珈琲店、かっぱ寿司、牛角、しゃぶしゃぶ温野菜、First Kitchen、Wendy’s First Kitchenにおいて、d払いでの買い物がお得になるクーポンを利用できる。
NTTドコモでは、d払いのキャンペーンも積極的に展開。今後は、11月にドラッグストア、12月にコンビニエンスストアで、それぞれ10%還元のキャンペーンを展開する予定だ。また、小規模店舗の支援として、2019年10月~2020年6月まで、ユーザーが加盟店に設置された二次元コードを読み取るMPM(Merchant Presented Mode)方式を採用する店舗に対し、月々の決済金額の10%分のキャッシュレス推進ボーナスを進呈している。