2020年1月21日8:10
イタリア・トリノに本拠を置く欧州有数の金融機関であるIntesa Sanpaolo(インテーザ・サンパオロ)は、キャッシュレス決済の推進に力を入れている。同社の取り組みについて説明してもらった。
Intesa Sanpaoloはイタリアで1,200万人の顧客を有する、イタリア最大規模の金融機関だ。また、東ヨーロッパ、中東、北アフリカに720万の顧客を有している。
同社では、Apple Pay、Google Pay、Samsung Payといったデジタル決済の推進により、消費者が便利に支払いができるように努めている。Intesa Saopaolo Head of Digital PaymentsのGian Battista Baa氏は、「イタリアはまだまだ現金の支払いが多いのでデジタル化を推進していきたいです」と話す。
Intesa Sanpaoloでは、Mastercardとともに「Tap on Phone」を発表。これにより、加盟店はハードウェア不要で、スマートフォンを利用して支払いを受け入れることができる。消費者は、EMVコンタクトレスカード、デジタルウォレット(Apple Pay、Samsung Pay、PAyGOなど)を使用した支払いが可能だ。支払い後のレシートは、 XME Commerceにより発行し、デジタルで利用者に送信できる。同取り組みは、同取り組みでは、Mercury Payment ServicesおよびMobeewaveの支援を受けて実現した。
このような取り組みにより、小規模事業者はデジタル決済を容易に受け入れることが可能となる。また、キャッシュレス決済により、大手企業でも取引を明確にコントロールすることができるとしている。Battista氏は、「利用者と提供者がWin-Winになるシステムを提供していきたいです」と語る。
イタリアは現金取引が中心だが、「去年に比べて全体的な取引は増えていますので、キャッシュレスが便利であることを知らせることが重要な課題です」とした。今後もイタリアの他の銀行やFinTechベンチャーなどと協力し、キャッシュレス化を進めていきたいとしている。
※取材は2019年11月6~8日までイタリア・ミラノで開催された「Il Salone dei Pagamenti~payvolution~」にて