2018年11月15日19:10
デジタルセキュリティベンダーのジェムアルト(Gemalto)は、イタリアの銀行グループのインテーザ・サンパオロに、初のマスターカード生体認証非接触決済カードを納入すると発表した。
インテーザ・サンパオロとマスターカードはパイロット試験を実施し、欧州で初めてEMV非接触生体認証カードをテストする。消費者が支払いを行うためには、POS端末にカードをタップして指紋で取引を承認する。指紋認証により、PINの入力や受領証へのサインは不要だ。さらに、同カードは端末から電力を得るためバッテリーは使用せず、そのため取引の回数に制限はないという。
同カードは既存のEMVカード端末のインフラで機能するため、既存のハードウェアやソフトウェアをアップグレードする必要はない。発行会社にとっては、この技術は不正の検出と防止、承認率の向上、運営費用の削減、顧客ロイヤルティの向上に役立つとしている。
インテーザ・サンパオロは、イタリアに1,190万人の顧客と4,400箇所の支店を擁している。ジェムアルトのソリューションには、一部の拠点でセキュアにその場で指紋登録する機能が含まれ、将来的には消費者が自宅でサービスに登録することも可能になるとしている。生体認証情報はカード自体に保存され、銀行のサーバには置かれない。さらなる保護の強化として、個人情報は暗号化される。
なお、インテーザ・サンパオロの初期パイロット試験は、トリノ、ミラノ、ローマで実施され、16週間にわたる予定だ。