2010年11月12日8:15
「ポイントサービスの現在」~ジェーシービー(1)
クレジットカード事業とは別の環境省モデル事業「エコ・アクション・ポイント」を推進
将来的に100万会員、参加企業100社、10億ポイントの流通を目指す
環境省では、平成20年度より地球温暖化対策の切り札として、エコ・アクション・ポイントモデル事業を推進している。ジェーシービー(JCB)では数年前から米国の社会貢献型ポイントを参考に国内展開を模索してきたが、2008年10月から環境省のモデル事業として採択され「エコ・アクション・ポイント」の運営をスタートした。
クレジットカード事業とは全く異なる環境貢献事業
政府の環境政策を官民一体のポイントプログラムとして推進
「エコ・アクション・ポイント(EAP)」は、消費者による温暖化対策型の商品・サービスの購入や省エネ行動など、経済的インセンティブを付与することにより、環境活動に貢献する取り組みである。
環境省では2008年度から、「国民参加による温暖化対策の切り札」として、さまざまな温暖化対策型の商品・サービスの購入・利用などのエコ活動にポイントを付与し、貯めたポイントを商品に交換するEAPを、モデル事業として推進している。モデル事業3年目の今年度は、ジェーシービー(JCB)が11の企業・団体と共同提案を行い、モデル事業として採択された。
JCBは、クレジットカードのポイントプログラムで培ったノウハウを活用し、同事業のプラットフォーム運営を担っている。環境省が推進する地球温暖化対策のひとつであるエコ・アクション・ポイントを民間企業であるJCBが参加企業と利用者を募り、規模拡大を目指している。JCBはこれまで企業の社会的責任である「CSR(Corporate Social Resposibility)活動」としてさまざまな取り組みを行ってきた(http://www.jcbcorporate.com/corp/csr/kouken.html)が、同取り組みは環境省の政策にプラットフォーム運営ノウハウを提供するかたちで環境貢献活動に参加しているというCSR的な意味ももつ。
「EAPと『Tポイント』や『Ponta』などのポイントプログラムとの決定的な違いは、温暖化対策型の商品やサービスを購入する際などにポイントが付与される点です。また専用のWebサイトでは個人がどれだけ環境活動に寄与したのかを閲覧すること(見える化)が可能なことです」(小泉 泰祥氏)
生活者がEAPを貯めるためには専用のWebサイトで会員登録が必要となる。利用者はエコアクションID、パスワードを設定し、「マイページ」を作成することでポイントを貯めることが可能になる。
参加企業は、ポイント数が記載されたポイントシートを対象商品に添付して販売。生活者は会員登録したサイトでポイントシートに記載された「アクションナンバー」を入力して獲得したポイントを登録する。また、Webサイトで商品を販売するサイトに対しては、注文画面にエコアクションIDの入力項目を設けており、会員が入力することでポイントを貯めることができる。
現在、家電量販店、銀行、スポーツ団体、自治体など、累計53企業・団体が参加している。2010年10月末時点でEAP対象商品は約1,600点。
「例えば、京都の『CO2削減バンク(京都環境行動促進協議会)』様は温暖化対策の取り組みとして家庭の省エネや太陽エネルギーの利用設備導入、内窓リフォーム、省エネリフォームを行うとEAPを付与していただいています。また、昨年度ですが、プロサッカーチームの清水エスパルス様が環境貢献施策として、1つの試合をエコマッチと名付けて来場した方にEAPを付与していただいた事例もありました」(小泉氏)