世界の決済シーンで重要性が高まるペイメントサービス・プロバイダーとは?

2020年2月10日8:00

キャッシュレス化やヨーロッパのPSD2による規制環境の変化などにより、ペイメントサービス・プロバイダー(Payment Service Provider、PSP)が注目され、その役割が改めて評価されている。ペイメントサービス・プロバイダーとは、マーチャント(事業者)が多様なデジタル決済を受け入れることができるようにする組織・事業体である。レポート「世界の決済イノベーション市場要覧」の第5章では、ペイメント・サービス・プロバイダーを取り上げている。

1,000を超えるペイメントサービス・プロバイダーが事業を展開

ペイメントサービス・プロバイダーとは、マーチャント(事業者)の決済を処理するため、多くのアクワイアラーやイシュア、VisaやMastercardなどのペイメントネットワークと接続を行っている。決済処理を行うために、これらアクワイアラーやイシュアー、ペイメントネットワークとの接続のみを行うだけのサービスプロバイダーであれば、ペイメントゲートウェイ(Payment Gateway)である。しかし、多くのペイメントサービス・プロバイダーは、ペイメントゲートウェイ(Payment Gateway)の範囲を超えて、決済におけるリスクや不正に関する管理、報告、追跡などの追加サービスを行う。

ペイメントサービス・プロバイダーの前身には、POSカード決済端末機によるペイメントカードのペイメントプロセッシングが普及し始めた1980年代から、アメリカで登場してきたISO(Independence Sales Organizer)やMSP(Merchant Service Provider)と、1995年のインターネットの商業化によるEコマースの急速な拡大とペイメントカードのオンライン決済に伴い生まれたペイメントゲートウェイ(Payment Gateway)とがある。前者のISOやMSPは、リアルの店舗におけるPOS(POSカード決済端末機)、CP(Card Present)ベースのデジタル決済である。後者のペイメントゲートウェイ(Payment Gateway)は、インターネット空間で、オンラインマーチャントでのCNP(Card Not Present)ベースのデジタル決済である。インターネット空間で、オンラインマーチャントでのCNP(Card Not Present) ベースのデジタル決済をメインとするペイメントサービス・プロバイダーと、リアルの店舗で、POS(POSカード決済端末機)によるCP(Card Present) ベースの両方を兼ねるペイメントサービス・プロバイダーがいる。現在、ヨーロッパやアメリカを中心に、世界中に1,000を超えるペイメントサービス・プロバイダーが事業を展開しているといわれている。

ペイメント・サービス・プロバイダーの概要と役割は?

ペイメントサービス・プロバイダー(Payment Service Provider)には、オンライン(CNP、Card Not Present、ウェブマーチャント)、オフライン(Card Present、リアルの店舗)の多くの決済方法への対応が求められる。

オフラインのインストアのリアルの決済には、クレジットカードの他、代替オンラインペイメントサービスなど多くのスキームが存在する。インストアのリアルの決済の主なスキームには、クレジットカード、オン・オフのデビットカード、プリペイドカードといったペイメントカードや、NFCやQRコード決済などいくつかの決済方法によるモバイル財布ベースの近接型モバイルペイメントがある。

オフラインのインターネットやモバイルコマースにおけるオンラインペイメントにも、クレジットカードなどのペイメントカードやデジタル財布などの代替オンラインペイメント、銀行口座決済、COD(Cash On Delivery、着払い)、請求書支払い、コンビニ支払いなど多様な決済方法がある。それぞれの決済方法には、メリットやデメリットがあり、ユーザーはスマートフォンを持っているか否か(使いこなせない場合を含む)によって自分に合った決済方法を選ぶ。支払いを受ける側のショップやEコマースの事業者側もユーザーのニーズに沿って、多様な決済方法をラインナップする必要がある。キャッシュレス化が進むにつれ、こうした現金以外のデジタル決済がボリュームとともにその種類も増えてくる。

ショップなどのマーチャント(加盟店)が、クレジットカードやデビットカード、プリペイドカードといったペイメントカードの他、デジタル財布やモバイル財布など多様な決済方法をラインナップするには、決済方法別にそれぞれのイシュアーやアクワイアラーとの個別契約を行うのは困難であり、多様な決済方法を受け入れるハード(POSカード決済端末機など)とソフトを一括して事業者に提供することができるペイメントサービス・プロバイダー(Payment Service Provider)を介することが得策であり、ペイメントサービス・プロバイダーの重要性が増してくる。ペイメントサービス・プロバイダーは、マーチャント(加盟店)に“ペイメントサービスのワンストップソリューション”を提供する。こうした、ペイメントサービス・プロバイダーの“ペイメントサービスのワンストップソリューション”には、複数の決済事業者との契約の集約のみならず、接続や運用、障害時の対応なども含まれる。

ペイメントサービス・プロバイダー(Payment Service Provider)には、複数の国でクロスボーダーな事業を展開するオランダベースのAdyenや香港ベースのAsia Pay、オーストラリアベースのIngenico GROUPなどの国際ベースのペイメントサービス・プロバイダーの他、1つの国や地域で事業を展開するナショナルベースやローカルベースのペイメントサービス・プロバイダーがいる。アメリカなど国土が広い国では、1つの州、ないし複数の州で事業を行うローカルベースのペイメントサービス・プロバイダーがいる。

また、オンライン(ペイメントゲートウェイ、Eコマース、CNP)、またはオフライン(リアルの店舗、POS、CP)のいずれかを専門とするペイメントサービス・プロバイダー、あるいは両方の決済に対応するペイメントサービス・プロバイダーがいる。さらに、レストランや病院、航空会社、ホテルなど特定の業種を専門(得意)とするペイメントサービス・プロバイダーもいる。こうしたペイメントサービス・プロバイダーは、それぞれの業種や業態に応じたPOSカード決済端末機などの決済端末機の提供や処理システムを提供してくれる。

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